森崎ウィン Aiming To Overseas
エンターテインメントの役割 みんなに明るい気持ちになってもらいたい!
月2回連載
第51回
こんにちは。森崎ウィンです。
もうすでにみんな知っていると思いますが、緊急事態宣言の発出を受け、「MORISAKI WIN FIRST FLIGHT」公演は延期になりました。
発表のコメントにも書いたけど、僕自身は今回のことをすごくポジティブに考えています。みんなの前でライブをやりたかった気持ちはもちろんある。だけどやっぱりみんなの安全と健康を考えたら、延期という判断がいちばんいいよねって。僕も納得して決めたので、延びてしまったこの時間は、さらにより良いライブにするための準備期間だと前向きに捉えています。
去年、『ウエスト・サイド・ストーリー』が中止になって。あのときは最後までできなかったことが本当に悔しくて。その気持ちを一度味わっているからこそ、今このご時世に生のライブを企画する以上、こういうことが起きる可能性もあるって覚悟していたし、たとえそうなったとしてもちゃんと気持ちを切り替えて次に向かっていける気持ちの準備ができていたんだと思います。だから、僕の心配はいりません。今はすごく元気です。
会場の問題もあるから、まだ時期がいつになるかは何も言えないけど、必ずパワーアップしてみんなの前に帰ってきます。ライブに向けての制作はまったく止まっていません。パッケージをより良くするためにスタッフのみんなと細部まで話し合って。今回はバンドのメンバーも増えるので、より一体感の増したサウンドをみんなにどうやって楽しんでもらおうって、僕自身、ワクワクしながらリハに取り組んでいます。
実は、今回のライブでは大ちゃん(清水大樹)に演出に入ってもらってるんですよ。やっぱり同じステージに立つ者同士にしか分かち合えないものがあると思っていて。そういうディスカッションをできる相手がチームにほしかったんだけど、それはやっぱり僕にとって大ちゃんがベストだった。そしたら、大ちゃんも快く引き受けてくれて、実はこのあとも大ちゃんとダンスリハをやるところです。
大ちゃんからは、僕が考えたアイデアに対して、「これはいいね」とか「これはいらないんじゃない?」とか、スターダストのスタッフともコロムビアのみんなとも違う目線から意見をもらっています。それがすごくいいんだよね。絶対いいものになるから、楽しみにしてて! それでの間、みんなも『Flight』をたっぷり聴いて準備しておいてください。これは宿題です(笑)。
たぶんこれを読んでいるCrewの中には、延期の発表にショックを受けた人もいると思います。すごく楽しみにしていたものをいきなり奪われるしんどさは、僕もエンターテインメントが好きだからよくわかる。でも、ライブができなくて辛い気持ちは、僕も同じ。やっとみんなに会えると思っていたのに、それが叶わなくなってしまって、本当に辛いし、寂しい。もちろん無観客配信でという方法もあったんだけど、僕はやっぱりライブは生がいちばんだと思っているから、今回は延期という選択をとらせてもらいました。
みんながこれを読んでいるのは、ゴールデンウィークの真っ最中。どこにも行けなくて、家にこもりっきりで、気持ちがふさがりそうな人もいるんじゃないかな。その気持ちもすごくわかるから、簡単に他の楽しみを見つけてなんてことは言えないけど。
でも、今回の緊急事態宣言ですごく思ったのが、みんなに前を向いてもらうためにも、僕が前向きでいることが大事なんだということでした。僕がこうやってポジティブにいることで、みんなにも元気な気持ちになってもらえたらいいなって。エンターテインメントって、そういうことだと思うから。
僕はこの空いてしまった時間をプラスのものにするために、ガンガンいろんなことをやるつもり。だから、もし気が滅入って落ち込みそうになったら、いつでもこのエッセイを読んで、前向きな僕を見て、少しでも明るい気持ちになってもらえたらうれしいです。そのために、この場所があるんだから。
そして、もし吐き出したいことがあったら、遠慮なくコメントに残してください。ちゃんと見ているからね。
それでは、きっと近いうちに必ず会えると信じて。
森崎ウィンでした!
プロフィール
森崎ウィン
1990年生まれ、ミャンマー出身。小学校4年生の時に日本へ渡る。2008年よりダンスボーカルユニット・PRIZMAX(現、解散)のメインボーカルとして活躍した。俳優としても様々な映画、ドラマ、舞台に出演し、2014年には『シェリー』で映画初主演を務める。2018年、日緬共同制作映画『My Country My Home』に出演、そのスピンオフであるドラマ版『My Dream My Life』では主演を務め、現地のテレビ局mntvで冠番組「Win`s Shooow Time!」を持ち、様々な広告に出演するなどミャンマーで大ブレイク。スティーブン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』のオーディションでメインキャストであるダイトウ/トシロウ役に抜擢され、ハリウッドデビューを果たした。近年の映画出演作に、 『海獣の子供』『トゥレップ』『蜜蜂と遠雷』(19)、『キャッツ』(20)などがある。映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。またメ〜テレ制作の連続ドラマ『本気のしるし』(19)にて初の連ドラ主演を果たした。2020年は世界中で再演を重ねているミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド・ストーリー」の日本キャスト版Season2(主演:トニー役)に出演。
撮影/鬼澤礼門、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/速水昭仁、スタイリング/小渕竜哉、衣装協力/シャツ¥37,400/saby、ローファー¥20,900/space craft(共にHEMT PR 03-6721-0882)、カットソー¥14,850/SHAREEF、パンツ¥30,800/CONTOROLLA +(共にSian PR 03-6662-5525)、リング¥33,000/PLUIE(PLUIE Tokyo 03-6450-5777)