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PIGGS、FRUN FRIN FRIENDS、NELN、透色ドロップ……コロナ禍デビュー、逆境に立ち向かう新生アイドルたち

リアルサウンド

20/7/19(日) 6:00

 新型コロナウイルスは今も音楽シーンに多大な影響を与え続けている。ライブやフェスティバルの中止・延期、限られた環境でのプロモーションやMV撮影など試行錯誤が続く中、オンラインライブと並行して政府が発表したガイドラインに従い、入場者数を制限したライブを開催するというのが現在の新しい音楽シーンの形式になりつつある。

参考:欅坂46、“新しいこと”尽くめだった衝撃の配信ライブ パフォーマンスの節々に感じた前を向く姿勢

 そんな厳しいコロナ禍中にもデビューしたアイドルグループがいる。本稿では、そのうちの4組をピックアップして紹介したい。

■PIGGS

 まずは、プー・ルイ率いる5人組アイドルグループのPIGGS。プー・ルイは昨年12月、所属していたBILLIE IDLEの活動休止後に、WACK代表の渡辺淳之介から出資を受け、新会社プープーランドを設立。緊急事態宣言が発令された今年4月にメンバーのCHIYO-P、SHELLME、UMI、BAN-BANとの同居を始め、そのグループ名を打ち出した。

 旧BiSのメンバーとして、不死鳥の如く何度も立ち上がってきたプー・ルイ。その近くにいたのが先述した渡辺の盟友であり、WACKサウンドを築き上げた松隈ケンタだが、PIGGSのサウンドプロデュースはRyan.BことBRIAN SHINSEKAI。振付にはGANG PARADEからの脱退、WACKからの独立をし、現在フリーランスの振付師として活動しているカミヤサキを迎えている。7月1日にリリースされたアルバム『HALLO PIGGS』はグラムロックが主体で、WACKサウンドとはまた一線を画す仕上がりだ。

 7月25日にはTSUTAYA O-nestで入場者を制限した上での初ライブの開催も決定(ライブ配信なし!)。YouTubeでの動画投稿や生配信をメインに活動してきたPIGGSが、ついにファンの前に姿を現わす。

■FRUN FRIN FRIENDS

 PIGGSと同じ4月に始動したFRUN FRIN FRIENDSは、あヴぁんだんど/avandonedのオリジナルメンバーだった、なゆたあく、宇佐蔵べにによるユニット。約4年の空白期間を経て、再び2人の物語が動き出した。

 デビューと同時に発表された1stシングル『キセラセラ / yum yum』、それから1カ月と経たずにリリースされた2ndシングル『ワンダーランド / yum yum remix』、3度のオンラインライブの出演、YouTubeチャンネルからの生配信とコロナ禍にも負けず、精力的な活動を続けている。

 チップチューン要素が散りばめられた「ワンダーランド」は、2人の再会をテーマにした楽曲。さらに披露されたばかりの「FRUN FRIN FRIENDS」は、なゆたあくが作詞・作曲を担当したダウナーな新曲だ。今後も、イベントへの出演が多く決まっており、有料、無料配信も予定されている公演もある。観ていて元気になる2人のパフォーマンスは、今の時期にだからこそ、よりカラフルな光を放つ。

■NELN

 「CREATE NEW IDOL WAVES」のコンセプトのもと、KARIN、AKARI、MAO、NATSUMIの4人により結成。「現実路線からの寝落ち」をテーマに今年4月、デビューしたのがNELNだ。

 注目は、デビューと共に発表された12カ月連続の楽曲リリース及びMV公開。第1弾「ワンダーフォーゲル」に続き、2曲目の「スクエア」、先月公開された「ノンフィクション」とサウンドのジャンルはバラバラながら、ドリームポップなグループのカラーは通底している。そこには映像作家の森岡千織、サウンドプロデューサーのShinnosuke Nakasoneが手がける高いクリエイティビティがある。特にサマーチューンながら、過ぎ去りし夏を想起させる「ノンフィクション」は傑作だ。

 8月28日には下北沢MOSAiCにて、1stライブ『Welcome to the NELN’s World.』を開催することもアナウンスされた。限定販売による会場チケットは完売。当日はオンラインでの無料配信が予定されている。メンバーのパフォーマンスに加え、初めてのライブにてどのようなグループの世界観が作り出されるのかにも期待だ。

■透色ドロップ

 今年4月、Zoomを利用した記者会見でグループの結成が発表された透色ドロップ。グループ名、コンセプト、楽曲のリリースをInstagramで発表していくというアイデアは斬新で、SNSを駆使したPR戦略にてたちまち多くのフォロワーを獲得。1st EP『透色計画』は、青春の匂いのするセンチなサウンドで、そのグループのコンセプトを色濃いものにしている。

 6月18日にはClub Asiaで開催したデビューライブ『アイドルをやらないと死ねない』をYouTube Liveで生配信。Twitter上で不定期にアップされていた「透色ドキュメンタリー」、ライブに向けたティザー映像からも情熱のこもったグループの思いがビシビシと伝わってくる。

 7月1日にはSNSからライブをメインとする「地上宣言」を発表。「少人数でしか実現できない新しいライブを生み出せばいい。だれも答えを見つけられていない、制限の多い地上だからこその魅せ方を、透色ドロップがつくればいい。」といった宣誓と共に、今後予定されている多くの単独公演の日程がアナウンスされた。

 「この世界はきっと、透色に溢れている」。そんなグループコンセプトのもと、新しいライブシーンを作り出していくのは、透色ドロップなのかもしれない。

 これら4組に共通しているのは、どんな困難にも負けないバイタリティだ。逆境の果てに、アイドルシーンの輝く未来が広がっていることを信じて。(渡辺彰浩)

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