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稲垣吾郎は「時」にまつわるものを愛でるーー腕時計やカメラなど、本質的に優れたアイテムに惹かれる理由とは

リアルサウンド

20/7/20(月) 6:00

 稲垣吾郎がパーソナリティを務めるラジオ『編集長 稲垣吾郎』(文化放送)。7月15日放送回では、稲垣が愛用している腕時計について語るシーンがあった。

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 Instagramにも投稿しているドイツの高級ブランド「A.ランゲ&ゾーネ」の腕時計。20代のころ、青山の骨董通りにあった路面店で見かけるたびに「いつかしてみたいな」と憧れていたものだという。

 ラジオでは「A.ランゲ&ゾーネ」の腕時計を2本所有していると明かした。Instagramで披露した黒い文字盤の“1815”と、もう1本は白い文字盤の“ランゲ1″だ。“ランゲ1”は、『編集長 稲垣吾郎』のオフィシャル写真を撮影した際にしていたものだそうだ。

 さらに、時計に惹かれる理由として「代々受け継いでいったりとか、半永久じゃないですか。特に機械式時計っていうのはネジを回して、機械の動力で動いていく。そこに僕は神秘を感じるんですよね」と続ける稲垣。

 時を超えて、人々を魅了するもの。稲垣が愛するものは、「時」がキーワードになっているようだ。7月15日に発売された雑誌『Pen』では、“表現者が惚れた逸品“として、著名人たちが愛用品を紹介する特集が組まれた。稲垣はそこでシャトーラギオールのソムリエナイフを紹介した。

 1998年にドラマ『ソムリエ』(フジテレビ系)で主演を務めた稲垣。このソムリエナイフは、小道具として特別に役名の「JOHSATAKE」(佐竹 城)が刻印されたものだという。撮影が終わったあと、打ち上げの席でプレゼントされ、稲垣の手元に渡ったこのソムリエナイフ。それから20年以上も稲垣と共に人生を過ごしてきたパートナーになった。長い時間、一つのアイテムとじっくり向き合っていくのもそうだが、稲垣が愛してやまないワインも熟成させることで、その香りや味わいが変化していく、「時」が価値と直結するものだ。

 また、彼が趣味として続けているカメラも、一瞬の「時」を切り取る技術。花が咲いた瞬間、水が滴る刹那、若き日の香取慎吾の弾ける笑顔……。即座にその時間にタイムスリップさせてくれるようなアイテムだ。

 さらに読書や映画鑑賞もまた、違う「時」を生きる人の感性をつなぐ時間とも言える。そして、彼らが歌う音楽も、「時」を超えて歌い継がれることで、半永久的に人々の記憶に残っていくものだ。

 稲垣は以前、令和初の新年を迎えたタイミングで雑誌『25ans』のインタビューに、こんなことを語っていた。「自分を持ちながらも、時を読みながら風のように水のように流れに身を任せていきたい」。そして、困難に直面したときにも「いちばんは時間ですよね。時間は本当に解決してくれる。嫌なことも忘れて、人を許すこともできるし。ただ、いいことも忘れて、人に対する感謝の気持ちすら忘れがちだから、そこは気を付けないとね」とも。

 激動の日々の中でも稲垣が、しなやかに、そして美しく「時」を刻んでいくことができるのは、「時」の神秘を感じさせるアイテムを愛し、自分の生きている「時」と向き合っているからではないだろうか。本質的に優れたものは「時」を超えて、脈々と受け継がれていく。ドイツの工業製品に代表される「機能美」のように。

 稲垣の仕事の中には、形になるものもあれば、流れていく時間そのものが作品になることもある。音楽で繋がるライブの時間、笑い合うバラエティの番組、ビストロで演出する食の時間……。しかし、その場限りで消えていくわけではない何かが残る。きっと、稲垣はそんな気持ちを持って「時」を見つめているのだろう。瞬間的なエンタメにこそ、本質的な「機能美」を。稲垣の丁寧な仕事ぶりに、そんな「時」を作る職人気質な一面を感じずにはいられない。(佐藤結衣)

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