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BUMP OF CHICKEN、アルバム&ドームツアーに高まる期待 バンドが描く次なる“未来”とは

リアルサウンド

19/4/5(金) 7:00

 BUMP OF CHICKENが、7月10日にニューアルバムをリリースし、その翌々日から3都市6公演のドームツアーを開催する。彼らがアルバムをリリースするのは、8thアルバム『Butterflies』以来実に3年5カ月ぶりのこと。この日が来るのを心待ちにしている人も多いのではないだろうか。この期間にリリースされた配信シングルのうち、最新作「Aurora」、2018年11月にシングルとしてもリリースされた「話がしたいよ」「シリウス」「望遠のマーチ」などの楽曲が、オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングで1位を獲得している。そんな結果からも、彼らの新作を待ち望んでいる人がたくさんいるのだという事実が伝わってくる。

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 そう。アルバムのリリースこそ久しぶりだが、『Butterflies』以降、BUMP OF CHICKENはフィジカルおよび配信リリースのシングルを多数発表してきた。例えば、『Butterflies』のツアーで初披露され、ツアー終了翌月にリリースされた「アリア」、そしてその後リリースされた「アンサー」「リボン」は、いずれも生身のバンド感を強く打ちだした楽曲だったように思う。一方、スローテンポにもかかわらずビードによる印象からか歌が前進しているように感じられる「記念撮影」や、転調のしかたが特徴的な「シリウス」には新鮮な手触りがある。

 『Butterflies』でのトライアルを経たからこそ改めて原点を見つめ直そうという気持ちと、ここからさらなるトライアルをしていこうという意思。この3年5カ月の間にリリースされた楽曲からはその両方を読み取ることができた。それは「20周年以降」のバンドの在り方を反映した結果でもあるだろうが、この期間にリリースされた楽曲はすべて、ドラマやアニメ、CMなどのテーマソング・主題歌であるということも重要なポイントだ。どの楽曲も、BUMP OF CHICKENという骨格を崩さないまま、各タイアップ作品に寄り添い、彩りを添えるようなものであった。『RAY』および『Butterflies』以降、「バンプは変わった」というような声を聞く機会も少なくなかったが、この3年5カ月の間に発表された楽曲群からは、原点回帰とチャレンジ精神を感じることができたのだ。

 ちなみに、アニメ『からくりサーカス』オープニングテーマの「月虹」、ロッテ創業70周年記念スペシャルアニメーションのために書き下ろされた「新世界」は、現時点でリリースはされていない。多くのクリエイターが彼らの楽曲を求めるため、その需要がリリースペースを上回っている、ということなのだろうか。

 そんなBUMP OF CHICKENの現時点での最新曲が、今年3月に配信リリースされた「Aurora」だ。この楽曲は、ドラマ『グッドワイフ』(TBS系)の主題歌として書き下ろされたもの。〈もうきっと多分大丈夫 どこが痛いか分かったからね/自分で涙拾えたら いつか魔法に変えられる〉と始まる藤原基央(Vo/Gt)によるやわらかな歌声・歌詞。イントロから続くキラキラとしたギターリフ。一歩ずつを踏みしめるようなリズム隊のサウンド。それらは、毅然とした姿で困難に立ち向かう主人公の女性弁護士を時に包み込み、時に支えるようだ。

 さらにMVも非常にドラマチックである。監督は、今作がBUMP OF CHICKENと初タッグである映像作家の林響太朗。雪原の上に倒れる仲間たちと泣き叫ぶ少女――という痛ましいオープニングシーンから、3:44でのスタートの合図のような音を機に、ナイフを手にした少女が走り出すまで。「それは、神々のなす神秘の業/彼らの心を動かしたその時/それは、姿を現す。」と冒頭で定義されたオーロラが浮かぶ景色の中、真っ暗闇の絶望、幸福だった頃の思い出、のたうち回りたくなるほどの葛藤などを女優の上原実矩が表現した。

 このMVは、先述の“ニューアルバム発売&ドームツアー開催決定”のニュースとともに公開されたもの。つまり「Aurora」という楽曲は、ドラマの主人公やMVの少女、そしてリスナーである私たちに寄り添うと同時に、新たな始まりを迎えつつあるBUMP OF CHICKENというバンドのオープニングテーマのような存在であるようだ。〈その足が向かうべき先へ そうしなきゃ見えなかった未来へ〉。そう歌う彼らが描く、次なる未来とは。来る7月が楽しみだ。(蜂須賀ちなみ)

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