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「Le Fils 息子」開幕、岡本健一と共演の夢かなえた岡本圭人「どんな景色が見えるのか」

ナタリー

「Le Fils 息子」より。

「Le Fils 息子」が本日8月30日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスで開幕。初日を前に、一部シーンを抜粋したフォトコール上演と取材会が行われた。

2018年にフランス・パリで初演された「Le Fils 息子」は、劇作家フロリアン・ゼレールによる戯曲。本作は、“家族3部作”の「La Mere 母」「Le Pere 父」に続く作品となる。今回は、実の親子である岡本健一と岡本圭人が、父子に扮することも見どころの1つだ。

劇中では、両親の離婚によって何に対しても興味を持てなくなってしまった17歳のニコラを軸に物語が展開する。フォトコール上演では、父親ピエールの新家庭、母親アンヌのアパルトマンで、ニコラが心情を吐露したり、ピエールと激しく衝突したりするシーンが公開された。

取材会には演出のラディスラス・ショラー、岡本圭人、岡本健一、若村麻由美が登壇。2019年に「Le Pere 父」の日本上演版を手がけたショラーは今回、コロナ禍で行われた稽古について触れ、「日本の俳優の方々は非常に優秀で、私に信頼を寄せてくださり、演出家の指示をもとに100%完璧に行ってくださる。こういった方々と仕事をすることができて非常に幸せでした」と振り返る。

本作で舞台単独初主演を飾る岡本圭一は、生きづらさや不安を抱える繊細なニコラ役について「少し似ている部分があるのかな。普段思っていても言えなかったことを、舞台上で言えたりしています」と明かす。一方、息子のことを救いたいともがくピエール役の岡本健一は、「本当に良い脚本で、万国共通で心に訴えかけるテーマだと思う。今、コロナで家族同士が一緒に過ごす時間が増える中で、それが良いことだと思う反面、病んでしまうこともあると聞きます。未来を作る子供たちのことをなんとかして助けてあげられないかと、そう考えるすべての人に伝わるような作品なのではないかな」と述べた。

また、アンヌ役の若村は、岡本親子の印象を聞かれると「役者として違うタイプ」と答え、「岡本(健一)さんはすべてを引き回すようなパワーを全開にしていく方。圭人さんはひたむきで純粋。お二人は物語へのアプローチも違う気がします」と分析する。

岡本健一との舞台共演が「長年の夢だった」と言う岡本圭人は「すごくドキドキしています。初日が終わったあとに、どんな景色が見えるのか」と瞳を輝かせる。そんな彼に岡本健一は、「夢は早くかなえて、どんどん消化したほうがいいんじゃないかなと(笑)。親子共演のリスクはないですね」とキッパリ。また、本作が始まる前に、岡本健一から「これからはいち俳優として見ていく」と言われたそうで、岡本圭人が「子供の頃から尊敬していた役者さんでもあるので、そう言ってもらえてうれしかった……カッコいいですよね」と褒めると、岡本健一は、「家に帰ってから言えばいいじゃん! わざわざ公の場で言わなくても」と照れた。

最後に、岡本圭人が「舞台に立つ、舞台をするということが奇跡的なことだと思っているので、自分の今できることをして、たくさんの方にこの物語の素晴らしさ、生きる意味を感じていただけるように、キャスト一同、スタッフ一同、精一杯やっていきたいと思います」と意気込み、取材会を締めくくった。

本作には岡本圭人、岡本健一、若村のほか、伊勢佳世、浜田信也、木山廉彬が出演する。公演は9月12日まで。その後、福岡・高知・石川・新潟・宮崎・長野・兵庫でも上演される。

※「Mere」「Pere」の1つ目のeはアクサングラーブ付きが正式表記。

「Le Fils 息子」

2021年8月30日(月)~9月12日(日)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス

2021年9月17日(金)~19日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 中劇場

2021年9月22日(水)・23日(木・祝)
高知県 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール

2021年9月26日(日)
石川県 能登演劇堂

2021年9月29日(水)・30日(木)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場

2021年10月3日(日)
宮崎県 メディキット県民文化センター 演劇ホール

2021年10月9日(土)・10日(日)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール

2021年10月14日(木)~17日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作:フロリアン・ゼレール
翻訳:齋藤敦子
演出:ラディスラス・ショラー
出演:岡本圭人、若村麻由美、伊勢佳世、浜田信也、木山廉彬、岡本健一

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