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いま、最高の一本に出会える

TWICE、5作連続アルバムチャート1位獲得 あらゆる括りを超えたアジアの今を体現する存在に

リアルサウンド

19/11/30(土) 8:00

参考:2019年12月2日付週間アルバムランキング(2019年11月18日~11月24日/https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2019-12-02/)

(関連:TWICE「Fake & True」MVはこちら

 4週間前に触れたOfficial髭男dism、その後も健闘が続いています。10月21付チャートで初登場1位に輝いたあと、次週から3位→2位→7位→6位→6位→6位。ほぼ2カ月ずっと10位圏内。その間、「Pretender」のストリーミング再生回数があいみょん「マリーゴールド」を上回る歴代1位になったとか、年末の『第70回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)にも初出場が決まったとか、華やかなニュースばかり飛び込んできましたから、もはや飛ぶ鳥を落とす勢いですね。『紅白』の出場者は年明けに再びセールスが伸びることも珍しくないので、アルバム『Traveler』の累計売上がどこまで伸びるのか、楽しみになってきました。

 さて今週。2位以下に圧倒的な差をつけた1位はTWICEの『&TWICE』。初週セールスは12.4万枚です。彼女たちがアルバムチャート1位を獲得した作品はすでに5作となり、これは海外女性アーティストの記録でいえば、マライア・キャリーと並ぶ歴代2位タイになるそうです。

 毎週ランキングが更新されるたびにこういう話が出てくるのは、当然、オリコンに「男性/女性」「国内/海外」など細かく基準の分かれた歴代記録が蓄積されているから。「1位獲得作品数」だけでなく「連続1位獲得数」「連続1位獲得年数」など、さらに細分化したランキングも存在します。そして今回出てきた「海外女性アーティストのアルバム1位獲得作品数」でいえば、1位がBoA(8作品)、2位がマライアとTWICE、3位がマドンナと少女時代(3作品)となっております。なんというか……時代を感じてしまいますね。

 「海外女性アーティスト」の代名詞がマライアとマドンナだったのは、それが「洋楽」とイコールだった時代です。もちろん両者は今も現役ですが、BoAが日本デビューした2001年以降、「海外アーティスト」=「洋楽」とは言えなくなります。洋楽より邦楽が売れるのが日本のマーケットですから、限りなくJ-POP寄りだったシンガーBoAはマライアをあっさり抜き去っていきます。そこから10年をかけて韓国の音楽はどんどん日本および世界に浸透し、いつしか「邦楽」でも「洋楽」でもないひとつの潮流が作られていった。それが少女時代が『Gee』でブレイクした2009年あたりでしょう。

 懐かしさも込みで語られた昔の韓流ではなく、新しい刺激としてのK-POP。エッジの効いたビートと凛とした強さを誇るグループがたくさんが出てきて、夢中になる人が増えました。少女時代とKARAが二大巨頭となり、幅広い層がK-POPを聴くようになったのは2010年代以降だと思います。そしてK-POPシーンの動向を見ていれば「これが世界に行くチャンスだ」と考える人も出てくる。日本や台湾や中国出身のメンバーも在籍するTWICEには、KやJの括りを超えたアジアの今を感じます。同じことは多国籍グループのBLACKPINKやSEVENTEENなどにも言えますね。

 そして、今のK-POPアイドルは「異性に愛でられること」をまったく目的としていないようです。『&TWICE』を聴いてもしみじみ感じますが、「TT」の頃のような恋愛ソングは控えめ。メインになるのは同性に向けた前向きなメッセージで、収録曲「Be OK」なんて、彼氏と別れたばかりの友達に“オトコなんて他にもいるって!”と笑い飛ばしながら肩を叩くような一曲です。他にも、いかにも女子会って感じの歌詞が多数。これを支持しているのは世にいうアイドルオタクではなく、彼女たちと同じ目線で世界を見ている日本の若い女の子たちなのだと思います。

 BoAのデビューからもうすぐ20年。K-POPはどんどん新しいフェーズに入っていきます。「海外女性アーティスト」という括り、マライアの名前を引き合いに出す歴代記録、そろそろ、意味がなくなってきた気がします。(石井恵梨子)

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