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MINAMI NiNEが示した、“歌”を大切にする姿勢 ゲスト迎えた『LINKS TOUR』東京公演

リアルサウンド

18/11/21(水) 13:00

 11月11日、MINAMI NiNEが『MINAMI NiNE pre. “LINKS TOUR”』の東京公演を、Shibuya O-WESTにて開催した。

(関連:『MINAMI NiNE pre. “LINKS TOUR”』写真

 10月10日にEP『LINKS』でメジャーデビューを果たし、10月13日のF.A.D YOKOHAMA公演を皮切りに、12月8日に開催される彼らの地元である宮崎SR BOX公演まで続く、全14本のリリースツアーをスタートさせたMINAMI NiNE。そのちょうど折り返し地点となった7本目の東京公演には、ゲストとしてSPACE BOYSとS.M.N.が出演。どちらも“スリーピース・バンド”であり、“メロディックパンクを基調としたサウンド”という、MINAMI NiNEと共通項の多い2組を迎え、集まったオーディエンスを大いに沸かせていた。

 トップバッターを務めたのはSPACE BOYS。田畑孝輔(Gt / Vo)の「どんどん行くぞ、今日は!」という宣言通り、「Yesterday’s Me」「Education」「Star Runner」と、爽快感と甘酸っぱさがたっぷりのメロディックパンクを矢継ぎ早に叩きつけていく。その中でも一際耳を引いたのが、3人のコーラスワーク。時折持ち場を離れてフロアを煽る松井丈(Ba / Vo)だけでなく、小池亮(Dr / Backing Vocal)も強烈な2ビートを叩きながらコーラスに加わり、時にはリードボーカルも務める場面も飛び出した。MCでは、先日行なわれたSPACE BOYSのツアーにMINAMI NiNEが参加したこともあり、「最近仲良くなった」と、小池。「あいつら(MINAMI NiNE)の優しい歌声と、優しい歌詞に、俺たちも心と背中を押されているところもある」と話していたが、メロディックパンクらしい高揚感と、3人が織りなすコーラスの美麗っぷりに、心惹かれたオーディエンスも多かったと思う。全12曲を一気に駆け抜けていった。

 続いて登場したのはS.M.N.。福岡のバンドということもあり、MINAMI NiNEとは「従兄弟みたいな関係」と、西村浩介(Vo / Ba)がMCでコメントし、とにかく徹底的にオーディエンスを巻き込むステージを繰り広げた。1曲目の「JUST MY LIFE」から、横山裕章(Gt / Vo)がかき鳴らす骨太なギターと、マー坊(Dr / Cho)が豪快に叩き上げる性急なビートに、モッシュとクラウドサーフでフロアが沸きまくり、「MY TRIPS ARE GOING ON」では、だだっ広い荒地と、地平線までまっすぐに続いていく道が眼に浮かぶアメリカンロックな雰囲気漂うサウンドを轟かせ、オーディエンスのシンガロングを巻き起こしていた。そしてその歌声にあわせ、3人が謎のダンスを踊り出すファニーな一面も。福岡弁のMCで笑いをきっちりと取りつつも、フロアに向かって「ギター弾けるやつ、ここ(ステージ)にあがってちょっと弾いてみる? マジで気持ちいいから」と呼びかけるなど、とにかく楽しそうにプレイし、ハッピーを共有していく3人に、フロアも終始大盛り上がりだった。

 2組の熱演を受け、いよいよ本日のホストであるMINAMI NiNEが登場。バンドロゴが描かれたバックドロップがゆっくりとあがっていく中、ステージに登場したヒロキ(Vo / Ba)、ワラビノ(Gt / Cho)、スケロク(Dr / Cho)の3人に、フロアから歓声が送られる。そして、「『LINKS TOUR』、東京編、スタート!」というヒロキの声を合図に、ライブは「Start」で幕を開けた。「精一杯、力の限り歌って帰ります!」と、ヒロキが叫んでいたが、その言葉の通り、3人全員がとにかく全力でフロアに音を放っていく。「Start」に続けて「恋」、「Niar」と披露。涙腺をビリビリと揺さぶってくるコードワークであり、ライブキッズのみでなく、J-POPリスナーや、ひいては普段はあまり積極的に音楽を聴かない人たちの耳にもするりと入っていきそうな親しみやすいメロディが、なんとも心地よい。

 MCでは、11月1日に結成丸7年を迎えたことを報告しつつ、宮崎弁で和気藹々と話を繰り広げる3人。メジャーデビュー作のレコ発ツアーということもあり、ヒロキが結成当時からここまでを振り返る場面もあった。彼らはバンド結成時にメジャーデビューという目標を立てたが、全国各地のライブハウスを廻り、自分たちの歌が少しずつ広まって行くのを目にしたことで、いつしか自分たちの目標は「全国をずっと廻って、いっぱい友達を作って、自分たちの歌を通して、みんなと仲良くなりたい」というものに変わっていったそうだ。そしてヒロキが、「7年間、ライブを続けてきたことで、あのときの夢が近づいてきたのか、僕たちが知らずにその夢に近づいていたのかはわからないけど、今回メジャーデビューすることができました」と話すと、客席からは祝福の拍手が送られていた。

 そんなMCの後に披露されたのは、『LINKS』の1曲目でもある「Over and over」。この曲の歌詞には、大切な人たちに向けた感謝の気持ちが綴られている。3人はその言葉を噛み締めるように、ありったけの力と思いを込めて、音を高鳴らしていた。

 メロディックパンクや青春パンクが基軸にあるMINAMI NiNEの楽曲には、クラウドサーファーが現れた「Happy go lucky」や、モッシュが発生した「Buddy bye」「南九節」のようなライヴハウスライクなものもある。そういった一面もありながら、ハチロクのリズムがノスタルジーを刺激する「帰り道」のようなミディアムナンバーもあり(ヒロキが奏でる柔らかなベースのフレーズや、ワラビノのスライドギターもいい味を出していた)、とにかく“歌”を大切にしていて、それをここにいる人たちと共有したいという気持ちがひしひしと伝わってくるステージだった。英詞をチョイスすることが比較的多いメロディックパンク勢の中で、彼らが日本語で歌うのも、老若男女問わず、みんなが歌える曲にしたいという理由からだろう。とてもシンプルで普遍的なことではあるのだが、そんな大切なことをまっすぐに貫き続けたからこそ、彼らの歌はじっくりと広まっていったのだと思う。「花」で巻き起こったオーディエンスの大合唱を笑顔で受け止めていた3人の姿がとても胸に残った。

 前述の通り、『MINAMI NiNE pre. “LINKS TOUR”』は、12月8日の宮崎SR BOXまで続くことになっている。さらにMINAMI NiNEは、12月31日に『COUNTDOWN JAPAN 18/19』への出演も決定している。彼らはこれからも一歩一歩確実にその歩みを進め、多くの人たちに愛される歌を世に広めていくはずだ。(山口哲生)

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