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代表作を更新し続ける白鳥玉季 『凪のお暇』『テセウスの船』に続いて『極主夫道』でも印象残す

リアルサウンド

20/12/7(月) 11:50

 10月11日から始まった『極主夫道』(読売テレビ・日本テレビ系)もついにクライマックスに差し掛かる。第9話では、仲良しに見えていた龍(玉木宏)の家族に暗雲が立ち込めていった。

 龍は、向日葵(白鳥玉季)が病院にいることを聞いて駆けつける。すると、向日葵はクラスメートを怪我させてしまい、病院に来ていた。怪我をした相手に謝る龍。黙ったままの向日葵に、何か事情があると思ったのか、気遣って原因を聞こうとはしなかった。その後、再び学校をサボって警察に保護された向日葵。クラスメートに怪我させてしまったことも知った美久(川口春奈)は、向日葵を叱る。ただし、龍はそこでも向日葵を叱らずになだめた。

 突然行動が変わった向日葵を心配した美久は、雅(志尊淳)に悩みを聞き出してもらう。すると、悪いことをしても龍に怒られずに何も言われない向日葵は、血の繋がった親子ではないから自分のことはどうでもいいと思っているのではないかという疑念を抱いていた。

 龍と向日葵の仲を縮めるためにはどうするか悩む美久。2人の間には遠慮しているような見えない壁があるようだ。そして、向日葵に龍の愛を確かめてもらうために、向日葵を偽装誘拐する大博打に出る。

 行方不明になった向日葵を探す龍は、和子(MEGUMI)と佳世(田中道子)の証言から犯人が虎二郎(滝藤賢一)じゃないかと推察する。全てが偽装誘拐で仕組まれていることなので、もちろんそんなことはなく、渡瀬一家の存在自体も本当に近所に来たわけではなく、偽装誘拐のための作戦であるだけだった。そして、大ごとにならないように、公園で向日葵を連れて待ち合わせることになったが、そこで本当に向日葵が誘拐されてしまった。

 向日葵を演じるのは白鳥玉季。『凪のお暇』(TBS系)の白石うらら役がブレイクのきっかけとなり、『テセウスの船』(TBS系)など子役としてあらゆる作品に引っ張りだこである。いずれの作品でも大人顔負けの演技力を魅せる白鳥だが、子どもながらどこか大人びたしっかりとしているイメージを持つ役を担うことが多い。

 今回の向日葵では、龍と美久よりも大人びているように見えるほどである。特に龍と美久のやりとりを静かに微笑ましく見守る姿や龍にも美久にも物怖じせずに進言していく姿が印象的だ。そして、そんな普段の姿とは裏腹に、龍から愛されているのかを不安に感じたり、雅への恋に思い悩んだり、納得のいかない話になると思わずムッとしちゃう子どもらしい一面も兼ね備えている。時折見せる嬉しいことがあったときの、可愛らしい笑顔とのギャップも魅力的だ。

 そんな様々な感情が移り変わっていく向日葵を、表情でしっかりと演じて訴えていく白鳥玉季。表情を見るだけで、今どんな気持ちなのかがわかる演技は10歳ながらさすがの演技力である。

 最終回を残して娘の向日葵が本当に誘拐されるまさかの展開。探している途中に龍の元には一件の電話が入る。正体は明かされなかったが、大城山組の國光(橋本じゅん)もその後に電話をしていたことから、本物の渡瀬一家が登場したのだろうか。それとも別の誰かか、それすらもが偽装誘拐のために仕組まれたことなのか。

■岡田拓朗
関西大学卒。大手・ベンチャーの人材系企業を経てフリーランスとして独立。SNSを中心に映画・ドラマのレビューを執筆。エンタメ系ライターとしても活動中。TwitterInstagram

■放送情報
『極主夫道』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~23:25放送
出演:玉木宏、川口春奈、志尊淳、古川雄大、玉城ティナ、MEGUMI、安井順平、田中道子、白鳥玉季、中川大輔、片岡久迪、水橋研二、本多力、新津ちせ、橋本じゅん、滝藤賢一、稲森いずみ、竹中直人
原作:おおのこうすけ『極主夫道』(新潮社『くらげバンチ』連載中)
脚本:宇田学ほか
監督:瑠東東一郎ほか
チーフプロデューサー:前西和成
プロデューサー:中山喬詞、小島祥子、清家優輝(ファインエンターテイメント)
共同プロデューサー:池田健司(日本テレビ)
制作協力:ファインエンターテイメント
制作著作:読売テレビ
(c)読売テレビ
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/gokushufudo/
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