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山田杏奈が語る、演技の幅が広がった『新米姉妹のふたりごはん』での挑戦 「今までやったことがない世界」

リアルサウンド

19/11/21(木) 12:00

 柊ゆたかの人気コミックを実写化した連続ドラマ『新米姉妹のふたりごはん』が、現在テレビ東京の木ドラ25枠で放送中だ。親の再婚により突然姉妹となり、ふたりで共同生活を送ることになったサチとあやりの“新米姉妹”が、料理を通じて絆を深めていく模様を描いた本作。サチ役を山田杏奈、あやり役を大友花恋がそれぞれ演じ、W主演を務めている。

参考:大友花恋が語る、『新米姉妹のふたりごはん』での自分とは正反対の役柄への挑戦 「新鮮で楽しい」

 今回リアルサウンド映画部では、料理をすることは苦手だが、美味しいものを食べることが好きな外交的な姉サチを演じた山田杏奈にインタビュー。W主演となった大友花恋の印象や、これまで演じてきた役柄とは違ったサチの役作りについて話を聞いた。

ーー『新米姉妹のふたりごはん』でサチを演じることになった時の心境を教えてください。

山田杏奈(以下、山田):すごく嬉しかったです。原作では、ご飯がものすごく魅力的に描かれているんですけど、私自身、ご飯を作るのも、ご飯を食べるのも好きなので、そういったご飯の魅力を伝えていけたらいいなと思いました。

ーー普段から料理もされるんですか?

山田:します! 一人暮らしなんですけど、家にいるときは作っています。「これが得意料理」っていうのはあまりないんですけど、和食はよく作りますね。

ーー今回演じられたサチは「料理をすることは苦手だけど、美味しいものを食べることは好き」という設定です。

山田:そうなんですよ。なので、ずっと食べてます(笑)。ご飯を食べて素直においしいと言えるサチのキャラクターはものすごく魅力的なので、そこをうまく表現できたらいいなと思って演じています。サチは明るくて天真爛漫でもあり、私自身も今までにチャレンジしたことのないような役なので、私にとってはそこもすごく挑戦だなと思いました。

ーー大友花恋さんにインタビューした際(参考:大友花恋が語る、『新米姉妹のふたりごはん』での自分とは正反対の役柄への挑戦 「新鮮で楽しい」https://realsound.jp/movie/2019/10/post-437872.html)にも話題になりましたが、一般的なイメージだと、お二人の演じる役は逆ですよね。

山田:今まで演じてきた役柄からすると逆なんですよね。だから、最初に「サチの方です」って言われた時に、「そっちなんだ!」と思ってビックリしました。でも、今まで逆のタイプを演じてきたからこそできることもすごくあると思うので、2人で楽しみながら演じています。

ーー役柄的には妹ですが、実際は年上の大友さんとの共演はいかがですか?

山田:初めてお会いした時に、花恋ちゃんの方から「タメ口でいいよ」って言ってくださったんです。サチとあやりの関係性的にもそれはすごくありがたくて、あまり年齢を気にせずに演じることができました。実際に、妹のあやりの方がお姉ちゃん気質があるというか、しっかりしている部分があるんですよね。花恋ちゃんもあやりみたいで、ものすごくお姉ちゃんのような存在なんです。すごく頼れる方ですし、ものすごく周りをよく見ていらっしゃるので、日々勉強させてもらっています。撮影では、ほとんど毎日2人でずっと一緒なんですけど、空き時間を含めてまったく気を遣うことがなく、とても仲良くさせてもらっています。すごく大好きな存在ですね。

ーー演じる上で、グルメドラマならではの難しさはありますか?

山田:口の中にものを入れながらセリフを言うのがものすごく大変なんです。最初の方は本当にできなくて。「口の中にまだものがあるのにセリフを言わなきゃいけない。どうしよう!」みたいな感じになってしまって……。普段はご飯を食べながら普通に喋っているんですけど、それがお芝居となるとなぜか難しくて。何が違うんだろうと思いつつ、家でご飯を食べている時とかも、食べながらセリフを言う練習を毎日やっていたぐらいです。それはグルメドラマならではの難しさだなと思いました。そういうことを気にしながら、しかもおいしそうな表情、おいしそうな声でお芝居をしなければいけなかったので、そこはものすごく苦労した部分です。

ーー言われてみると確かに難しそうですね。それに加えておいしいという演技もしなければいけないと。

山田:実際に出てくる料理がおいしいので、そこはもちろん嘘なく普通においしいと思ってやっているんですけど、やっぱり映像として表現する以上、画面では伝わらない味や匂いをサチの表情で感じてもらえたらいいなって思ってやっているので、そこはいつも以上にオーバーにおいしさを表現するようにしています。

ーー他のグルメドラマを観て研究したりも?

山田:もとから松重豊さん主演の『孤独のグルメ』(テレビ東京系)を観ていたんですけど、今回『新米姉妹のふたりごはん』をやると決まってからもう一度観直したんです。そしたら、やっぱり松重さんがものすごくおいしそうに食べていらっしゃるんですよね。でも、(松重さん演じる)五郎さんはそんなに表情を大きく変えるキャラクターではないので、なんでだろうと思ったら、松重さんがちょっとした目の動きや口にものを運ぶ速さなどで表現されていることがわかったんです。そういう細かいところでおいしさは伝わるんだなと勉強させていただいて、サチにも取り入れたところがあります。なので、そういう細かい動きや仕草にも注目して観ていただけたら嬉しいです。

ーーやはり今まで演じてきた役柄と真逆ということで、サチの役作りも大変だったのではないでしょうか?

山田:そうですね。自分と真逆すぎて、どうしていいのか本当にわかりませんでした。大体いつも少しは共通点があったりするんですけど、今回はほぼなくて。なので、とりあえず自分の中でサチを作っちゃって、そこから始めようと、いつもとは違うやり方で進めました。自分のセリフを携帯で録音して、こういう風に声を出したら明るく聞こえるとか、こういうテンポでセリフを言ったらサチらしさが出るなと研究していました。監督からは、「サチはどんな時でも基本笑顔がベースだから」というようなことを言われたんです。なるほどなと思いつつも、わけわかんないなって(笑)。

ーーわけわかんない(笑)。

山田:(笑)。でも、それがひとつの指針になったんです。基本的に口角を上げて喋るとか、困った時でもコミカルな方に振るとか……。私が今までやってきたような役だと、落ちる時はズーンと落ちるところまで落ちるので、そこはいつもと全然違いました。その表現は今までやったことがない世界だったので、難しかったです。今は自分の中でサチが出来上がっているので、そこにプラスアルファでアドリブを入れたりセリフを追加したりしながら演じるのも苦じゃなくなりました。サチとあやりの掛け合いの中での表現なので、そこは花恋ちゃんと一緒にお芝居をしながら、どんどん2人でできるようになっている部分だと思います。

ーー山田さん自身は、今まで演じてきた役柄、今回の作品で言うとあやりに近いタイプなんですか?

山田:サチかあやりだったら完全にあやりタイプですね。サチは人と会うのが好きで、休みの日があったら絶対にお出かけするし、外交的でパーっとした華やかさを持っているタイプですけど、私は休みの日があったら家から出ないし、人と会うのがそこまで好きなわけでもないので……(笑)。

ーー今回サチを演じたことによって、演技の幅も広がったのではないでしょうか?

山田:今回は手探り状態で始めたこともあり、結構キャラクターとしてのお芝居をやっているんですけど、サチを演じられたからこそ、今後ナチュラルなお芝居でも明るいキャラクターを演じられることができるんじゃないかと思っています。以前は、明るいお芝居をする時に、監督から「もっとテンションを上げて」と言われることが多かったんです。だけど、サチを演じてからは、明るさやテンションの高いお芝居のベースが高くなってきているのを自分でも感じていて。それはまさに演技の幅が広がったということでもあるので、またこういう役に出会えたら、新しい違う要素が出せるのではないかとワクワクしています。今後も新しいことにどんどんチャレンジしていきたいですね。(取材・文=宮川翔)

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