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石橋蓮司が18年ぶり映画主演で「生前葬のよう」と自虐、「一度も撃ってません」完成

ナタリー

20/3/9(月) 20:25

「一度も撃ってません」完成報告会にて、前列左から阪本順治、佐藤浩市、岸部一徳、石橋蓮司、大楠道代、桃井かおり、江口洋介。後列左から前田亜季、新崎人生、井上真央、妻夫木聡、渋川清彦、小野武彦。

「一度も撃ってません」の完成報告会が本日3月9日に東京・有楽町朝日ホールで行われ、主演の石橋蓮司らキャストと監督の阪本順治が出席した。

本作は、石橋扮する売れない作家・市川進がネタ集めのために殺しの依頼を受け、行きすぎた取材で騒動を起こしていくハードボイルドコメディ。会見には石橋と阪本のほか、大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、江口洋介、妻夫木聡、新崎人生、井上真央、渋川清彦、前田亜季、小野武彦が参加した。

オールスターキャストの名が並ぶ本作で、石橋は約18年ぶりに映画主演を飾った。制作のきっかけについて、阪本は「原田芳雄さんの家に集まった際に、桃井さんが『芳雄さんのあとは蓮司さんでやらない?』とおっしゃって。そのときいた俳優に『みんなやるよね?』と声をかけてくれたんです」と、原田の遺作となった「大鹿村騒動記」撮影後の出来事を述懐。そして出演者たちが本作に参加できた喜びを口々に語る中、佐藤は「『石橋蓮司最後の主演作』というお題目で監督から誘われたんです。ぜひ出てくれって」と暴露する。

それを受け、石橋は「昔のB級作品のようにひっそり上映して、ひっそり評価される映画になればいいなと思っていたんです。でもキャスティングを見たら、とてつもない人たちが出ることになっていて。どうやって説得したんだろうと思ってたら……『蓮司さんの遺作になるかもしれない』と言って監督と制作部が集めたのか!」とわざとらしく納得。「撮影中は“生前葬”のような雰囲気でやらせていただきました。皆さん長い間、お世話になりました!」と言い放って共演者を笑わせる。桃井は「遺作にしようとしてたんじゃなくて(笑)」とフォローし、「まだ元気なうちに力を発揮させてって、そういう話だったの。これで蓮司も死んだら、阪本さんと組むと死ぬってことになっちゃう。だから絶対死ねないわけ!」と力強く説明した。

“石橋節”は続き、「主演と言ってもちっとも大事にしてもらえない。朝は早いし、夜終わるのも一番遅い。お酒も飲めないし何もいいことなかった。二度とやりたくない!」と嘆く場面も。それでも妻を演じた大楠は「二枚目の素質をたくさん持っている方。今回も素敵でした」と優しいまなざしを送り、旧友を演じた岸部も「僕は(キャリアの)途中から俳優を始めたから、憧れの人みたいなところがある。ちょっと怖い感じがしていて、親しく話せるようになったのは最近ですね。“ある映画”をきっかけに」と石橋との共演を喜んだ。

さらに司会者から登壇者へ「石橋さんとのエピソードはありますか?」と質問が飛び出すと、石橋は「もういいよ俺の話は!」と恥ずかしそうにわめく。妻夫木は「僕は数日だけの参加だったんですけど、全体の撮影スケジュールを聞いたら2週間で撮ると聞いて。蓮司さんはなかなか寝られないスケジュールだったそうです」と主演ならではの苦労をいたわり、渋川は『半世界』で(石橋の)息子役をやらせてもらったとき、一緒に飲みに行かせてもらって。本当にお酒が強くてすごい。俺もこうなれればいいなと思いました(笑)。今回は飲みには行けなかったんですけど」と残念そうに語った。

「一度も撃ってません」は4月24日より東京・TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー。

(c)2019「一度も撃ってません」フィルムパートナーズ

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