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KinKi Kids、新曲「KANZAI BOYA」誕生秘話とは 『どんなもんヤ!』で明かされたジャニー喜多川への愛情

リアルサウンド

20/3/25(水) 6:00

 KinKi Kidsが、5月5日に42ndシングル『KANZAI BOYA』(カンサイボーヤ)をリリースする。「KANZAI BOYA」とは、堂本光一、堂本剛の2人が「KinKi Kids」になる前に、ジャニー喜多川氏が名付けたという幻のユニット名。

(関連:堂本光一、インスタライブに降臨 『Endless SHOCK』出演者と届けたエンターテインメントへの愛と力

 そして2019年末に開催したドームコンサート『ThanKs 2 YOU』で、堂本剛が「ジャニー亡き今ね、いろいろ考えたんですよ。“KANZAI BOYAってめちゃめちゃイケてる名前やん“って。気づいちゃってからウズウズしちゃってね。『KANZAI BOYA』っていうファンク作ったんすよ」と突然披露された楽曲だ。3月23日放送のラジオ『KinKi Kidsどんなもんヤ!』(文化放送)では、堂本剛が登場して楽曲に込められた思いを語った。

 2年ぶりとなるドームコンサートをするにあたって、KinKi Kidsのデビュー当初の楽曲、さらには先輩たちがやってきた楽曲を、いろいろと出して触れてきたという堂本剛。そのなかで、「KANZAI BOYAっていう名前懐かしいなって、ちょっと思ったんですよ。それで光一くんが“ここでワンコーナーやれば?“っていう話になったんで、その日に帰ってバーッと書いて、次の日に“ちょっとこんなん作ったんですけど“って。“何これ?“、”KANZAI BOYAです“、”あー、あれかいな!“みたいなところで……ワンコーナーのために、ただ作った曲ではあるんですよ」と、すぐにできあがった楽曲であることを明かした。

 そんなワンコーナーのためだけだったはずの楽曲を、シングル化しようと提案したのは堂本光一だったという。「光一がね、“これシングルにすればいいやん“とか言い出して。“冗談で言ってんのよな“って言ったら、“いや意外と本気なんですよ“みたいな。どうしたんかなと思って」と当初は困惑した堂本剛だが、長年共に歩んできた相方だけに、そこは言わずとも伝わる何かが2人のなかにあるのだろう。

 「光一の中でも、社長が亡くなって、消化しきれてないのよなぁ……あいつの中で。それはね、となりで見ててすごいわかるんですよ。で、こういう作品をリリースすることで、なんかあいつの中でも、ちょっとその区切りじゃないけどね。なんか気持ち的に何かあるんだろうなっていうのは、なんか思ってるんですよ。で、まあ、とにかく光一くんもそう言ってるんであれば、光一くんのためにもっていう言い方もおこがましいですけど、そういう気持ちもあって、じゃあ、リリースしましょうっていうことで踏み切ったんですよね」

 さらに、リリース日となる5月5日は、「僕と光一くんが初めて出会った日だとされてる日」と続けた。本当に5月5日だったのか、ちゃんとは覚えていないというが、堂本剛と堂本光一が出会った日は、同時にジャニー喜多川氏とも初対面を果たした日。「そういう日なのか、というところで」と、この日に決定したそうだ。

 ジャニー喜多川氏とKinKi Kidsの関係性は、芸能事務所の社長とタレントを超えて、親子のようでもあり、いちばんのファンとアイドルでもあった。堂本光一を、現在も続く『SHOCK』シリーズで帝国劇場最年少座長(当時21歳)に抜擢すると、「ユー最悪だよ」と発破をかけてきたジャニー喜多川氏。演出について衝突し「勝手にすればいい」と言われたエピソードはあまりにも有名だが、それだけケンカができるということは、彼のポテンシャルを信じていればこそ。

 一方、堂本剛には「キミが何を考えているかを知ることを楽しめるのがファンの人たちだから、説明なんていらないし、キミのやりたいと思ったことをステージで表現しなさい」と言葉をかけていたという(参照:https://dot.asahi.com/wa/2019090400087.html?page=3)。ジャニーズ初となる“自作曲での”ソロデビューも、彼が奏でるファンクミュージックも、どんな自分をも受け入れられる土壌があると信じられたからこそ育まれたものかもしれない。

 父のように厳しく堂本光一を見つめ、母のように堂本剛を包み込んだジャニー喜多川氏にとって、やはり2人は“関西の坊や”に、他ならなかったのだろう。そんな大きな愛情に対して、2人が返せる愛情の形は、自分たちのエンターテインメントを磨き、披露すること。そして2人揃って“ジャニーさん”モノマネをしてゲラゲラと笑う姿を見せることだったのだろう。

 きっと堂本剛が語った「消化しきれてないのよなあ。あいつの中で」という言葉は、もらっただけの愛情を返しきれていないという思いに違いない。そんな様子を見てきた堂本剛が思いのままに作詞作曲したファンクに、堂本光一が繰り出す“ジャニーさん“モノマネで締めるという「KANZAI BOYA」は、ステージでは決して泣くことを良しとしなかったジャニー喜多川氏の教えを、きちんと守っている2人の育ちの良さが見てとれる。

 ちなみに、初回盤AにはノリノリのMVがついているというが、「もうKinKiのPVじゃないです。もうめちゃめちゃふざけてます。でも、僕は好きですよ。光一くんの楽しそうな感じも好きです」と言うから期待が高まる。天国から「ユー最悪だよ」と聞こえてくるような仕上がりになっていることだろう。そして初回盤B、通常盤には、KANZAI BOYAグッズがつくという。

 「後にも先にもできないと思いますよ。でもこれをOKしてくれた事務所さんも、ありがとうです、ほんとにありがとうございます。すごく嬉しいです」KinKi Kidsじゃなく、KANZAI BOYAだったら……というパラレルワールドが楽しめそうだ。きっとどんな名前でも彼らは私たちを魅了し、そしてジャニー喜多川氏自慢の息子たちだったに違いない。(佐藤結衣)

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