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リョウガの初キスは誰に?超特急が有観客コントライブを開催!「コントでメンタルが鍛えられました」

ぴあ

「コント×超特急 其之弐~初キス大作戦~」

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2021年7月27日、メインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」がヒューリックホール東京にて「コント×超特急 其之弐~初キス大作戦~」を開催した。

4月に続き第2弾となるこちらのイベント。前回と大きく違うのはリアルイベントであるということだ。無観客ライブ・WEB配信という観客の笑い声が聞こえないという、過酷な環境下でのコントライブだったが(開演前のアナウンスでの彼らの言葉を借りれば「ノーリアクションの中、コントライブを行うという暴挙」)、その経験が彼らの笑いに磨きをかけたのかもしれない。

ツッコミもボケもキレが増した超特急のコントステージの模様をレポートする。

「最後に一人選んでキスしてほしい」

まず登場したのがウェイ系男子に扮したリョウガとユーキ、カイ。ファミレスで盛り上がっている3人のもとに共通の友人・タカシから電話がかかってくる。映画『五等分の花婿』を観に行くから行けないというタカシの言葉をきっかけにショートコントが繰り広げられる。言葉遊びのようなセリフ回し、彼らのノリの良さで笑いのジャブを打ち、会場を温める。

そして始まったのはアニメ『五等分の花嫁』のパロディコント『五等分の花婿』。
YouTube専門の家庭教師・雨太郎(リョウガ)が訪れたのは五つ子のYouTuberの自宅。そこには長男で真面目な一郎(タカシ)、怒りっぽいけど真っすぐな二郎(タクヤ)、なぜか一人強い訛りのある三郎(カイ)、明るくキュートな表情を振りまく四郎(ユーキ)、人気歌手・ヨルダンとして活躍する五郎(タカシ)が住んでいた。雨太郎のミッションは5人のYouTubeチャンネル登録者数を半年で10万人にすること。

最初は反発したり、すれ違ったりしていた五つ子と雨太郎だが、次第に心を通わせて行き、やがて一郎と二郎、三郎、四郎は雨太郎に想いを寄せるように。
約束の半年を迎えた日、五つ子の元を去ることになった雨太郎。そんな雨太郎に二郎がこう切り出す。
「最後にひとり選んでキスしてほしい」
果たして雨太郎が選んだのは一体……? というストーリーだ。

『五等分の花婿』のストーリーをベースに、YouTubeチャンネルの登録者数を増やすためにさまざまなことに挑戦していく五つ子と雨太郎。
カメラに向かってAIの指示通りに「全力真顔」、「全力キス顔」などを披露する「全力○○」。
YouTuberという設定を活かし、たびたび舞台上にカメラが登場、その映像をスクリーンに映し出すという手法で彼らの生の表情を観ることができるのも良い。改めて彼らの表情筋の柔らかさに驚いてしまう。

完璧すぎるモノマネ芸人!? 似川きよし

またYouTubeでウケるという爆速動画を撮るために五つ子でオーディションが行われる場面も。それぞれが小梅太夫やジョイマン、レギュラーのネタ、氷川きよしの歌マネなどを披露。ネタのチョイスも絶妙ながら、それぞれの個性やスキルが活きているのがいい。小梅太夫のネタをしながらサラッとムーンウォークをやってのけるユーキ。氷川きよしの曲を、歌唱力をキープしたまま、爆速で歌ってみせるタカシ。

しかし、実は一郎が氷川きよしの歌がうまいのには理由があった。それはモノマネバーで氷川きよしのモノマネ芸人・似川きよしとして働いていたからだ。一郎のもとを訪れ、バーをやめさせようとする雨太郎。それを阻止しようとするモノマネ芸人の先輩たち。ここでもメンバーそれぞれがモノマネ芸人として登場し、客席の笑いを誘う。

更にYouTubeのために行う街頭インタビューでは、雨太郎と二郎がカメラを持って街へと繰り出す。そこには個性の強いキャラクターたちが次々と登場。2人を翻弄する。
それぞれが一体どれだけのキャラクターを演じるのか。どれも魅力的で困ってしまうし、おそらくアドリブであろうセリフも次々と飛び出す。そしてそれを丁寧に拾ってツッコんでいくリョウガのスキルの高さには笑いながらも、もはや爽快感さえ覚えてしまう。

また、途中で流れるブリッジ映像も秀逸だ。モノマネバーのターン直後にはまた、タカシ扮する似川きよしによる『きよしのズンドコ節』もリョウガ、カイ、タクヤ、ユウキによるコーラス付きのVTRが。
ほかには第一弾に続き『THE FIRST TAKE』ではメンバーがモノマネを。お題は「全力 アントニオ猪木」。スーツ姿でキメているのに、全力でモノマネ。このギャップが楽しいし、グッと来る。

前回から引き続いてというところでいうと、某音楽番組のパロディ「ミュージックエアポート」、カイが演じる美容師「鬼目つけ彦」。カイはこの日、三郎、鬼目つけ彦のほかに笑い方にクセのあるおじさん、市原隼人のモノマネをする偽原隼人などを演じていたが、どれもアクが強い。冒頭ではカイ演じる三郎がしゃべるたびに会場からは笑いが漏れたほどだ。この日、カイに心を掴まれた人は多いのではないだろうか。
定番のコントができることで、『コント×超特急』から人気キャラクターも誕生するときもやがてくるかもしれない。

野望は「コントと言えば超特急」!?

最後の挨拶では、「歓声が出せないという感じだったんですが、今回は久しぶりに8号車のみなさまの(笑い)声もちゃんと聞けたなと安心しました」(カイ)、「お客様の前でコントをできることが光栄でした」(タクヤ)と有観客でコントライブができたことに喜びをにじませた。
ユーキは「コントライブをしているとメンタルがどんどん鍛えられていく。これを10回ぐらいやったときにはもう噛まないんじゃないかな、と思ってます」と言い、リョウガに「10回かかるんだ?」とツッコまれつつも「その場で生まれるお笑いというのがあって、やっていて僕もおもしろいと本当に笑っちゃうし」と楽しんでライブをやっていたことを笑顔で伝えた。
タカシは「ゆくゆくは『コント×超特急』も公演を重ねていっていろんなところでできるような、コントと言えば超特急と思ってもらえるような……」と言い、ほかのメンバーを戸惑わせる事態も。更に「一部はライブで二部はコント」という提案まで出てきて、これからの超特急の活動の可能性の大きさを感じさせた。

初めての有観客コントライブ。1時間半強のステージに、常に会場は笑いで溢れていた。テンポの良いストーリー、笑いのネタの散りばめ方はもちろんのこと、客席の反応からリアクションを変化させる瞬発力の高さは、彼らのこれまでの経験値によるもので、まさにその瞬間にしか存在できない笑いを多く生み出した。
そして何より、この日、会場で生まれた笑いは、8号車の心に明るい火を灯したに違いない。
さらにエンターテイメントの輝きを増した超特急が、次にどんなショーを見せてくれるのか楽しみだ。

取材・文/ふくだりょうこ

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