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指示書で再現される作品の同一性とは? 展示「再演―指示とその手順」東京藝術大学大学美術館で開催中

ぴあ

「再演―指示とその手順」

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展示「再演―指示とその手順」が現在、東京藝術大学大学美術館で開催されている。

当展覧会は、現代の新たなメディアともいえる指示書(インストラクション)をテーマに、美術館というミュージアムにおける芸術作品の再演(再現)について考察するもの。

指示書に従い、複製や再現、移行や再制作が必要となる芸術作品の再演(再展示)について、その保存、継承における作品の同一性を問うことを目的としている。作品の展示を主体とせず、展示時の作者不在を想定した第三者に伝えるための指示書や記録写真、映像、参考資料など、作品に関連する様々な指示や手順、仕様を知ることができるだろう。

■展示情報
「再演 ―指示とその手順
Re-Display: Instruction and Protocol」
8月31日(火)〜9月26日(日)(休館:9月6日、9月13日、9月21日)
開館:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場:東京藝術大学大学美術館 本館展示室2
観覧料:無料

※新型コロナウイルス感染拡大防止対策としてご来場の際は、マスクをご着用の上、ご来場ください。
※本展は予約制ではありませんが、今後の状況により、変更、入場制限を実施する可能性がございます。

<構成と主な展示作品>
第1章 創造のために
日本絵画における下図や模本、粉本、また彫刻の原型や建築模型、漆塗りや蒔絵の制作手順を表した手板は、創造のための指示であり、再現手順の見本として存在します。また、創造のための指示としてだけでなく、歴史や社会背景、文化形成など包括的な総体としての「もの」を手本としたからこそ、新たな表現の源泉となり、多様な創造が生み出されてきました。

・《手板(塗工程-本堅地見本)》
・須藤茂雄《手板(色粉蒔絵工程-箔絵見本)》
・《牡丹蒔絵手板》
・《石山縁起絵巻 一の巻》
・山田鬼斎《楠公小型銅像木型》1899
・川原慶賀(推定)《長崎出島館内之図》19世紀
・加藤康司《倭蘭領東印度南方合戦外伝》2020/2021
・中井川正道《場の転換から空間意識への展開》1984

第2章 再演のための指示
展覧会のたびに設置される空間展示(インスタレーション)や、常に外部からのエネルギーや物質の流入出(代謝)を伴う「生きた」バイオメディア・アートは、展示という再演(再現)を繰り返すための指示書を必要とします。しかし、再演された作品は以前の展示と同一であるといえるのでしょうか。再演のための指示書と展示記録から、作品の同一性について考えを巡らせます。

・岩崎秀雄《Culturing cut》2018-2020(製作-継代維持-修復-再製作含む)および《aPrayer》2016/2020(本展示は指示書)
・BCL / Georg Tremmel + Matthias Tremmel《Resist/Refuse》2017(本展示は指示書)
・切江志龍+石田翔太《Soui-Renn -A Figure of Impression-》2019(本展示は指示書)
・齋藤帆奈《食べられた色 / Eaten Colors-》2020(本展示は指示書)
・室井悠輔《自由の錬金術》2014(本展示は参考資料)

第3章 再制作とその継承
コンピューター、ソフトウェアなどの機器や科学技術に依存し、制作当初からデジタルデータで制作・記録されたボーンデジタルの作品を再演(再現)する際には、模倣(エミュレーション)や移行(マイグレーション)などの手続きが必要です。また、鑑賞者が参加し、体験することで成立するインタラクティヴな作品は、常に一回性をもつ再制作が繰り返されます。そのとき、オリジナルと再演(再制作)に同一性はあるのでしょうか。

・ウォルフガング・ミュンヒ+古川聖《Bubbles》2000/2021
・フランソワ・バシェ《勝原フォーン》1970(本展示は指示書および参考資料、部材の一部)
・坂田ゆかり《ない者の場 / ない場の地図(日本語版)》2019(本展示は2019年1月に行われたワークショップの成果を再現)
・川俣正《自画像》1979(本展示は卒業制作展時に設置された状態を初めて再現)

第X章 ミュージアムの仕様

公式WEBサイト:https://taira.geidai.ac.jp/archives/projects/6

<同時開催>
藝大コレクション展2021 Ⅱ期 東京美術学校の図案 -大戦前の卒業制作を中心に(8月31日(火)- 9月26日(日))を本館展示室1にて開催。

詳細:https://www.geidai.ac.jp/museum/

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