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オスカー最有力? 『ミナリ』でユン・ヨジョンら韓国実力派キャストの演技を堪能

リアルサウンド

21/3/19(金) 21:00

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は韓国旅行が懐かしい島田が『ミナリ』をプッシュします。

『ミナリ』

 最近オスカーノミネートが一挙発表され、話題を呼んでいますが、そんな数多あるノミネート作の中でも特にアカデミー有力と言われているのが『ミナリ』です。アカデミー前哨戦の一つとも言われるゴールデングローブ賞では外国語映画賞しかノミネートされなかったことが騒動も呼んだ本作(参考:移民を描いた米国資本映画『ミナリ』は外国語映画 ゴールデングローブ賞の規定にハリウッド憤慨)。ともかく、作品として今年必見の1作であることは確かでしょう。

 農業で成功することを夢みる韓国系移民一家の暮らしを描いた本作が高く評価されている理由はいくつか挙げられます。一つはキャスト陣の演技。特に絶賛されているのが、破天荒なおばあちゃん役を演じたユン・ヨジョン。アカデミー賞の助演女優賞候補にもノミネートされました。日本でも最近、『藁にもすがる獣たち』『チャンシルさんには福が多いね』と出演作が相次いでいるので見覚えある方も多いかもしれません。本作は、ユン・ヨジョンさんの存在感があったからこそ成立している、と言っても何ら過言ではありません。

 主演のスティーヴン・ユァンもまた主演男優賞にノミネート。『オクジャ/okja』『バーニング 劇場版』(そういえば、『ミナリ』でも納屋が出てきますね……)と日本の映画ファンから支持の厚い作品に多数出演。『ウォーキング・デッド』にも出ています! 

 この2人を筆頭に韓国の実力派俳優が多数集まっている本作。その演技だけでも一見の価値ありです。農業を始めることをきっかけに微妙に揺れていく家族関係の機微を見事に表現しています。

 もちろん、キャストの演技のみならずストーリーも、どこかアジアで暮らしている我々だからこそより共感できるものがあるようにも感じます。同じくA24配給で、中国というアジア出身のルル・ワン監督作『フェアウェル』でも家族が中心でしたし、そもそも韓国映画が大きく注目を集めるきっかけとなった『パラサイト 半地下の家族』も家族の団結が描かれています。日本でもパルムドール獲得など海外で評価された作品は『万引き家族』がありますし、遡れば小津安二郎などその最たるものです。改めて本作をきっかけに「家族」のあり方を見直してみてはいかがでしょうか? 本作を観終わった後は思わず実家に電話したくなってしまうかもしれません。

 ちなみに、監督・脚本を務めたリー・アイザック・チョンは、『君の名は。』ハリウッドリメイクでも監督を務める予定です。この作品を観た後、『君の名は。』ハリウッド版を妄想するのも楽しいです。

■公開情報
『ミナリ』
TOHOシネマズ シャンテほかにて公開中
監督・脚本:リー・アイザック・チョン
出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、ユン・ヨジョン、ウィル・パットン、スコット・ヘイズ
配給:ギャガ
上映時間:115分/原題:Minari
Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24
公式サイト:gaga.ne.jp/minari

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