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BTS、コンセプト別で見せた日本初の単独展示会 『24/7=Serendipity (오,늘)』を振り返る

リアルサウンド

19/1/14(月) 10:00

 2018年12月26日~2019年1月12日の18日間、池袋のサンシャインシティ文化会館で日本では初となるBTS(防弾少年団)の単独展示会『24/7=Serendipity (오,늘)』が開催された。韓国・ソウルにて2018年8月25日~10月28日の2カ月に渡って開催された同名の展示会を、一部の私物展示などは省略されたものの概ねそのまま持ってきた形だ。ちなみに筆者が訪ねた日はメンバーのVの誕生日直後だったからか、入り口すぐにあるモニターでは普段とは違うVの動画が流れていたようだ。

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 会場内はBTSの楽曲名やコンセプトタイトルのついた20の部屋から構成され、デビュー以降の5年間の軌跡が辿れる構成となっている。韓国とは展示の順番は若干異なる部分もあるが、各メンバーを構成する要素の手書きスケッチが刻まれた金属盤を展示した「The Begin」ではじまり、メンバーのインタビュームービーが流れる「IDOL」で終わるという部分はそのままだった。日本の展示では「Spring Day」のMVに登場する、「Omelas」と書かれたモーテルのセットを展示した「We On」(韓国では「MIC Drop」のセットもこの部屋に配置されていたが、日本では「MIC Drop」の部屋に設置されていた)の部屋と、現在と過去のビハインド映像モニターが流れる「Tomorrow」の部屋が1つになっており、代わりに2015年12月韓国で開催された初の展示会『Butterfly Dream : BTS Open Media Exhibition』のコンテンツの一部が「Butterfly」の部屋で公開された。

 今回の展示会はトータルでは2回目の開催であるが、初回の『Buttefly Dream』は主に『花様年華』シリーズのコンセプトに特化した内容だったため、2013年のデビュー以降からをトータルで振り返る展示会はほぼ初めてと言えるだろう。とはいえ、展示全体のスタイルとしてはやはりコンセプトが大幅に変わった2016年の以降の記録がメインの印象だ。「Young Foever」の部屋では238枚に及ぶデビュー以降の未公開写真が、「Spring Day」の部屋では6カ月の間、楽屋やセット休憩中にメンバーがお互いを撮影しあった写真を見ることができた。

 写真だけではなく、歌詞やメンバーが番組で書いた自作詩など文字のコンテンツや、過去の練習動画、新人賞からビルボードの「トップ・ソーシャル・アーティスト」賞まで過去の受賞歴を展示した部屋、コンサートや撮影で使われたセットや衣装、さらにファンミーティングで最後にメンバーがアーミーボム(BTSのペンライトの呼称)の巨大セットの中に入り、帰っていった様子を中と外から同時に体感できる「ARMY BOMB」の部屋など、“BTSというグループの魅力”を多方面から見ることの出来るバラエティに富んだ内容だった。自撮りで映えそうな撮影可能エリアも複数もあり、時間制限内の約100分ほどでは隅々まで見切れないほどのボリュームだ。

 日本で開催されたアーティストやアイドルの展覧会といえば、アーカイブそのものが時代を反映した歴史にもなっていた「デヴィッド・ボウイ・イズ」や、衣装やグループそのものがクリエイションのコンテンツと言えるPerfume、ライブをメインに置いたももいろクローバーZ、デザイン面に焦点を当てた乃木坂46など様々なものがある。しかし、韓国での大規模なアイドルの展示会は、現代アーティストとのコラボレーションで開催されたG-DRAGONや、自社のミュージアムを持つSMエンターテインメントなど一部を除けばまだ珍しい。今回のBTSの展示会は、グループの具体的な歴史やメンバーのリアルもあるが、それを時系列的ではなくコンセプト別で見せるという“韓国のアイドル”特有の展示の仕方は、既存のアーティストやアイドルの展示よりも、むしろストーリー展開ごとに展示することが多いコミックなどの二次元コンテンツの展示様式の方に近い様にも感じられた。

 ちなみに韓国での展示は大型書籍としてまとめられているので、行けなかった人や細かいところや個々の写真をチェックできなかったという人にはオススメだ。過去の映像コンテンツ以外ほぼ全て、最後の「IDOL」のインタビューまで韓国語ではあるが文字で掲載されている。(DJ泡沫)

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