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山岡信貴監督×片桐仁、熱き“縄文トーク”の果てに「アートいらない」宣言?

ぴあ

(左から)山岡信貴監督、片桐仁

自主映画の祭典“ぴあフィルムフェスティバル”を擁するPFFが立ち上げた新プロジェクト“オンラインPFF”のオープニングを飾る『PFF・オンライン映画祭~“ひと”が映画をつくる~』。第4夜となった7月7日、静かなブームに沸く縄文時代を題材にした異色ドキュメンタリー『縄文にハマる人々』が配信上映された。

上映後のトークイベントには、初長編の『PICKLED PUNK』がPFFアワード1993で審査員特別賞に輝き、『死なない子供、荒川修作』『トゥレップ~「海獣の子供」を探して~』といったドキュメンタリー作品も高く評価される山岡信貴監督が登場。俳優、声優、彫刻家など多彩に活躍し、縄文マニアでもある片桐仁と共に縄文時代について熱く語り合った。

「普通、ドキュメンタリーってこういう問題が……、って(問題提起が)あるんですけど、出来事のすべては5000年前に終わっているし、なんら新しい発見もないし(笑)。撮っている間、映画になるのかなと思った」と振り返る山岡監督。それでも「分からないことに出会うことで、新しい自分、日本、世界を知る。自分も分からんもんを人々に伝えるのが性に合っていて」と探求が持つ本来の魅力に心奪われていた。

片桐は縄文時代をモチーフにしたTシャツ(JOMO-T)のデザインを手がけたことがきっかけで、土器や土偶に興味が沸いたといい、実際にワークショップで火焔土器づくりに挑んだそうだ。

「土器は天才アーティストがつくった“作品”じゃなくて、実は何世代も厳然たるルールでつくられたメイド・イン・ジャパンだった。僕らが知らない倫理観が生み出した宇宙みたいなものを感じた」(片桐)。

この発言に大いにうなずく山岡監督は、「触ってみると、見ていたのと全然違う。縄文はやっぱり“立体”」だと力説。「アートって、いらないんじゃないかって。今はぶっ飛んだアイデアや、価値観を変えるアート的なものがいろいろ出てきている」と語ると、片桐も「実はアートという言葉はすごく嫌い。でも、他の言葉がないし、それ(アートという言葉)で納得してくれる人も多い」と持論を展開していた。

なお、本作のナレーションはコムアイ(水曜日のカンパネラ)が担当しており、山岡監督は「彼女がしゃべると、1万年前もふわっと感じられる。ちゃんとした人だと(笑)、年表が浮かんでしまうし。『あいまいに喋って』『滑舌悪くして』とお願いした」と裏話を披露していた。

文:内田 涼

『PFF・オンライン映画祭~“ひと”が映画をつくる~』
7月4日(土)~9日(木) 連日21:00よりライブ配信
※配信終了後~各7日後の23:59までアーカイブ視聴可能

「PFF・オンライン映画祭」詳細(https://pff.jp/jp/news/2020/06/pff_online2020.html

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