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権力と欲望の極致を鬼才パオロ・ソレンティーノが描く 『LORO(ローロ) 欲望のイタリア』が公開中

ぴあ

19/11/17(日) 0:00

『LORO 欲望のイタリア』 (C)2018 INDIGO FILM PATHE FILMS FRANCE 2 CINEMA

計9年もの間、大統領の座についていた、実在の大富豪シルヴィオ・ベルルスコーニは、政界・財界で権勢を振るいながら、脱税や賄賂、舌禍、下半身問題など、絶え間ないスキャンダルでも知られる問題人物。そんなベルルスコーニが2006年に政権を再び手中にする様子を描いたのが、公開中の映画『LORO(ローロ) 欲望のイタリア』だ。

なかでも凄まじいのは、女性問題のスケールの大きさ。20歳も年下の妻がいながら、10代の少女を恋人にしようとしたり、彼が開いたという、大勢の女性たちを集めた盛大なパーティーを、本作は再現していく。

監督は、『グレート・ビューティー/追憶のローマ』、『グランドフィナーレ』などで世界的に評価される鬼才パオロ・ソレンティーノ。彼の演出によって、ミュージカルのように熱狂的に描かれたベルルスコーニの日々は、圧巻のひとことだ。

そして、ソレンティーノ監督のデビュー作品にも出演していた名優トニ・セルヴィッロの怪演も特筆。リアリティある表現で、ひとりの人物の中にある限りない欲望と狂気が映し出されていく。

政界の汚職が問題になっているいま、権力に溺れる人間の悪辣さの極致とはどんなものなのか。本作の音楽と映像でとことん味わってみるのもよいのではないか。

『LORO(ローロ) 欲望のイタリア』
公開中

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