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新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』

19/11/30(土)

新作歌舞伎ラッシュの12月。新橋演舞場では昨年末から話題の『風の谷のナウシカ』だ。中でも名門中の名門、尾上菊五郎家の御曹司の菊之助と、『ナウシカ』&ジブリという組み合わせときけば見逃せない。さらに、『仮名手本忠臣蔵』のような古典演目のように、昼夜通しの上演。驚きづくめのこの新作だが、菊之助のこだわりは「あくまで古典歌舞伎の手法で」『ナウシカ』の世界観を表現するということにあるはず。 『ナウシカ』は1000年以上も先の未来の話。だがプロジェクションマッピングや大がかりなCGを用いる予定はないという。花道や宙乗り、舞踊や立廻り、義太夫の音楽や語りという古典歌舞伎ならではの手法を駆使して、ナウシカの世界観に挑戦する。また菊之助が培ってきた女方の芸があるからこそ、異世界の十代の少女をも表現できるのだ。 古典歌舞伎と『ナウシカ』、実は共通点もある。それは極限状態での人間の葛藤という命題だ。腐海の広がる地球で人々は戦いに明け暮れるが、この先いったいどうやって生き延びていくのか。忠義と子供への愛との板挟みに遭うとき、人は何を選択するのか。意外にも共通するストーリーがある。 音楽には映画版の名曲もアレンジして使われる予定。「タイトルさえ変えなければどのようにしていただいても構わない」というジブリ側からの回答に、思わず武者震いしたという菊之助。アニメファンやジブリファンも押しかけるため、チケット争奪戦は既に終盤のようだが、見逃したくない一本。

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