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『エール』花火のように燃え上がる裕一と音の恋 うさん臭すぎる古舘伊知郎も登場

リアルサウンド

20/4/28(火) 12:10

 突然、豊橋にやって来た裕一(窪田正孝)に、光子(薬師丸ひろ子)は戸惑いつつも、関内家の一室を使わせる。連続テレビ小説『エール』(NHK総合)第22回で、光子は噛んで含めるように、音(二階堂ふみ)に身を引くよう言い聞かせる。「裕一さんはあなたのことが好き。同じくらい、いやそれ以上、音楽が好き。どちらかしか選ぶしかない今、彼にとって一番良い道はなに?」。娘を傷つけたくない母の思いは、裕一の将来を案じてのことでもあった。

参考:『エール』第23話では、三郎(唐沢寿明)と光子(薬師丸ひろ子)の思惑が一致して……

 光子に限らず周囲の人々が裕一をどのように見ているかは興味深い。三郎(唐沢寿明)に「自由に歩ませてあげて下さい」と話す支店長の落合(相島一之)や音の「ミュージックティ(ーチャー)」御手洗(古川雄大)だけでなく、一度すれ違っただけの岩城(吉原光夫)も「いい目をしとります」と評価するなど、裕一の中に非凡なものを見出していた。

 裕一を知る上で、父である三郎の性格もヒントになる。一見「厳しさがない」ように見えるが、母・まさ(菊池桃子)によると「欲がない」のが三郎。そのせいで家業を傾けてしまったのだが、商家に育ち「人をだますよりだまされる方がいいの」と話すまさにとって、三郎は良いパートナーなのかもしれない。

 裕一と音のほうは、文通していただけあって、以前からお互いを知っているような自然な雰囲気だ。2人の共同作業は音が選んだ詩に裕一が曲をつける形ではじまっていたが、演奏会の開催で本格化する。鶴亀寅吉(古舘伊知郎)の企画を前に、音に「ど、どうする?」と意見を聞く裕一の様子は、後年の二人の関係性を示唆しているようだった。

 それにしても、鶴亀のうさん臭さと言ったらない。裕一を「先生」とおだてて景気の良い話を持ちかける。幸いにも、差し出された契約書を食い入るように見つめる音の様子を見る限り、三郎と違って安易に印を押すことはなさそうだが……。裕一の才能を見抜いて近づいてくるのは、決して善人ばかりではない。

 夏祭りで楽しく過ごす裕一と音だが、手筒花火のように燃え上がった2人の恋路はどこに向かうのだろうか? もう一つ気になるのは、光子と岩城の関係。裕一のことを岩城に尋ねるシーンで、光子がなにげなく放った「あの子たちともあと少しだし、どうしたらいい?」という問いに、不意を打たれたような表情を見せた岩城。第19回でも、音が岩城に「お母さんのこと、どう思っとんの?」と聞く場面があった。大人のロマンスにも注目だ。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。

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