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w.o.d.、硬軟併せ持つロックバンドの魅力を惜しみなく魅せつけたツアー・ファイナルをレポート!

ぴあ

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昨年はw.o.d.の配信ライブも観たけれど、やはりライブハウスで浴びる彼らの音楽は格別だった。いや、異次元と断言したいほど。開演前のサウンド・チェック時点で出音の大きさに少し驚いたが、ライブが始まるや、とにかく音のでかさに面食らった。

耳をつんざき、身も心も震え上がる爆音っぷりは、同じ空間を共有するライブハウスでなければ絶対に伝わらないもの。w.o.d.は全国各地でこの爆音を撒き散らし、生きる実感を骨身に味わったのではないか。それは今日集まった観客も同じだったに違いない。

今年3月に出た3rdアルバム『LIFE IS TOO LONG』リリースに伴うワンマンツアー”バック・トゥー・ザ・フューチャーⅢ”(大阪公演は8月12日に振替開催)は5月7日千葉LOOKを皮切りに、この日10本目にあたるツアー・ファイナルを恵比寿リキッドルームで開催。開演19時ジャスト、SEにヴァニラ・ファッジによるビートルズのカバー「Ticket To Ride」が流れ、場内はサイケな空気に支配される。そして、ステージ背面から4つの照明が煌々と輝く中、サイトウタクヤ(Vo/G)、Ken Mackay(B)、中島元良(Dr)のメンバー3人が登場。

空を切り裂く雷鳴のごときゴリゴリのベース音を合図に、ついにショウはスタートした。赤い照明が楽曲の緊迫感を煽り、この場にいるだけで気分は高揚するばかりだ。間髪入れずに次の楽曲に進むと、躍動感漲るドラムを基調にダンサブルなロックでさらなる爆発力を発揮。主張激しいベース・ラインや荒ぶるシャウトが楽曲の火力を強め、観客も拳を突き上げてノッていた。

ニルヴァーナよろしくグランジ風味のナンバーに入ると、ベースとドラムが作り上げた強固な土台にキャッチーなサビが差し込まれる。とにかく、3ピースの限界を超えたバラエティに富む楽曲はライブでさらに表情を鮮やかにして観る者を釘付けにする。脳内を引っ掻くようなリフを使用しながら、疾走するドライブ感がやけに気持ち良かったり、骨太かつ肉厚のグルーブを叩きつけるサウンドも破壊力抜群であった。

「Fullface」に入ると、制御不能のロック衝動が大爆発。イントロから野太いベースをブチかまし、その後もフィジカルを強打する肉弾サウンドを容赦なく見舞う。思わず背筋がシャキッと伸びるド迫力の演奏にフロアも異様に沸き上がっていた。それもそのはず、メンバー3人が一歩も譲らずに観客に体当たりしてくるパワーは半端じゃない。

この音をオープンエアーの野外フェスで聴いたら、どれだけ最高だろうか。そんなイメージも膨らんでくる、規格外の演奏に圧倒されっぱなしであった。それから口ずさみたくなるキャッチーな歌メロを配した「lala」をやり終えると、会場には盛大な拍手が鳴り響いた。

中盤に差し掛かり、爆音とは一線を画したミドルテンポの楽曲が3曲続く。クリアな歌心でポピュラリティを発揮したかと思えば、ブルージーなギターが沁みる楽曲も投下したりと、実に味わい深いものがあった。また、レッチリの哀愁に満ちた楽曲を彷彿させる「relay」もライブの流れにいいフックをもたらす。歌とベースのみで聴かせる前半を経て、バンド・サウンドに切り替わる静と動を踏まえた曲展開に多くの観客が魅了されていた。

柔和な歌メロで迫るバラード調の楽曲を挟んだ後、「どうも27歳になりました」とちょっぴり照れ臭そうに告げるサイトウ。そう、彼は2日前(6月23日)に誕生日を迎えたのだ。続けて「去年ライブができなくて、唖然とした。ライブが大好きなんですよ、来てくれてうれしい。」とソールド・アウトの場内に感謝の言葉を述べていた。

後半、「楽園」のイントロが響くと観客は瞬時に盛り上がり、多くのファンに愛されている楽曲であることを肌で感じた。さらにオルタナティブなロックでフロアを激しく揺らした後、「踊る阿呆に見る阿呆」も好リアクションで受け入れられ、ダンサブルな曲調でフロアを焚きつけていった。

カラフルな照明も曲調にマッチしており、お祭り騒ぎの熱気を作り上げていく。その後、照明により会場全体が明るくなる中で楽曲を力強くプレイし、生命力に溢れたポジティヴなエネルギーを観客一人ひとりに注入して駆け抜けると、ショウは残すところラスト1曲となった。

「ある人にとっては全然大したものじゃないかもしれんけど、ある人にとってはめちゃくちゃ大事なもんやと思うし。すごい得たものがいっぱいあるから、このツアー回れて本当に良かったなと思ってます。自分の作ってる曲は、あんまり誰かに向けた曲じゃなかったりするんです。誰かのためって偉そうなこと言えなくて、でも、このツアー中、みんなおんのっていいなって思ったんです。みんなでまた集まったときに、自由に遊んだりできたらいいなと思って、だから、最後の曲はみんなのための曲です。ありがとう。」とサイトウは言い放ち、新作収録の最終曲「あらしのよるに」を披露。

音源ではアコギを用い、オルガンをフィーチャーした静謐な曲調である。ライブ・バージョンはアコギやオルガンがなくとも、美しい歌声とメロディで楽曲の良さをしっかりとアピール。会場を埋め尽くす観客も静かに聴き入っていた。「寂しさはきっと あなたを想う愛しさだよ」という飾らない歌詞も今の時代に鋭く、深く突き刺さるものがあった。

全17曲、約1時間10分ほどでショウは終了。まるで海外バンドのショーケースギグ並みの潔さかもしれない。しかし、野性味溢れるワイルドな衝動からガラス細工のごとき繊細なメロディまで、硬軟併せ持つロックバンドの魅力を惜しみなく魅せつけてくれた彼ら。

最後にMCでも触れていたが、今年は昨年6月に新型コロナウイルス蔓延防止のために中止となった東名阪・対バンツアーのリベンジ公演を10月から11月にかけて東京、名古屋、大阪に札幌を加えた4都市で行うことを発表。

今日のライブ・パフォーマンスも凄みに満ちていたが、対バンでバチバチやり合うw.o.d.の戦闘能力にもより一層期待したくなる。自由に、ますます我が道を突っ走り続ける彼らの今後が楽しみになってきた。

文:荒金良介
Photo:小杉歩

<公演情報>
ONE MAN TOUR “バック・トゥー・ザ・フューチャーIII”
振替公演: 8月12日(木)梅田CLUB QUATTRO
※7月10日(土)10:00よりキャンセル分のチケット再販売あり
(チケット代3,500円・ドリンク代別)

w.o.d. presents “スペース・インベーダーズ 5.5″
10月20日 (水) 名古屋CLUB QUATTRO(愛知)
10月21 (木)大阪BIGCAT(大阪)
11月6日 (土)札幌cube garden(北海道)
11月11日 (木) 渋谷TSUTAYA O-EAST(東京)
※9月25日(土)10:00よりチケット一般発売(チケット代4,000円・ドリンク代別)
※対バン後日発表

ライブ情報はこちら:http://www.wodband.com/news/2447.html

<リリース情報>
3rd Full Album
「LIFE IS TOO LONG
発売中
https://ssm.lnk.to/LIFEISTOOLONG​

w.o.d. - 踊る阿呆に見る阿呆 [OFFICIAL MUSIC VIDEO]


w.o.d. – 楽園 [OFFICIAL MUSIC VIDEO]


w.o.d. – あらしのよるに [LIVE VIDEO]


■オフィシャルサイト
https://www.wodband.com/

■Twitter
https://twitter.com/wodofficial7​​

■YouTube http://www.youtube.com/c/wodband

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