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シューベルトやハイネが愛した詩人への想い 『ヴィルヘルム・ミュラー読本』

ぴあ

『ヴィルヘルム・ミュラー読本』

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シューベルトの歌曲集『美しき水車小屋の娘』や『冬の旅』の詩を書いた同時代の詩人ヴィルヘルム・ミュラー(1794-1827)に光を当てる著作『ヴィルヘルム・ミュラー読本(松下たえ子著/未知谷刊)』が登場した。

ハイネ(1797-1856)をして「ゲーテは別格ですが、あなたほど私の愛する歌謡詩人は他にいません(本書より)」と言わしめたほどの才能を持つミュラーの作家活動は、わずか10年余。33歳の誕生日の直前に急逝してしまったのだから儚すぎる。その意味では、わずか31歳の若さでこの世を去ったシューベルト(1797-1828)の人生とも重なって見える。ほぼ同時代を生きた2人に直接の面識はなかったと言われるが、ミュラーの詩を読んで感激したシューベルトが、同名の歌曲集『美しき水車小屋の娘』や『冬の旅』を作曲したことによってミュラーの名は永遠不滅のものとなったのだ。

この夭逝の天才詩人の実像に迫る本書の価値はとても高い。音楽を愛する方々、特に「ドイツリート」を中心とした歌曲に興味のある方にはぜひお薦めしたい。併載されている80頁に及ぶ『小詩集』の味わい深さも格別だ。

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