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上村聡史

新国立劇場のフルオーディション企画第3弾は上村聡史演出「斬られの仙太」

ナタリー

19/11/3(日) 11:04

上村聡史演出「斬られの仙太」が、2021年4月に東京・新国立劇場 小劇場で上演される。

これは、新国立劇場が実施しているフルオーディション企画の第3弾。フルオーディション企画の第1弾「かもめ」は今年4月に上演され、第2弾「反応工程」は2020年4月に上演予定だ。オーディションで決定された出演者と上村が、三好十郎作品をどのように立ち上げるのか注目しよう。オーディションの応募受付は明日11月4日から12月6日まで。詳細は新国立劇場の公式サイトで確認を。

フルオーディション企画の第3弾の開催にあたり、演劇芸術監督の小川絵梨子と、演出を手がける上村が発表したコメントは以下の通り。

小川絵梨子コメント

2018/2019シーズンの「かもめ」、2019/2020シーズンの「反応工程」に引き続き、今シーズンでもまたフルオーディションを行います。今回は、日本の演劇界を牽引する演出家の一人である上村聡史さんをお迎えし、三好十郎作「斬られの仙太」を上演することになりました。

フルオーディションの企画は、作品に興味を持ってくださった方どなたでも、是非オーディションを受けていただき、何にも縛られることなく、ただただその「作品」が必要とするキャスティングを行う、というものです。第1弾の「かもめ」の現場では、演出家である鈴木裕美さんを中心に、そこに集ったキャスト・スタッフの方々全員が、とてもフラットで、のびのびとした、創造的な稽古場を作ってくださいました。第2弾となります「反応工程」もまた同じく、豊かな現場になりそうです。

オーディションの重要性を確立していくためにも、公共の劇場であるわたしたちが続けていくべき企画だと考えています。やがていつの日にか、オーディションが演劇作品を創作していく上で、特別なことではない、通常の在り方になることを願っています。

長くなりましたが、新国立劇場の演劇部門にとって、この企画はとても大切なものです。作品、演出家、劇場に興味を持ってくださった方に、是非、オーディションに参加していただけましたら幸いです。

今年のオーディションにて、新しい出会い、嬉しい再会がたくさんありますことを祈っております。どうぞよろしくお願いいたします。

上村聡史コメント

小川芸術監督のレパートリーから始まったフルオーディション企画は、役を自らが選び創作現場へと赴いていく、という表現者の根幹をとても大切にされている企画で、大変魅力的に感じていました。その企画の第3弾目のお話をいただき、私自身も非常に意欲が湧いています。題材は任せていただけるとのことだったので、敬愛してやまない三好十郎氏の、昭和九年(1934年)、氏が32歳の時に発表・初演された「斬られの仙太」を選びました。

時は江戸末期から明治にかけて、百姓一揆や「ええじゃないか」をはじめとする時代の揺れ動きを、“天狗党の乱”を軸に展開していきます。“変革”に立ち向かう熱量、その熱量から生じる善と悪、そして土と共に生きる生活の意味を丁寧に描くことで、普遍的かつ今のわたしたちにも通じる作品に仕立てたいと思います。

なかなか上演されることの少ない本作は、百姓、町民、役人、武士、博徒、芸者と約80近くの人物が登場しますが、今回は出演者たちが、この物語と登場人物たちを仕立てていくという演出プランに基づき、出演者16人全員が黒子を兼ねた座組形式の演出で上演したいと思います。ということで、皆さんそれぞれが複数役を演じますので、ほとんどの場を何かしらの役で登場してもらうことになります。さらに、殺陣シーンも多々あり、方言もあり、加えて超長尺の戯曲で相当大変になることが今から十分に予想されますが、そのあたりご容赦いただきたく思います。

とはいえ、三好十郎が紡いだ言葉と真摯に向き合うこと、役を演じきることで生ずる醍醐味とで、演劇が大衆に語りかける圧倒的な力を、こんな時代だからこそ、創造していきたいと思います。

「斬られの仙太」

2021年4月
東京都 新国立劇場 小劇場

作:三好十郎
演出:上村聡史

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