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BTSを強くするARMYの存在と謙虚な姿勢 米ビルボードシングル韓国人アーティスト初の1位獲得、オンライン記者会見を振り返る

リアルサウンド

20/9/4(金) 11:35

    BTSの新曲「Dynamite」が米Billboardのシングルチャート「Hot 100」で1位を獲得し、その記録を受けて9月2日、オンライン記者会見が開かれた。

BTS

 2015年発売の『花様年華 pt.2』で初めてチャートインして以降、これまで幾度となくBillboardチャートに名前を残していたBTSだが、ついに韓国人アーティストとして初の1位という歴史的記録を打ち立てた。偉業を成し遂げたBTSが一夜明けて開いた会見では、応援してくれるファンを大切にする彼ららしく「ARMY」というワードが数えきれないほど飛び交っていた。

 JINは今回の記録について、「ファンのみんなにすぐ伝えたくてWeverse(BTS公式ファンコミュニティ)に書いて消してを繰り返したけど、結局言えたのはARMYとBTSが一緒に作り上げた成績だということでした。純粋にファンのみんなと楽しみたいという気持ちで作り上げた曲でしたが、このような結果になって嬉しいです」と驚きの気持ちとファンに対する感謝を述べた。

 特に9月1日、1位の知らせが出た当日に誕生日を迎えていたJUNG KOOKにとっては忘れられない1日になっただろう。JUNG KOOKは「なによりもこの大きな成果を出せるように頑張ってくれたARMYの皆さんに感謝したいです。そしてメンバー、スタッフ、ファンなどいい人に出会えていい機会を得ることができて感謝しています。僕の人生でこのような記録を出せたということが本当に光栄です。そしてその日は僕の誕生日だったので大きなプレゼントをいただけて嬉しいです、生まれてきて良かったと思います。母と父に感謝したいです」とコメントした。

 Vも、「僕は、今のように世界的に注目を受けるとも思いませんでした。実は僕たちはそれぞれ地方から7年前に手ぶらで上京して、合宿しながら地下の狭い練習室でみんなで歌やダンスの練習をしていました。今も生々しい思い出です。これがなぜ思いつくかわからないのですが、上京したときに、お父さんとタクシーの運転手さんにぼったくられたことがあって。(中略)「ありえない」と思ったのですが、今は本当にいい思い出として残っています。今までやってきた全てのことがいい思い出として残っています。本当に今は幸せで、一番いい賞をもらったような気がしています。今日だけは心配事は忘れて、喜びたい。みんなで一緒に笑えたら嬉しいです」とVらしいキラキラした感想を伝えた。

 今までに目標として公言したことを全て達成しており、「SUGAの目標は現実になる」とまで言われているSUGA。彼も今回の記録には驚きを隠せなかったようで、知らせを聞いて現実とは思えず自分をつねって確認したという。達成したチャート1位と今後の目標について尋ねられるとSUGAは「1位になるために作ったというより、このような状況の中で1人でも力を出してほしいという気持ちで作った曲なので、多くの方々に楽しんでいただけで嬉しいです。これまで掲げてきた目標の中でも一番嬉しい。でも目標は言わなきゃならないですよね(笑)。少し負担にはなってしまいますが、グラミーでコラボの舞台をしたので次はBTS単独のステージを披露したいです。受賞するのも目標ですが、それは僕たちの意思だけで叶うものではないので、まずはグラミーの舞台でBTSの歌を歌うことが目標です」と謙虚でありながらもさらなる進化への意欲を見せた。

 最後に設けられた質疑応答の時間ではまず、SNSに“涙が止まらない”と書き込んでいたJIMINへの質問が飛んできた。その涙の理由については自分にもよくわからなかったとしながらも、「ぼくたちが守ってきたこと、やってきたことがあってそれが認められた、報われた感じがして、今このような時期に手をつないで立ち上がったことが讃えられた気もして、いろいろな複雑な気持ちで涙が出たんだと思います。記録を見た途端、本当にコンサートがしたい、ARMYの皆さんに本当に会いたいと思いました」とファンへの思いも交えながら涙の理由を語った。そしてリーダーのRMにも「本当にお疲れ様。RMさんのおかげでここまで来られたよ」と伝えたという。

 また、今回の大きな成功に際し、彼らはいままでの軌跡を振り返った。7年前のデビューショーケースで言っていた“新人アイドルは生き残れないという言葉もあるが、最後まで生き残って大衆に愛されるグループになる”という抱負を振り返っての想いを問われたJ-HOPEは、「7年前、多くのグループがデビューしていた時期だったため体力が許す限り頑張りました。今では想像していたより本当に多くの愛を受けています」とし、7年前の自分には、「J-HOPEよくがんばったね、その努力は裏切らないよ」と伝えたいと答えた。また、「メンバーは本当に大切で、これは何回言っても足りないくらいですが、僕にとってはいなくてはならない、そして僕が生きる上での大きな理由の一つだと思います。7年間頑張ってくれてありがとう。これからもずっとずっと生涯一緒にやっていきたいと思います。メンバーに愛してるよと言いたいです」と長年共に過ごした6人への愛を滲ませた。

 リーダーのRMは、BTSにとっての2020年はどんな年として記憶に残るか?という問いに、「どのように記憶されるかというよりどのように記憶したいかですが、僕にとっては、このコロナが早く収束して、これからの先がわからなくても、“そんなこともあった。でもその時僕らは最善を尽くした。ツアーはできなかったから世界のファンのみなさんには会えなかったけど、『Hot 100』1位という成果もあった。頑張ったよね”という風に記憶したいと思います」と答えた。また、直近の活動に関しても「そのためにも色々なことをしていますし、下半期にニューアルバムもリリースされますし、パフォーマンスにも励みたいと思います。僕たちがいるこの位置で、僕たちができることをしたいと思います」とコロナの影響下でも努力をするBTSの姿を伝えてくれた。

BTS

 今回の記者会見では、とにかく大きなファンへの愛や感謝、そしてBTSの謙虚さがうかがえた。ここまでの偉業を成し遂げても前を見据える彼らが次に達成する記録はどんなものになるのだろうか。彼らの原動力になっているというARMYが見守る中、これからもBTSは走り続ける。

■フルヤトモコ
1999年生まれの大学生。韓国のカルチャーと洋楽、本、映画など。
東京藝術大学 音楽環境創造科在籍。

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