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ジュディ 虹の彼方に

20/3/2(月)

(C)Pathe Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019

『ブリジット・ジョーンズの日記』がすっかりアイコンとなってしまったレニー・ゼルウィガーの繊細さと大胆さで体現したジュディ・ガーランドは、彼女にしか演じられないと確信するほど魅力的だったのです。 来日時に何度か司会で会っているレネーは、すぐ赤面してアワアワする少女のような人で、けれどそんな大人のレネーだからこそ、ジュディの持つセンシティブさが、時の人の心に寄り添ったり、時に人の心に敏感過ぎて生きづらくなってしまうという個性をスクリーンに映し出せたんじゃないかと。 それは憑依に近い、圧倒的な存在感。 気になったのは、ジュディが人との距離感が近過ぎることで、それはもしかしたら、幼くしてハリウッドの大人たちに天才ミュージカル子役として育てられ、眠ることさえ許されずに、人を喜ばずために生きるように植えつけられたからかもしれない。 『オズの魔法使』で夢を与えた少女の後期の人生に焦点を当て、どんな感情でもステージの上で誰かの為に歌い続けねばならず、親から愛を与えられる暇もなく大人になった彼女の、母親を演じてしまう悲しみが浮き彫りになっていく“人間とは”を描いた作品に思えました。 だからこの作品でのレネーのオスカー受賞は、ハリウッドの闇に、ハリウッドがしっかり目を向けたという証にも感じられるんです。 そしてLGBTの象徴と言えるレインボーフラッグが、ジュディの名曲『虹の彼方に』から着想を得たというエピソードも、今の時代に映画化するうえで意味があるのですよね。

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