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『美食探偵』中村倫也、ついに“闇堕ち”? “光”の小芝風花ד闇”の小池栄子の演技がぶつかり合う

リアルサウンド

20/6/22(月) 10:30

 いよいよ最終回目前となった『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)第8話。地下アイドル“爆音エンジェルズ”のメンバーであるココ(武田玲奈)がストーカーの田畑(森永悠希)へと報復を遂げた第7話の事件はまだ終わっていなかった。ココが田畑に食べさせた毒キノコは、一度症状が改善したあと7日後に死に至るという、猛毒の“ドクツルダケ”だったのだ。

参考:ほか場面写真はこちらから

 そのことに気づいた明智(中村倫也)は田畑が入院する病院へと急ぐも、時すでに遅し。田畑はマリアファミリーに連れ去られ、死を待つしかない状況に。そこでもまた明智の前に姿を現したマリア(小池栄子)は、次は苺(小芝風花)を殺すと高らかに宣言する。危険に晒された時には必ず苺を守ると約束していた明智は、桃子(富田望生)も加えて共同生活を始めるも、マリアの魔の手は巧みに網の目をかいくぐり……。

 そして田畑の死が迫る運命の7日目。明智は、「マリアに会う」と言って姿を消したココを追ってGPSが示す場所へと向かうも、そこにはすでに毒死してしまった田畑とそれを微笑みながら見守るココの姿が。実は明智たちはココによっておびき出されていたことが明らかになり、その隙にマリアが苺へと急接近してしまう。マリアは苺に語るのだ。明智との出会いから心の変化、そしてそれでも「普通の人」という呪縛から逃れることができなかった境遇を……。

 小池栄子が体現するのは、悪魔のように見えたマリアの裏にもそうした悲しみや怒り、切なさがあったという多面的な表情だった。満足のいかない結婚生活を送っていたあの主婦は、マリアになることでしか生きられなかったし、その生き方を明智が解放してくれたのである。強さのなかにある弱さを垣間見せる小池栄子の堂々たる存在感により追い詰められる苺は、まさしく“闇”へと繋がるような穴の中へ放り出されそうになる。しかしその瞬間、明智が現れ、間一髪のところで救出。一転してマリアは明智を誘惑し、彼女たちはついにともに闇の中へ……。まさしく“闇堕ち”と言うべきラストを経て、結末は次週の最終回へと託された。

「明智さん、私は明智さんのことが好きです……。大好きです……! マリアのことなんて関係ない。明智さんがどう思ってるかも関係ない。私はただ、あなたのことが好きなんです……。だから行かないで」

 その苺の、魂の叫びを見せた小芝風花の告白をもってしてもマリアに誘われてしまう明智五郎。しかし彼がほんとうに“闇堕ち”してしまったのかどうかは、一考の価値があるかもしれない。なぜなら、「ありがとう、小林苺」と初めて彼女の名前を正しく発声した際の明智の顔の表情が、強い意志を携えたものに見えたからである。彼が向かった先にあるのは、マリアと生きていく世界なのか、それともマリアと決別した世界なのか。それはすなわち、一貫して“光”を体現し続けた苺と“闇”のマリアのどちらを取るか、という話になってくるであろう。ついに『美食探偵』は次週で最終回。中村倫也、小池栄子、小芝風花の演技のアンサンブルを最後の最後まで堪能し尽くしたい。 (文=原航平)

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