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瀬戸山美咲 × 長田育恵、注目の劇作家ふたりによる「幸福論」ー 現代能楽集シリーズ第10弾が開幕

ぴあ

現代能楽集X『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より 撮影:ヤン・ブース

東京・世田谷パブリックシアター芸術監督の野村萬斎による企画・監修で、能・狂言を土台に現代演劇を創作する「現代能楽集」シリーズ。これまで宮沢章夫や野田秀樹、倉持裕、前川知大ら日本の演劇界を代表する顔ぶれが、能の物語に着想を得て新作を書き下ろし、時には能の演出手法に触発されながら新たな“現代能楽集”を生みだしてきた企画だ。その第10弾となる『現代能楽集X『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より』が11月29日(日)から同劇場シアタートラムにて開幕。今回は、近年、演劇賞を立て続けに受賞している劇作家・演出家の瀬戸山美咲と、スケールの大きな物語を描きだす筆力が注目される劇作家・長田育恵により、“幸福論”を立ち上げる2作を上演する。

まず、瀬戸山が作・演出を手掛けるのは、山伏への恋慕のあまり大蛇の姿となった娘を描く『道成寺』に着想を得た、順風満帆な人生を送る家族の物語。広告代理店を辞め独立したばかりの橘清、その妻・真姫は高級コンサルティングサロンを経営し、息子・清史郎は医学部の4年生だ。3人は順風満帆に見えるが、まだまだ満ち足りず、清は作家・安藤千佳の小説教室に通い始め、真姫は新たな顧客・白河安子を迎える。そして清史郎はアイドルを目指す奥野あんずと付き合い始めるが……。幸福な家族がさらなる幸福を激しく求めた結果の悲劇とは?

長田が書き下ろすのは、旅路の果てに我が子の死を知る母の悲しさを描いた『隅田川』を元にした、運命的に出逢う3世代の女たちの物語。家裁調査官の真鍋夏帆はある日、万引きをした谷口彩佳を担当することに。彩佳は過去にある男と一夜を過ごし、秘密を抱えていた。一方、独居老人の向坂悦子はヘルパーの吉田翠に世話をされている。異なる日常を生きてきた夏帆、彩佳、悦子の運命は、川のほとりに結ばれていき……。こちらも瀬戸山が演出を担当し、誰の目も届かない社会の片隅でありえるかもしれない物語を紡いでゆく。

出演は瀬奈じゅん、相葉裕樹、清水くるみ、明星真由美、高橋和也、鷲尾真知子で、この6名が2作でそれぞれ異なる役を演じる。現代に生きる人々の幸福とは何なのか? 気鋭の女性作家ふたりが生み出す濃密な世界を体感してほしい。

文:伊藤由紀子

現代能楽集X『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より
作:長田育恵(弐「隅田川」)・瀬戸山美咲(壱「道成寺」)
演出:瀬戸山美咲
監修:野村萬斎(世田谷パブリックシアター芸術監督)
出演:瀬奈じゅん 相葉裕樹 清水くるみ 明星真由美 高橋和也 鷲尾真知子

2020年11月29日(日)~12月20日(日)
会場:東京・シアタートラム

ポストトーク決定!
12月9日(水)19:00 登壇者:鷲尾真知子 明星真由美 野村萬斎(世田谷パブリックシアター芸術監督)
12月10日(木)19:00 登壇者:長田育恵(作) 瀬奈じゅん 清水くるみ
12月11日(金)19:00 登壇者:瀬戸山美咲(作・演出) 高橋和也 相葉裕樹
※開催回のチケットをお持ちの方がご参加可能

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