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大竹しのぶがエリート医師に、ロンドン発の社会派現代劇「ザ・ドクター」演出は栗山民也

ナタリー

PARCOプロデュース2021「ザ・ドクター」の出演者。

演出を栗山民也、主演を大竹しのぶが務めるPARCOプロデュース2021「ザ・ドクター」が、10月から12月まで埼玉・東京・兵庫・愛知・長野・福岡で上演される。

「ザ・ドクター」は、イギリス・ロンドンのアルメイダ劇場のアソシエイトディレクター、ロバート・アイクがアルトゥル・シュニッツラーの「Professor Bernhardi」を翻案した“社会派現代劇”。本作は2019年にアルメイダ劇場で、アイク自身の演出で上演された。劇中では、エリート医師のルース・ウルフが、とある医療機関のパワーゲームに巻き込まれながら、医師としての自分を見つめ直していく物語が展開する。

イギリス最高峰の医療機関・エリザベス研究所の創設者で所長のルースは、敗血症で運び込まれた14歳の少女を看取ろうとしていた。そこに、少女の両親から傍についていてほしいと頼まれたカトリックの神父が現れるが、ルースは面会謝絶を告げ、集中治療室への入室を拒否。やがて少女が亡くなり、典礼を拒絶されたことに怒った神父は、この出来事を公にすると告げ……。出演者には、ルース役の大竹に加え、橋本さとし、村川絵梨、橋本淳、宮崎秋人、那須凜、天野はな、久保酎吉、明星真由美、床嶋佳子、益岡徹が名を連ねた。

栗山は、戯曲を読んだ際の所感について「医学と宗教、そして歴史認識、アイデンティティ、人種、ジェンダー、資本主義の罠などの多くの問題群が、まるで現代の病を鋭利に切り取ったモンタージュのように映し出される。あのロンドンの小さな劇場の中、キャラクターたちの熱くぶつかり合う欲望のディベートが聞こえてくるよう。この作品の稽古は、きっとこの息苦しいまでの協奏とぶつかり合いの時間を、じっと見つめる作業から始まるだろう」と述べる。

初演版をロンドンで観劇したという大竹は「(ルース役の)ジュリエット・スティーブンソンの魅力に打ちのめされ、最前列に座っていた私は、カーテーンコールで立ち上がり夢中になって彼女に拍手をしました。まさかその役を自分がやるなんて。あのエネルギーを、美しさを、再現できる様に、皆で頑張っていきます」と意気込みを述べた。

公演は、10月30・31日に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、11月4日から28日まで東京・PARCO劇場、12月2日から5日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、10日から12日まで愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT、18・19日に長野・まつもと市民芸術館 主ホール、25・26日に福岡・北九州芸術劇場 大ホールにて。

栗山民也コメント

パルコのプロデューサーから、「面白い本が見つかったよ」と連絡。タイトルは、「ザ・ドクター」。初演が2019年ロンドンのアルメイダ劇場で、私もロンドン滞在のたび、胸躍らせ何度も通った。自由で、とても好きな小空間だ。そこでの企画は、現在のあり様に対し鋭く問い掛けるものが多く、実験的で多種なレパートリーが組まれている。見逃すわけにはいかない。

「ザ・ドクター」の戯曲を、早速めくってみる。医学と宗教、そして歴史認識、アイデンティティ、人種、ジェンダー、資本主義の罠などの多くの問題群が、まるで現代の病を鋭利に切り取ったモンタージュのように映し出される。あのロンドンの小さな劇場の中、キャラクターたちの熱くぶつかり合う欲望のディベートが聞こえてくるよう。この作品の稽古は、きっとこの息苦しいまでの協奏とぶつかり合いの時間を、じっと見つめる作業から始まるだろう。

大竹しのぶコメント

2年前に行ったロンドンで、この芝居は絶対に観た方がいいよと友人に勧められたのが「ザ・ドクター」だった。

言葉もわからないのに、主演女優に目が釘付けになり、11人の出演者の細やかな表情に引き込まれ続けた時間。大仰な芝居は何もなく、その場で感じ考え、言葉を発する。

これが演劇なんだ、真実の芝居なんだ。

ジュリエット・スティーブンソンの魅力に打ちのめされ、最前列に座っていた私は、カーテーンコールで立ち上がり夢中になって彼女に拍手をしました。

まさかその役を自分がやるなんて。

あのエネルギーを、美しさを、再現できる様に、皆で頑張っていきます。

PARCOプロデュース2021「ザ・ドクター」

2021年10月30日(土)・31日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

2021年11月4日(木)~28日(日)
東京都 PARCO劇場

2021年12月2日(木)~5日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2021年12月10日(金)~12日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT

2021年12月18日(土)・19日(日)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール

2021年12月25日(土)・26日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 大ホール

作:ロバート・アイク
翻訳:小田島恒志
演出:栗山民也
出演:大竹しのぶ / 橋本さとし、村川絵梨、橋本淳、宮崎秋人、那須凜、天野はな、久保酎吉 / 明星真由美、床嶋佳子、益岡徹

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