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タッキー&翼に中居正広が託した思いーー年末最後のラストステージを見て感じたこと

リアルサウンド

19/1/2(水) 7:00

 2018年12月31日、ジャニーズアイドル滝沢秀明・今井翼のストーリーに『。』が打たれた。9月13日に突然知らされたタッキー&翼の解散。そして、滝沢はプロデューサーへ、今井は治療に専念するという、それぞれの決意。直筆で綴られた文章に、彼らの誠意は十分に伝わってきたものの、あまりに急な展開に動揺を隠せなかったファンが少なくなかったのも事実だ。約23年に渡り応援してきたファンの行き場のない感情を、滝沢に伝えたのは中居正広だった。

(関連:“タッキー&翼”はふたり自身が誰よりも楽しみ尽くした 16年間詰め込んだベストアルバムを聴いて

 12月29日に放送された『中居正広のキンスマスペシャル』(TBS系)にゲスト出演した滝沢は、解散・引退発表のあと最初に連絡をくれたのが中居だったことを明かしている。そして、「今のタキツバは『、』だと。ちゃんと『。』をつけて活動を終了させなさい」という言葉をもらったのだという。

 この言葉には、中居自身の経験が生かされている。「僕個人はちょっと怠った人間であって。あの、まるで幕引きっていうのができなかったので。どうか滝沢と翼のふたりには、ファンの子に、今まで応援してくれた人たちってやっぱりすごく大事だから、その人たちが次に進めるメッセージとして、この番組とふたりのショーっていうのを……」と語った。“引退試合がわからないまま引退される選手じゃない”との言葉も、野球好きな中居が今井にも向けたものだったのではないかと感じさせる。

 もちろん、中居自身も、そのときそのとき最善を尽くしていたことをファンは知っている。だが、それでもみんなが前を向くためには、笑顔の花道が必要だったのではないかという思いが残っていたのかもしれない。その経験が、後輩のタッキー&翼の門出に生かせるのであれば……そんな思いで苦しい心境を明かしてくれたのだろう。中居の言葉からはいつも、人を導くということが成功例をひけらかすのではなく、自らの痛みを引き継がせないという配慮だと気付かされる。

 もしかしたらプロデューサーに転身する滝沢にとって、最初にして最大の課題は、自らの引退劇だったのかもしれない。中居の言葉を重く受け止め、動き出した滝沢の手腕は、実に見事だった。12月29日には『超豪華!! 最初で最後の大同窓会!8時だJ』(テレビ朝日系)をオンエア。嵐や関ジャニ∞、生田斗真、山下智久、風間俊介、長谷川純、そしてMCを務めたヒロミら、もう二度と集まらないであろう豪華メンバーが集結。スターを夢見て切磋琢磨してきた当時の彼らの思いも、しっかり昇華させていった。すでに事務所を退所した今井翼が出演するというのも、過去には例を見ない展開だ。

 そして、約11年3カ月続けてきたラジオ『タッキーの滝沢電波城』(ニッポン放送)では、滝沢を慕う後輩を代表して2週に渡りKis-My-Ft2の北山宏光をゲストに招く。滝沢の背中を置い続けてきた後輩たちが、どんな思いを抱いているのか。それに対して滝沢はどのように応えているのか。それを生の声で届けるのも、後輩やファンを思ってのことだろう。

 最終回となった12月29日放送回では、いちばん支えてくれたファンたちの言葉も紹介。滝沢の作品を通じて、難しさを感じていた母娘関係が良好になったこと、滝沢を大切に思う仲間ができたこと……滝沢秀明をきっかけに生まれた人と人とのつながりは、彼が新たな道に進んでも続いていく。そんな前向きな気持ちにさせてもらえるものだった。

 「ここまでくるとね、言葉で伝えるというのがなかなか難しくてですね。感謝しきれないというか。言葉じゃなくて行動で僕は示していきたいなと思いますので。これからタレント滝沢秀明じゃなく、ひとりの男・滝沢秀明としてみなさんの応援がほしいなと思いますので。気持ちの中で応援していただけたらうれしいなと思います」そして、滝沢が最後にかけたのは、〈こんな時に限って/何も出来ないけど/たったひとつだけ誓うよ…ずっと 忘れない〉と歌うタッキー&翼の「epilogue」だった。

 泣かない男・滝沢秀明は、最後の最後まで涙を流すことはなかった。『ジャニーズカウントダウン2018-2019 平成ラストの夢物語!ジャニーズ年越し生放送』(フジテレビ系)で叶った今井翼とのラストライブ。ふたりでガッチリと握手を交わし、先輩、そして旧友に見守られ、次世代を担うジャニーズJr.たちと共に「REAL DX」「Venus」「夢物語」を歌い、踊り、肩を組んで笑っていた。「みなさんに恩返しができるよう、しっかりやっていきます」(今井)、「23年間、めちゃくちゃ楽しかったです! どうもありがとうございました」(滝沢)。ふたりもそしてファンも、前を向くことができた2019年の始まり。それぞれの『。』の先に紡がれる、新しい物語が輝かしいものになることを願っている。(文=佐藤結衣)

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