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1時間超えの白熱トーク映像も! 『なぜ君は総理大臣になれないのか』オンラン上映会が開催

ぴあ

『なぜ君は総理大臣になれないのか』

政治不信のいまこそ観たい映画として大きな反響を呼んでいる大島新監督のドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』。現在、劇場公開中の真っただ中にある同作が、昨日、一夜のスペシャル企画として、ライブ動画配信サービス「PIA LIVE STREAM」及び「uP!!!」で、スペシャルトーク付きバリアフリー版の特別オンライン配信上映が実施された。

7館のみ上映から58館まで拡大公開となっている本作は、現在は無所属(立憲民主党の会派)の小川淳也衆議院議員の初当選した2003年から現在に至るまでの活動の記録だ。つまり、いまや国民の大半から“だらしない”と揶揄される野党のひとりの議員(※厳密には民主党政権で与党を経験している)を追っているに過ぎない。だが、彼の姿を通し、驚くぐらい生々しくリアルに いまの政治不信へとつながるさまざまな事柄が浮かび上がる。

現在49歳の小川議員は議員生活5期目に入る。昨年は、統計不正をめぐる鋭い国会質疑で、「統計王子」なる愛称で呼ばれるほど話題を集めた。ニュースキャスターの星浩や、安倍政権よりの政治ジャーナリストとして知られる田崎史郎にも「見どころがある」といわれるほど、政治家として有望視もされている。

これは作品を観てもらえればわかることだが、彼は国の将来を本気で考えている。彼ほどこれからの日本のビジョンや社会の在り様を自らの言葉に責任をもって語っている政治家を、わたし自身は近年みたことがない。そのビジョンは、超高齢化や人口減少という来る日本の未来をきちっと見据えている。しかも、そうした政策にしても自らの発言にしても彼は自分の言葉という言語に変えてひとつひとつ説明を果たすことができる。そして、自身と反対意見にも耳を傾ける。たとえば選挙でいえば、不支持の人の意見までも汲み取ろうとする。

はっきり言ってしまえば、“説明責任を果たす”という言葉がイコールで“一切説明しない”という意味にさえ聞こえ、お友だちだけがいい思いをして、反対意見がでれば耳を一切貸さないといった対応の現政権とは対極をいく。

しかし、そんなきわめてまっとうと思え、名うての政治ジャーナリストも一目を置く小川議員ではあるが、日の目をみない。現時点では総理大臣になることは夢のまた夢。所属する党においてもしかるべきポストを得てはおらず、発言力もあるとはいえない位置に甘んじている。

なぜなのか?この作品で映し出される小川議員の政治活動と選挙戦、そして人間性は残酷にも、この国の政治の絶望的な現実をこちらへ突きつける。それはある時点から、わたしたち自身への問いへと変わる。選挙においてその人物の能力や人先生よりも、肩書きや地位でみてはいないか?国の行方に目を向けているのか?そもそも自らの生活や日常に密着しているはずの政治に期待や関心を寄せているだろうか?と、さまざまな問いを投げかけられる。

また、正直者はバカをみて、なぜか罪深い人間が出世をする不条理や、嘘が平気でまかり通ることなど、現政権に横行する怠慢と横暴がどこから来ているのか。ある意味、その元凶につながるひとつの答えがこの作品にはある。まだまだ続くコロナ禍においての場当たり的な対応で、政治に対して疑問を抱いた人間にとって本作はその関心事がつまっている。話題を集めるのもうなずける。まさにいま観るべき1本といっていいだろう。

こうして作品が注目を浴びる最中、実施されたのが今回の特別配信上映会。危機的な政治状況を踏まえるとともに、大島監督の「最寄りに映画館がない方、今回のコロナ禍で行きたくてもなかなか映画館に足を運びづらい方、(バリアフリー上映で)視聴覚障がい者の方をはじめ、あらゆる人にいち早く届けたい」という思いから実現した企画は、まさにすべての人に開かれた特別な機会となった。

注目は上映後のスペシャル・トーク。小川議員と大島監督に、田崎史郎氏と鮫島浩氏という安倍政権に対する見解が真逆のふたりのジャーナリストが登場して激論を交わした。

まず、映画の感想を含め小川淳也という人間についてから話はスタート。

政権寄りの政治ジャーナリストとして知られる田崎氏は「政権にべったりとして知られる僕が野党議員とも付き合いがあるのか驚かれる方も多いのでは」と語り、権力の中枢に深く入りこんで取材しているが最終的にはその人を見ているとのこと。「権力をもつ側を取材している側からみると、正直なところ小川さんは何をしているんだろうと思う。与党にいたほうが成長するし、政治のだいご味も味わえる。でも、彼は野党で居続けている。なぜなのか、そこに関心をもっています」と小川淳也という人間に興味があると語った。

一方、鮫島氏は、小川議員の高校の同級生。「自分の理念があって、ひじょうに青臭い人物であることは高校生のときから変わっていない」と明かし、「政治記者としてまだ彼が総務官僚のころにばったり再会して、それから意見を交わすようになった。ただ、それなりに政治記者として政治を見る中で、小川淳也は正直青すぎるなと。政治の汚い部分や権力闘争をそれなりに垣間見る中で、同級生として応援したいけど、あまりに青すぎる。それがこの作品からはよくみえてくる。

しかし、はたと気づくと世間から政治記者はバッシングを受け、むしろ青臭い小川淳也ガンバレのような声が高まってもいる。小川は青臭いままでずっと変わらない。それが少しずつ、認められるようになってきた。時代が変わってきたかもしれないことを感じました」と明かした。

一方、小川議員はまだ作品はみていないとのこと。その理由を「これも青臭いこだわりで、あくまで監督の作品なので、自分が観て人に見てくださいというのは筋違い。そういう意味で作品の中立性や客観性に手垢をつけたくないという純粋な思いからみていない」と明かした。いろいろと周囲から感想を寄せられ、「そういうシーンが使われているのかと、いろいろとどういう映画か想像している」と語った。

この後、トークは1時間を軽く超え白熱。『Go Toトラベル』や秋の解散総選挙はあるのか、野党合流などタイムリーな旬のお題について、小川議員、田崎氏、鮫島記者がときに意見が真っ二つにわかれながら、それぞれの見解が語られた。

最後には、「小川淳也は総理大臣になれるのか?」というこの作品タイトルへのひとつのアンサーにもなる厳しい質問も。

果たして、長年政治を見続ける田崎氏は鮫島氏はどう小川を見極めるのか?小川議員本人はそれについてどう思うのか、注目の発言が飛び交いながら終了した。

すでに上映会は終了したが、“見逃した”と諦めるのはまだ早い。現在、「uP!!!」では本日の期間限定になるがアーカイブ配信を実施中。この機会が、貴重なイベント上映を目撃できる最後のチャンス。急いでチェックを!

『なぜ君は総理大臣になれないのか』スペシャルトーク付きバリアフリー版上映会@PLS&uP!!!

8月2日(日)24:00までアーカイブでの視聴可能

視聴券は「uP!!!」にて8月2日(日)18:00まで購入可能

■配信プラットホーム
PIA LIVE STREAM
uP!!!

■チケット料金1800円(uP!!!から購入の場合、auスマートパスプレミアム会員は500円引)

■購入サイト(~8/2(日)18:00まで販売) ・uP!!!:
https://up.auone.jp/articles/id/80593?ref=os

●本配信イベントのチケットは日本国内からのみ購入が可能となります。
●チケット1枚につき視聴いただける端末は1台となります。第3者への譲渡・転売行為は出来ません。
●スマートフォンやデジタルカメラ等による撮影および録音は一切、禁止いたします。
●チケット御購入後は、配信延期・中止以外の理由による払い戻しは一切、いたしません。
●インターネット回線の突発的なトラブルによる配信イベントの一時中断の可能性がある旨、ご了承ください。
●お客様のインターネット環境に伴う閲覧の不具合については責任を負いかねますので、視聴前に必ず動画視聴に適した通信環境をご準備下さい。

※田崎史郎の崎はたつさきが正式表記

文:水上賢治

(C)Netzgen

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