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BL映画「性の劇薬」初日、監督がR18+の覚悟語る「ぬるくやるよりとことん」

ナタリー

20/2/14(金) 23:35

「性の劇薬」初日舞台挨拶の様子。左から渡邊将、北代高士、城定秀夫。

「性の劇薬」の初日舞台挨拶が本日2月14日に東京の池袋シネマ・ロサで行われ、キャストの北代高士、渡邊将、監督を務めた城定秀夫が登壇した。

水田ゆきの同名マンガを実写化した本作は、命を捨てようとした男が監禁、SM、調教を通して「生」を植え付けられていく物語。渡邊がエリート人生から転落した桂木誠、北代が誠を徹底的に調教する謎の男・余田龍二を演じている。

上映後の会場の緊張感を察した北代は「ものすごい激しい映画のあとに、どんなテンションで舞台挨拶を聞けばいいんだという感じですよね」と笑顔に。この日、人生で初めての舞台挨拶に立った渡邊を見やり「この人なんか、さっきまで拘束されてましたけど(笑)」と続けて周囲を和ませる。

北代と渡邊はオーディションで主演に抜擢された。R18+指定のBL映画を作るのは製作陣にとっても挑戦だったそうで、城定は「R15+だったらいくつかあるけど、R18+は前例がない。名のある役者を起用してぬるくやるより、オーディションで渡邊くんのような新人を起用して、とことんやりたいとは最初から思っていました」と明かす。

北代は「R18+の作品はいっぱいあるし、BL映画もたくさんある。でもR18+のBL映画は本作が初めて。役者として初めてのジャンルに飛び込めるチャンスって本当に貴重な機会。どんな偉大な先輩たちもやってないことを、まだまだ未熟な自分が経験できたのは本当に幸運でした」と述懐。渡邊も「オーディションのときから監督をはじめとしたスタッフの熱量が違ったんです。挑戦的な作品になるのは覚悟のうえ、というのを感じました」と話し、過激な性描写については「正直、最初は躊躇もしたんですけど、どうせ出るならと割り切って、思いきり演じました」と振り返る。

最初に原作を読んだ印象は「どうやって実写化するの?」だったという北代。「読み進めていくうちに、深い愛の物語にグッとくるようになりました。1話を読んだときは最後にこうなるとは想像できなかった」と続け、BLマンガに初めて触れたという渡邊も「生と死というテーマが徐々に見えてきて、実写化したとしても本当に面白くなりそうと思いました」と語る。

撮影中のハプニングを聞かれた渡邊は、シャワー室のシーンで局部を隠す前張りが剥がれそうになったことを回想。「水が流れてくるのでどうしても剥がれそうになる。必死でこうしてました」と手で股間を隠すそぶりをすると、城定が「もうこのシーンは風呂だし、剥がしてましたね」と補足する。「演じていてドキドキしたシーンは?」という質問に、北代は「ポスター用の撮影があったので、初対面の日に(渡邊の)裸を見させていただいた。それから現場でも僕は服を着て撮影で、彼はずっと裸。僕は最終日に初めて裸を見せたんですが、みんながすでに裸に慣れてる中、自分はちょっと『あっ』という思いがありました」と答えた。

イベントでは、拘束された桂木が乳首をいじられ「乳首! 乳首!」と叫ぶシーンで、渡邊が「乳首」と言うことに照れがあったという話題や、「妻がゴリゴリの腐女子」という城定の自宅にたくさんのBLマンガがあるというこぼれ話も。最後に城定は「チャレンジ精神で作ったはいいけど、劇場に観に来てくれる人はいるのか?と本当に不安でした。こうして出足が満席で本当にうれしい」と満足げな表情でコメント。北代は「宣伝が難しくなるし、R18+にする決断はすごく勇気がいること。でもその熱意があったからこそ全力で挑戦できました。いいと思ってくださった方、ちょっとでも何か響くものがあった方は、ぜひ口コミで広げていただけるとうれしいです」と呼びかける。そして客席を見回した渡邊が「改めて満席の様子を見ると本当に胸が熱くなります。感謝の気持ちでいっぱいです。ご来場いただきありがとうございました」と頭を下げ、イベントを締めくくった。

「性の劇薬」は池袋シネマ・ロサで2週間限定上映。その後、全国で順次公開される。

(c)2019 フューチャーコミックス

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