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いまここにいる森崎ウィンを受け取って「MORISAKI WIN FIRST FLIGHT」ライブレポート

ぴあ

「MORISAKI WIN FIRST FLIGHT」 撮影/kuma

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9月20日、MORISAKI WINが恵比寿ザ・ガーデンホールにて「MORISAKI WIN FIRST FLIGHT」を開催した。

2020年7月に「パレード-PARADE-」でデビュー後、自身初となる有観客ライブ。もともと5月に予定されていた本公演だが、延期となり、ウィンにとってもCREW(森崎ウィンのファンの総称)待ちに待った初ライブだ。この日は抜けるような青空、夜にはいつもより大きく見える明るい月が。風も良好。初のフライトにはぴったりの天候だ。そんな「FIRST FLIGHT」夜公演の模様をレポートする。

定刻。照明が落ち、バンドメンバーが入場してくると、Overtureと共に客席からはクラップが。ウィンの登場を待ちわびる期待感が会場に満ちていく。ステージセンターにスポットライトが当たり、そこにはウィンの姿が。“ショー”のスタートだ。

1曲目は初の有観客ライブにふさわしく、デビュー曲「パレード-PARADE-」。笑顔でのびやかな声を響き渡らせる。まずはCREWたちにご挨拶をというように、ステージの端から端へと歌いながら移動していく。曲中ではダンスブレイクも挟み、スタートから耳を、目を楽しませてくれる。

2曲目はスタンドマイクに手を添えながら「WonderLand」を歌いあげると「MORISAKI WIN FIRST FLIGHT、ナイトフライトへようこそ! 皆さん楽しむ準備はできていますか!」と力いっぱいに呼びかけた。「今日は思う存分、手を思いっきり叩いてください!」という言葉に、会場も大きな拍手で応える。すでにウィンとCREWの連携はバッチリだ。

ベースのイントロが印象的な「UNBROKEN WORLD」をソウルフルに、キーが高い「Blind Mind」では透明感のある高音を響かせる。心地よい歌声ながら、体の奥を震わせる歌声が客席を惹きつけてやまない。

「改めましてこんばんは!」と明るい笑顔と笑い声を弾かせながらCREWに挨拶をした。
「これぐらいの会場になると、みなさんのお顔が全部見えるんですよ。昼(公演)はみんなとすごく目が合って僕もちょっと恥ずかしかったんですが(笑)、夜もがっつり見て帰りたいと思います」と無邪気に言いながら、CREWたちをドキリとさせる。

椅子に腰かけ、アコースティックギターを手にしたウィンは冗談を交えながら、バンドメンバーとコミュニケーションをとってリラックスした様子を見せたたあと、「去年の3月にグループが解散、7月にソロデビューしまして、1年ちょっとでやっとこうしてみなさん前で生で音楽を届ける場ができてすごくホッとしていますし、嬉しい限りでございます」と有観客のステージに立つ喜びをかみしめるように伝えた。

そして、音楽人としてソロになるということで森崎ウィンという看板でやっていかなきゃならないという中で結構悩んだ時期もあった、とウィン。

「森崎ウィンとして、自分ひとりでステージに立つときに、俺とはなんぞやって考えた時期がありました。そのときの気持ちを曲にしてくれたもの」と次に歌う「Start it Over」について語った。

「森崎ウィンっていうのをみなさんに伝えていくことから始めたらいいんじゃないかと。もし何かあったら戻る場所として、自分がソロデビューしたときのことだったりとか、自分のルーツを忘れないでいればいいんじゃないかな、ということを言われまして、それが楽曲になった。ここにいる森崎ウィンっていうのをみなさんにお伝えして、受け取っていただけたらなと思います」と弾き語りで披露した。ウィンの言葉を聞いたあと、改めて歌詞に耳を傾けてみると、より当時の心の中を垣間見えたような気持ちになれる。

続けて、初めて作詞作曲をした「Midnight」も弾き語りで。そして、軽快なファンクナンバー「JUST GO」で軽やかに体を動かす。何気なく上げた手の指先までどこか絵になるのは、ミュージカルを始めとした多くのステージに立ってきた経験が反映されているのかもしれない。どこかショーを観ているような気分になるのは、そんな自然な動きの中に、魅せることへの徹底した意識が働いているからだろうか。

続く「d.a.t.m」ではマイケル・ジャクソンを模したダンスで、そんなウィンのパフォーマンス力の高さが見せつけられた。客席も思い思いに体を揺らし、音を楽しんでいるのがわかる。そんなCREWたちに、ウィンもどこか満足気だ。「せっかくだから、みなさん今日は動いてもらおうかな、と思います」と次の曲「Fly with me」のサビのフリをレクチャー。昼公演でCREWが期待以上の動きを見せてくれたから、と夜公演では振付と演出を担当した清水大樹からレベルアップの指示があったと明かし、敬礼や飛行機の翼を現すようなフリで会場との一体感を高めた。

続けてソロデビュー前からおなじみの曲「Be Free」では「みなさん、ジャンプできるならジャンプしてください!」と言って一緒に飛び跳ねる。ググッと会場内の温度とテンションが上がっていくのがわかる。

改めて、客席に向かって今日の来場に感謝の言葉を口にしたあと「ライブって楽しいですね!」と笑顔を弾けさせた。それに対して、「知ってる!」と言わんばかりに会場大きな拍手が響く。ウィンを見ていると、「音楽って楽しいものなんだ!」ということを実感させられる。歌うこと、音に触れること、音に合わせて体を動かすのはこんなにも楽しいことなんだ! と教えてもらっているような気持ちになる。声が出せない中でも、客席の笑顔が絶えないのは、そんな「楽しい」が伝播しているからなのだろう。

そんな楽しい時間も終盤だ。ラスト2曲に披露したのはグループに所属しているころから歌っている「Shall we dance」。そして「最後の最後まで楽しんでいきましょう!」とシャウトし、「What U Wanna Do」で本編を締めた。

アンコールでは「1.2.3」でバンドメンバーと仲良さげなやりとりを見せ、楽し気に体を揺らし、10月18日に配信リリース予定の新曲「Me Myself and I」も披露。

「Me Myself and I」はバンマスでギターの宮野弦士が作曲を、コーラスのSweepが作詞を担当している。

「誰かに愛をあげたり愛をいただいたりとか、誰かを愛することも大事なんですけど、まずは自分を愛することが一番大事なんじゃないかっていうことを忘れがちだったりするんですけども。自分をしっかり大事にして、その愛を分け与えられるようにということでこの曲が仕上がりました」と解説。ポップで明るいメロディーは自然と体を動かしたくなり、まっすぐなウィンの歌声が心を前にむけさせてくれる。

そして、この日最後のMCでは「何回でも言わせてください。本日はお越しくださって本当にありがとうございました」と噛みしめるように感謝の言葉を口にした。
「こうやって、生でエンターテイメントをお届けすることの素晴らしさだったりとか、純粋こうして立って歌っているだけで幸せなんです。だけど、こうして来てくれているCREWのみなさんと作るものだと思っています」

更に、スタッフへの感謝も心を込めて伝えた。
「こうやってライブっていうものが、エンターテイメントっていうものができているのはなんでもそうなんですけど、人間はひとりでは生きていけないっていうことを改めて実感させられている」と時代に関係なく、いま自分がステージに立てていることの当たり前ではない素晴らしさを言葉にした。

森崎ウィンのライブは一緒に紡いで作っていくものだということを大事にしてほしいと思っている――自身に関わる全ての人への想いを大切そうに伝えたあと、会場を訪れたCREW、そして訪れられなかったCREWにも届くように、と「Love in the Stars-星が巡り逢う夜に-」でフライトを締めくくった。

歌やダンス、ギターはもちろん、時には大好きな飛行機の話で盛り上がったりと、終始楽しげに、弾ける笑顔で幸せな気持ちを届けてくれた森崎ウィン。
「また絶対に、絶対に会いましょう!そのときまで絶対に元気でいてください!」と再会を誓ったウィン。

これから、どんなフライトでCREWたちを笑顔にさせてくれるのか、楽しみだ。

撮影/kuma、取材・文/ふくだりょうこ

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