“Why are you creative?”「あなたはなぜクリエイティブなのですか」 シンプルだが、誰もが知りたいと思うこのシンプルな質問を、世界中のトップ・クリエーターたちに30年以上も投げかけているドイツ出身のドキュメンタリー作家、ハーマン・ヴァスケ。大学時代に“クリエイティビティ”の意味を研究し始めた彼は、卒業後ロンドンの名門広告代理店に入社し「クリエイティブ部門」で働いていた。が、日増しに募る「クリエイティブとは？」の意味を解き明かすため、カメラとスケッチブックを抱えて世界中を旅して回ることを決意する。 本作は、そんなヴァスケが自らメガフォンを撮ったドキュメンタリー映画。これまで質問してきた1000人以上のクリエーターの中から107人に絞り込み、彼らの「自説」を紹介していくというものだ。 デヴィッド・ボウイやクエンティン・タランティーノ、ビョーク、山本耀司、荒木経惟、北野武、ダライ・ラマ法王など、錚々たるメンツが次々と画面に登場し、思わず目眩がする。果たして彼らは、なぜクリエイティブなのか。親の遺伝か、それとも環境や体制に対する反発か、不安や恐怖といったものへの対処法のひとつなのか、あるいはただただ衝動に任せて行動しているのか。 107人それぞれが語る、クリエイティブになるための「コツ」や「ノウハウ」は、きっと私たちの暮らしや仕事の質を高める上でも大きな参考になるだろう。