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AKB48、総選挙なしでも初週100万枚突破継続中 原点回帰した「サステナブル」を分析

リアルサウンド

19/9/29(日) 8:00

参考:2019年9月30日付週間シングルランキング(2019年9月16日~9月22日/https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2019-09-30/)

(関連:【写真】AKB48 矢作萌夏&柏木由紀&横山由依&岡部麟、『サステナブル』インタビュー

 MVの中でAKB48の歴史を振り返りつつ、17歳の矢作萌夏をセンターに置くことで驚くほど若返っている印象を受けるのが、AKB48の「サステナブル」です。

 2019年9月30日付のオリコン週間シングルランキングで、AKB48の「サステナブル」は、初週138万枚を売り上げて1位を獲得しました。AKB48が初週で100万枚を超えるのはいつまで続くのだろうと思いもしますが、総選挙がなくても100万枚を超え続けています。

 MVを見ると、制服を着たメンバーが緑の中を自転車で走ったり、ソフトクリームを食べたりしていて、思わず「普通のアイドルみたいだ」と感じてしまったのですが、いや日本で一番売れているAKB48こそ「普通のアイドル」であるはずです。思わずそうした感想を抱くほど、原点回帰という印象を受けます。

 一方で、MVにはAKB48のさまざまな過去の楽曲が登場します。2006年の「会いたかった」、2009年の「言い訳Maybe」、2013年の「恋するフォーチュンクッキー」、2018年の「Teacher Teacher」と「センチメンタルトレイン」。メンバーが母校を訪れるシーンが、最後に実は2028年だと明かされるなど、22年分もの時間軸がMVに存在しています。

 今回、これらのCDの初動売り上げを、オリコンの有料会員制サイトですべて調べてみました。

 2006年の「会いたかった」は初週1万7千枚。2009年の「言い訳Maybe」は初週9万枚。この時代の数字を見ると、「そのぐらいだったの?」という驚きすら覚えます。とはいえ、今では1万枚程度でもCDを売ることは大変なのですが。

 2013年の「恋するフォーチュンクッキー」になると、初週133万枚。2018年の「Teacher Teacher」は初週166万枚、「センチメンタルトレイン」は初週144万枚。初週で100万枚を初めて超えたのは、実は2011年の「Everyday、カチューシャ」で、このときは初週133枚を記録しています。今年の夏フェスで聴いてもテンションが上がる一曲でした。

 「会いたかった」と「Teacher Teacher」を比べてみると、同じグループで枚数が100倍程度違うわけです。

 では、「サステナブル」の楽曲はどうなのか? 作詞は秋元康、作編曲は井上ヨシマサというAKB48最初期から続くコンビによる作品です。

 イントロ3秒で響きだす生のブラスセクションとコーラス(このコーラスには井上ヨシマサも参加)。これは紛れもなく48系のサウンドプロダクションで、ひとつの様式美のように変わりません。Aメロのコーラスの入れ方はほぼオールディーズですが、これもAKB48の楽曲群に見られてきたテイストです。シンセドラムっぽい音の打ち込みも、かなり意図的なものでしょう。最後の歌詞である〈これからも ずっと〉のうち、〈ずっと〉はほぼコーラスによるものだという点にも、コーラスが前面に出るという様式美を感じました。

 そして、メロディーラインの明朗さ、覚えやすさ。これを「中庸」と呼ぶことはたやすいですが、そうそう真似しがたい職人技であることも事実です。前述した「Everyday、カチューシャ」も井上ヨシマサ作品ですが、Dメロのカタルシスは今もなお健在です。

 「サステナブル」のMVを見ていると、IZ*ONEに参加する宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美がフロントにいて海外進出を強く意識していた「NO WAY MAN」の緊張感は何だったのだろうとも感じます。まだ去年のことなのに。その辺をあっさり置いていく「サステナブル」の潔さにもうなりました。

 「サステナブル」とは、持続可能性を意味します。未来のために、見る人それぞれの胸の中の「AKB48」を呼び起こす作業をしているのが「サステナブル」という作品だとも言えるでしょう。(宗像明将)

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