ペイン・アンド・グローリー
20/6/20(土)
ペイン・アンド・グローリー (C)El Deseo.
ラテン的濃さとあふれんばかりの情念が特徴のアルモドバル作品。しかも『ペイン・アンド・グローリー』は彼の自伝というのだから、より濃い映画になっているのでは? が、そういう予想を大きく裏切り、ウソみたいに抑制が効き、それでいて熱い想いが伝わってきて、さらには意外なラストで驚かせる、あっぱれな映画になっていた。
いま一度、かつての自分と向き合い、新しい一歩を模索する初老のベテラン監督という、この手のジャンルではお馴染みとも言えるものが、客観性を保つことで普遍性を獲得し、見事な構成で感動を与えてくれるのだ。きっとアルモドバル、自伝だからこそクールを心がけたんじゃないだろうか。そのアルモドバルを体現するバンデラスもいい具合な枯れっぷり!
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