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アーティストを作った名著 Vol.11 和田輪(Maison book girl)

ナタリー

19/4/16(火) 17:00

Maison book girl

日々創作と向き合い、音楽を生み出し、世の中に感動やムーブメントをもたらすアーティストたち。この企画はそんなアーティストたちに、自身の創作や生き方に影響を与え、心を揺さぶった本について紹介してもらうものだ。今回はMaison book girlの和田輪が、さまざまな物事に興味を持つきっかけになったマンガ3作を紹介してくれた。

01. 「らんま1/2」(小学館)
著者:高橋留美子 

“萌え”という気持ちが芽生えた

小さい頃、本や漫画が好きな父親の本棚から借りてよく読んでいた作品です。

らんま1/2は、格闘要素のある少年漫画でありながら、少女漫画のような甘酸っぱいときめきと、青年漫画にある古今東西の萌えを持ち合わせた完成された作品だと思っています。

元祖チャイナ娘とも言えるシャンプーをはじめ、「幼馴染」など記号化できる要素を持ちながらも、心の動きに人間味のあるキャラクターに大きな魅力を感じます。
わたしの萌えの気持ちはこの作品によって芽生えました。もし読まずに育っていたら、黒髪ロング眼鏡っ娘などというわかりやすい見た目にはなっていなかったかもしれません。

02. 「眼鏡橋華子の見立て」(講談社)
著者:松本救助

眼鏡を通してどんな世界を見たいのか

眼鏡店店主の眼鏡美人が、お客さんに眼鏡をお見立てする漫画です。国内外いろいろなブランドの眼鏡の特性がわかりやすく、魅力的に紹介されていて、私が眼鏡自体に興味を持ち、こだわるようになる大きなきっかけになった漫画です。

以前は眼鏡っ娘だったら掛けてるものが高価であっても安価であっても萌えるじゃん、と思っていた時期もあったのですが、眼鏡を通してお客さんがどんな世界を見たいのか、どんな自分になりたいのかの視点に立った見立てから、機能性、デザイン共にその人に合った眼鏡を掛けることの大切さや楽しさを教わりました。

イラストと言葉とストーリーを同時に使える漫画ならではの、写真だけでは伝わらない眼鏡の魅力が伝わってくる、とても好きな作品です。

03. 「ルサンチマン」(小学館)
著者:花沢健吾

バーチャルリアリティ、人工知能へのロマンや畏れ

冴えない中年男性が、仮想現実世界に住むAIの女の子に恋をするお話です。
一昨年頃からキャラクターを使ったバーチャルリアリティが流行りはじめ、私も興味を持って3Dモデリングをしたり動かしてみたりしているのですが、それ以前にもこの作品でバーチャルな存在の女の子に興味を持ったことがあったと思い出しました。

2004年から、2015年の未来を描いた作品。現在も技術が追いついていない点もありますが、開発段階だからこそ、これから人知を超えて大きくなっていくかもしれないバーチャルリアリティ、人工知能へのロマンや畏れが今も感じられます。

研究者の方だけでなく、わたしのような素人でもVR分野の発展に関われるようになった今だからこそ、読み返したい作品です。

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