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タリバン政権下のアフガン描く「ブレッドウィナー」全国で再上映、少女が男装で家族養う

ナタリー

「ブレッドウィナー」ポスタービジュアル

タリバン政権下のアフガニスタンを描いた長編アニメーション「ブレッドウィナー」が、8月30日より愛知・大須シネマ、9月11日より大阪のシネ・ヌーヴォXほか全国で順次再上映される。

「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」で知られるアニメーションスタジオのカートゥーン・サルーンが、デボラ・エリスによる児童文学「生きのびるために」をアニメ化した本作。舞台は第1次タリバン政権の末期、2001年のアフガニスタンだ。主人公は父親が娘に本を読ませた罪でタリバンに連行されてしまった11歳の少女パヴァーナ。女性だけでの外出が禁止されている中、パヴァーナが家族を養うために髪を切り男装して働きに出るさまが描かれる。

原作は人権活動家でもあるエリスがアフガン難民に聞き取り調査を行い、タリバン政権下で女性や子供が経験した事実をベースにフィクションとしてまとめ上げた1冊。イスラム主義勢力のタリバンは1996年から2001年にかけて政権を握っていた際、女性の教育や社会進出を認めなかった過去がある。このたび8月中旬のタリバンによる政権掌握の事態を受け、配給を務めるチャイルド・フィルムが劇場側に再上映を打診。全国7館での上映が決まった。

現在のタリバンは女性の権利に関して融和的な姿勢を示しているものの、その実態は不明だ。チャイルド・フィルムの担当者は「アフガンの情勢を気にしていた劇場さんが『ぜひ上映したい』と手を上げてくださった」とコメント。さらに「世の中で起きていることを伝えるのも映画の大切な役目。この映画を通して、できるだけ多くの人にアフガンで何が起ころうとしているのかを知ってもらいたい。そして国際社会と国民1人ひとりが注視していくことが重要だと思います」と語った。

ノラ・トゥーミーが監督を務めた本作は2018年の第42回アヌシー国際アニメーション映画祭で観客賞、審査員特別賞、最優秀音楽賞の3冠を獲得。第45回アニー賞では最優秀インディペンデント作品賞を受賞したほか、数々の映画祭で高く評価された。また第90回アカデミー賞では長編アニメーション賞にノミネート。日本では2019年12月に劇場公開された。

「ブレッドウィナー」は9月17日より東京・Morc阿佐ヶ谷、広島・サロンシネマ、 10月より静岡の静岡シネ・ギャラリーでも上映。鹿児島・ガーデンズシネマでは9月8日に1日限定上映を行う。また新潟・高田世界館での上映も予定されている。

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