Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

「セールスマンの死」稽古の様子が明らかに、長塚圭史「現代性に驚かされる」

ナタリー

18/10/25(木) 10:35

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「セールスマンの死」稽古より。(撮影:細野晋司)

11月に上演される神奈川芸術劇場プロデュース「セールスマンの死」より、稽古の様子が公開された。

かつて敏腕サラリーマンだった主人公ウィリー・ローマンの死に至る最後の2日間を描いた「セールスマンの死」は、ピュリツァー賞を受賞したアーサー・ミラーの代表作。演出を長塚圭史が手がける今回は、ウィリー役に風間杜夫、その妻リンダ・ローマン役に片平なぎさ、長男ビフ役に山内圭哉、次男ハッピー役に菅原永二が名を連ねる。またウィリーの上司ハワード役には伊達暁、ビフの友人バーナード役には加藤啓、バーナードの父でウィリーの友人チャーリー役には大谷亮介、ウィリーの兄ベン役には村田雄浩がキャスティングされた。

本作について「いつかこれだけの戯曲と向き合える日があったら幸い、という心持ちでいた」と話す長塚は、「69年前に書かれたとは思えない、その現代性に驚かされるとともに、若い頃に読んだときには主人公ウィリー・ローマンの物語だと思っていましたが、この作品はウィリー最後の2日間にローマン家の家族それぞれの人生が凝縮された群像劇であり、まさしく家族劇の金字塔です」と分析する。

また「“死”とは生きることそのもの。信じていたものが崩れる中でも必死に生きてきた、生きることにすさまじく向き合ってきたウィリーとその家族の姿を描きたい。観る者誰しもが、この家族の物語に共感できる、すべての人の心を動かす作品だと思います」と期待を込めた。

続く風間は自身が演じるウィリーについて「達成できなかった夢を持つウィリー、親子の葛藤、男のプライドを色濃く出したい」と述べ、「インターネットが発達し、親子、友人同士の会話も減り、人間と人間が生でぶつかりあう場が少なくなった現代、人と人が正面から向き合って、感情をぶつけ合う大切さを見てほしい。自分が生まれた年に発表されたこの作品。自分の人生のさまざまな局面を思い出し、これまで生きてきた中での経験、記憶を引っ張り出して、実感を持って演じたいと思う」と意気込みを語った。

そして片平はリンダについて「数十年間ともに歩んできたウィリーのよさをわかっているリンダ、その気持ちを思うと、リンダの夫に対する愛情の深さはよく理解できます。とても素敵な女性で、ある意味理想の妻とも言えるけれど、夫の夢を妨げてしまったという負い目もある、複雑な心情を丁寧に演じたいです」と目標を掲げる。

また風間が演じるウィリーについては、「最初に読んだときは、こんな気難しい夫にずっと愛情を注ぎ、献身的に尽くすのは難しいのでは、と思いましたが、風間さん演じるウィリーは可愛げがあってチャーミングで、風間さんのウィリーなら、心底愛し、妻として心を添わせることができます」と信頼を寄せた。

「セールスマンの死」は11月3日から18日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて。なお3・4日はプレビュー公演となっている

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「セールスマンの死」

2018年11月3日(土・祝)~18日(日)
※11月3・4日はプレビュー公演
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール

作:アーサー・ミラー
翻訳:徐賀世子
演出:長塚圭史
出演:風間杜夫、片平なぎさ、山内圭哉、菅原永二、伊達暁、加藤啓、ちすん、加治将樹、菊池明明、川添野愛、青谷優衣、大谷亮介、村田雄浩

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む