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花柳章太郎追悼「十月新派特別公演」に向け水谷八重子「新派のエッセンスを感じ取って」

ナタリー

左から河合雪之丞、波乃久里子、水谷八重子、喜多村緑郎。

「花柳章太郎 追悼『十月新派特別公演』」の公演取材会が昨日9月9日に東京都内で行われ、出演者の水谷八重子、波乃久里子、喜多村緑郎、河合雪之丞が出席した。

「花柳章太郎 追悼『十月新派特別公演』」は、劇団新派の名優・花柳章太郎の追悼公演。今回は、ゆかりの演目である「小梅と一重」「太夫(こったい)さん」が上演される。「假名屋小梅」の中のひと幕「小梅と一重」で宇治一重役を演じる八重子は「今回はお品が良いというよりかは、暴れ馬のような小梅です。その声量に負けないようにがんばります。でも、がんばってはいけないんですよ。(小梅を)諭しあげなければいけない」と述べつつ、「新派の音、音楽、セリフなど、すべてが集約されている、そういう場面でございます。全員の気持ちがピタッと合わなければ、短い時間でそれを感じていただけないと思いますので、大変に難しい場面です。新派のエッセンスをここで感じ取っていただければと思います」と見どころを挙げた。

「太夫さん」でおえい役を勤める久里子は「おえいさんという役は、花柳先生よりも私のほうが多く演じているんです。しかし、回数じゃないということが写真を見てはっきりとわかりました。先生はそこに座っているだけでおえいさんなんですよね。(共演者の藤山)直美さんが喜美太夫をやってくださるので、阿吽の呼吸でできるような気がします。意気込むというより楽しみでございます」と期待を語った。

「小梅と一重」に出演する緑郎は、自身が演じる澤村銀之助について、「門閥外の役者が歌舞伎の大名題を目指しているという役でございます」と紹介。「新派の情緒がいっぱい詰まっている作品なので、もっと早く出たかったなと思いました。本来は女方という設定なのですが、はんなりとした二枚目の立役という設定に変えて、澤村銀之助という役を必死に築きたいと思います」と意気込んだ。

「小梅と一重」で假名屋小梅役を演じる雪之丞は「今回演じる小梅は、お酒に飲まれて、酔っぱらって、文句を言ってという非常に人間味のある女性です」と明かし、「一生懸命、命がけで舞台を勤めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」とあいさつした。

「花柳章太郎 追悼『十月新派特別公演』」には4人に加え、田村亮と藤山直美が出演。公演は10月2日から25日まで東京・新橋演舞場で行われる。

「花柳章太郎 追悼『十月新派特別公演』」

2021年10月2日(土)~25日(月)
東京都 新橋演舞場

一、「小梅と一重」

原作:伊原青々園
脚色:真山青果
演出:成瀬芳一

キャスト

宇治一重:水谷八重子
澤村銀之助:喜多村緑郎
假名屋小梅:河合雪之丞

二、「太夫さん」

作:北條秀司
演出:大場正昭

キャスト

おえい:波乃久里子
善助:田村亮
喜美太夫:藤山直美

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