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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

YouTube登録者数も重要な指標の一つに 音楽系チャンネルの動向に注目

リアルサウンド

19/8/20(火) 7:00

 8月5日、米津玄師のYouTube公式チャンネル登録者数が400万人を突破したことは、日本人アーティスト初の記録として、音楽史上に残る出来事だった。子どもユニット・Foorinへの提供曲のセルフカバー「パプリカ」のMVが8月9日に公開されると、前作「海の幽霊」MVの4日と12時間で1000万回再生の記録を約3時間上回り、自身最速の記録を塗り替えたように、新曲のMVが発表される度に爆発的な再生数を叩き出している。さらに「パプリカ」公開直後のコメント欄に、海外ユーザーからのコメントも多数寄せられていたことは、チャンネル登録者数、再生回数が、日本のみならず、グローバルな規模で推移していることを提示したことに他ならない。いまやYouTubeのチャンネル登録者数はその配信者の人気を表す指標の一つでもあり、アップされた動画がより多くの人に届く可能性にも直結しているのだ。そこで今回は、YouTubeにて音楽に関する動画投稿を行っていて、今後のさらなる伸び代に期待したい個性的なアーティスト3名を、チャンネル登録者数別に分けて紹介する。

(関連:米津玄師「Lemon」はなぜ歌いたくなる? 徳永ゆうき、まふまふ、コバソロ&春茶のカバーを比較

■50万人~鈴木ゆゆうた

 鈴木ゆゆうたは、主に電子ピアノによる弾き語り動画を投稿する音楽系YouTuber。チャンネル登録者数は516,577人(8月17日時点)。2007年頃からニコニコ動画、2018年5月からは、YouTubeでも動画配信を開始。視聴者の楽曲リクエストに応えて即興で弾き語っては、様々な楽曲のアレンジを施すなど、3歳からピアノを始めたという彼のピアノの技量には、目を見張るものがある。無表情から一転して、何者かが憑依したかの様にピアノの旋律を美しく引き立てていく演奏は、驚嘆に値する。一方で、「一般男性脱糞シリーズ」「FF外から失礼するゾ~」などニコニコ動画で流行したネタを扱った演奏や、ゲストを呼んでコラボ配信をするなど、ジャンルを問わない活動を精力的におこなっている印象が強い。才能を開花させるほか、興味をそそる動画も投稿していることがギャップを生み、視聴者から愛されている要因となっているのだろう。

■100万人~粉ミルク

 アコースティックギター、ときには、ピアノとシンプルな楽器を用いて、J-POPのヒットソングをカバーした動画を投稿する歌い手の粉ミルク。チャンネル登録者数は1,083,564人(8月17日時点)。現在46本を投稿しているうちの21本がback numberの楽曲のカバーということからも、彼自身がback numberを敬愛していることは明白だ。なかでも、最も再生回数が多いのは、2015年10月21日に公開した「クリスマスソング」。4,000万回再生超えと圧倒的な数字を誇っている。back numberを筆頭として、実際に彼のカバーを機に、本家にも興味を抱くようになった視聴者は多い。自身の歌声のファンを増やしつつ、本家に魅力を感じさせる役割も担うことのできるのが楽曲をカバーするアーティストだ。バラードを中心とした心に染み入る楽曲の選曲、天衣無縫な歌声、クリーム色がかった配色で統一した動画と粉ミルクという柔和な名に一貫性があることが、彼の動画のファンを増やす一翼を担っているのではないだろうか。

■200万人~kobasolo

 足立佳奈や橋本裕太などのアーティストへの楽曲提供をおこなうプロデューサーでもあり、作詞・作曲・編曲、演奏、動画制作などの全てを自身でこなすシンガーソングライターでもあるコバソロ。チャンネル登録者数は2,077,426人(8月17日時点)。もともとは、ピアノ、ギター、ボイスパーカッション、ボーカルなどのパートを自身で完遂した動画を投稿する割合が多かった。しかし、今では、彼が若手女性シンガーソングライターをプロデュ―スする側に回り、演奏者として共演しつつも、彼女らがJ-POPのヒットソングをカバーする動画シリーズが好評を博すに至っている。MVに出演しているのは、「歌ってみた」などで名声を得た歌い手の春茶、SHE IS SUMMERのボーカルとして活躍するMICO、モーニング娘。の元メンバーである高橋愛などだ。男性アーティストのヒットソングの演奏を彼流にアレンジしたところに、女性の歌声を乗せることで、このような見せ方もできるのだという新たな側面を提供しているといえる。彼の動画の数々がアーティストのMVさながらに本格的で趣のある作品となっているのは、自身がプロデュース側であることへの自覚たるものを強く意識していることにあるのかもしれない。また、近年では、オリジナル楽曲も好評を博している。

 楽曲カバーという視点ではそれぞれの活動は似ているが、アレンジを加えて弾く、自身で歌う、もしくは他のシンガーソングライターと出演する、といったように、見せ方が異なるからこそ、アーティストの個性が出ていて味わい深い。娯楽性や癒しなど、視聴者がYouTubeで動画を楽しむ理由は千差万別。そんな中、より多くの人々を惹きつける魅力的な音楽系動画やチャンネルが増えることは、音楽シーン全体の活性化にもつながっていくはずだ。(小町 碧音)

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