押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?
“正義の魅力”について教えてください。
月2回連載
第28回
Q.
押井さんは悪の魅力には知性が欠かせないとおっしゃっています(※本連載第20回)。では、正義の魅力を際立させる要素はなんだと思っていらっしゃいますか?
── 今回は“正義の魅力”についてです。正義でマストなのはどんな要素でしょう?
押井 あのさー、それ以前の話なんだけど、私、正義に魅力を感じないんですよ。だから、正義に何なにがマストかなどと考えたことすらない。
── 子供の頃から悪人一直線?
押井 いや、そりゃあ小学生の頃は月光仮面、好きでしたよ。でも、正義の味方としてじゃなく、単にかっこいいと感じたからだと思う。
── 白いターバンとマントとマスクとサングラス、それにスクーターが押井少年にはかっこよく映ったんですね。
押井 当時の子供はみんな、あれがかっこよかったんです。でも、それと同時に胡散臭さを感じたのもはっきり覚えている。なぜなら月光仮面は決して人を殺さないから。
敵が銃を持っていると、その手元を狙って撃つだけで、絶対に殺さない。警察が敵に銃を向けても「撃ってはいけません。正義が汚されますぞ」だよ。子供心に「ほんとかよー」と突っ込んでたし、「正義ってそこまで堅苦しいわけ?」とも思っていた。月光仮面はかっこいいと感じた同時に、正義の胡散臭さを植えつけたヒーローでもあるわけです。
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