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BTS、2019年の“泰然”とした活動ぶり 日本でのファンミーティングやポップアップストアから考察

リアルサウンド

19/12/2(月) 7:00

 11月23、24日の2日間、千葉県幕張のZOZOマリンスタジアムにて『BTS JAPAN OFFICIAL FANMEETING VOL.5「MAGIC SHOP」』が開催された。同名のBTSの楽曲と同様、テーマは“ファンの心を癒す魔法のお店”。6月に釜山とソウルでも行われた同ファンミーティングだが、全体の流れは同じであるもののセットリストは毎度のことながら日本独自だ。特に「Let Go」や「Wishing on a star」といった日本オリジナル曲、しかもアルバム曲という、現在ではなかなかライブで披露する機会のない楽曲を披露する場を日本のファンのためにファンミーティングでほぼ毎回設けているという部分は、現在はグローバルファンクラブ対象になった韓国でのファンミーティングとはまた少し違ったスペシャルな企画とも言えるだろう。韓国のファンにも好評だった日本オリジナルシングル曲「Lights」も初披露され、観客もいっしょになって合唱する場面もあった(余談だが、筆者の隣は家族が日本在住という日本語が堪能な韓国人のファンで、ソウルと釜山も参加したが「Lights」を聴きたかったので来られて嬉しいと言っていた)。

(関連:『2019 MAMA』BTSが今年も賞を総なめか? 白熱するインターネット投票の行方を追う

 メンバーがARMYに曲をおススメするコーナーは、韓国のファンミーティングではメンバー自身がMCをしていたが、日本では“千葉店店長”として、本来の店長であるジミンから古家正亨が任命され、MCを務めていた。古家といえば、当日本人も邂逅していたが、日本デビューショーケースの追加公演からことあるごとにBTS関連イベントのMCを務めてきた人物だ。信頼して任せることの出来るMCがいる環境というのは、特にネイティブ言語ではない環境でのファンミーティングにおいては重要なポイントなのかもしれない。12月には大阪の京セラドームでもファンミーティングが行われ、最終日の模様は全国の映画館でディレイビューイングも予定されている。

 また、東京・大阪・福岡でポップアップストア「HOUSE OF BTS」もスタート(12月29日まで開催中)。ソウルの同ポップアップストアは、K-POPアイドルのMV撮影でもお馴染みの、江南区にある一軒家カフェ・ALVERを借り切って80日間行われており、メンバーを二次元化したキャラクターの巨大フィギュアや体験コーナーなど、アトラクションに近い楽しみ方ができる。日本では109の店内で開催ということもあり、フォトスポット以外は物販が主だが、渋谷109のクリスマスキャンペーンと帯同しているため期間中は館内のBGMは全てBTSに。渋谷別館(MAGNET by SHIBUYA109)では7階フロア・MAG7のフードコートの装飾や8階屋上展望台のチケットがBTS仕様になる等、こちらはフロア丸ごとBTS仕様となっている。

 一方、11月24日に行われた『アメリカンミュージックアワード(AMA)』では、昨年受賞した「Favorite Social Artist」の二冠と「Favorite Duo or Group Pop/Rock」、「Tour of the Year」をそれぞれ受賞した。『AMA』は2006年以降インターネット上の投票によって授賞が決まるアワードになったため、ファンドムが強いアーティストが有利なアワードである。特にアメリカでもウェブ上のファンドムによる投票力の強さに定評のある存在となったBTSにとっては、危なげのない受賞だったと言っても良い。

 今年のBTSの活動ぶりは、韓国・日本・アメリカ(あるいはその他の国)のいずれにおいても「泰然」と表現しても良い時期に入った。ある程度の“不完全体”での活動、あるいはグループとしての休止期間などは韓国の男性アイドルであれば避けては通れないが、いずれにしろ、そこに向かって自分たちの役割を誠実に果たしていくフェーズに入ったということなのだろう。一方で、一部をのぞいてマーチャンダイズのほとんどにメンバー本人の写真などが使われていないというのも新たな試みと言える。「HOUSE OF BTS」のメインコンテンツのひとつは“二次元化 (3Dアニメではあるが)されたメンバーたち”であるが、こちらは以前からBTSがコンテンツ的に繰り返し好んで見せてきた展開である。メンバーのキャラクター化はすでに様々な韓国アイドルが行なってきているが、特にコミックやLINE FRENDS化等、パラレル的なキャラクター化をされる機会の多かったBTSにとっては、アイドルである本人をそのまま“ちびキャラ化”した「HOUSE OF BTS」は究極の二次元化とも言えるだろう(参考:映像から日記、ウェブトゥーンまで BTSが『花様年華』で展開する“二次元と三次元の融合”)。Big Hit版TwitterのようなWeverseや、BTS版Wikipediaとも言えるARMYPEDIAなどのように、必ずしもメンバーがフルで参加して関わらなくても成り立つコンテンツの開発は、韓国の男性アイドルが長く活動するための戦法としてますます重要になっていきそうだ。(DJ泡沫)

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