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『天国と地獄』溝端淳平演じる八巻が大奮闘 日高と奄美大島の繋がりとは?

リアルサウンド

21/2/1(月) 6:00

「やーまーきーーーーーーっ!」

 日曜劇場『天国と地獄〜サイコな2人〜』(TBS系)第3話は、彩子(綾瀬はるか)と日高(高橋一生)の入れ替わりに気づいた、後輩・八巻(溝端淳平)が大奮闘。手に汗握る、スリリングな1時間となった。

彩子&八巻のドタバタバディにハラハラしっぱなし

 日高が歩道橋の上から捨てたカーキの革手袋は大型トラックの荷台で運ばれ、行方がわからなくなっていた。日高がINした彩子と八巻の会話を聞いていた“セク原”こと河原(北村一輝)により、トラックが通った道路沿いの県警に協力依頼が通達され、大掛かりな捜索が開始される。

 革手袋から日高の指紋と被害者のDNAが検出されれば、彩子がINした日高が逮捕されてしまう。それはなんとしても避けたい八巻は、彩子の指示に従って手袋のすり替えを試みる。だが、左右は間違えてしまうわ、怪しむ日高の話術にまんまとハマって入れ替わりに気づいていることがバレバレな会話をしてしまうわ、ツッコミどころ満載だ。

 一方、日高の姿にまだ慣れていない彩子は、今度は女湯に入るという大失態をやらかす。もはや殺人容疑で逮捕される前に、不審者として警察のお世話にならないかと心配になるほどだ。そんなドタバタバディだが、なんとか日高の手袋(左)を手に入れることに成功。右の手袋も科捜研にまで回ってしまい、あわやというところだったが、被害者のDNAが出ずに九死に一生を得る。

 あまりにラッキーな展開に八巻は、日高が河原に協力して信頼を勝ち取り、手袋からはバクテリアにより分解させて証拠は出させないというところまで、全て計画していたのではないかと予想。彩子は「さすがにないでしょ」と言いながらも、ドタバタバディが命拾いをしたのは、日高がいたからに違いないと思わずにはいられない。

謎が謎を呼ぶ、奄美大島と日高の関係

 八巻に物証すり替えを託し、彩子は日高の姿で「月と太陽の入れ替わり伝説」を突き止めるために奄美大島へと渡る。だが、言い伝えは言い伝えだと、誰に聞いてもなかなか有力な情報は出てこない。

 また、民宿の主人はシヤカナローの花を「サガリバナ」だと思っていると言うが、サガリバナは夏にしか咲かない花。しかもたった一夜だけ花開き、夜明けとともに散ってしまう幻の花。残念ながら、彩子と日高が入れ替わった時期とは合わない。

 ただ、1つわかったことは、彩子が見た日高と対峙する夢は、奄美大島・ホノホシ海岸の風景とよく似ていたということ。そして、このホノホシ海岸は砂浜ではなく、まん丸い石が敷き詰められている。その特徴的な丸さから、おそらく殺人事件の凶器となった石が、この海岸のものだということも。

 加えて、この海岸の石は持って変えると良くないことが起こるという呪いの石だと、地元の人が教えてくれた。「どうしても捨てられないんです」日高はなぜか凶器となったこの石を大事に持っていた。証拠などすぐにでも隠滅したほうがいいにも関わらず。果たして、これが入れ替わり伝説のキーとなっているのだろうか。

 さらに、民宿の壁には以前訪れていた日高の写真が飾られていた。緋美(アケビ)集落という場所に訪れていたと聞き、さっそく訪ねてみるが目ぼしいものは何もない場所だった。一軒、廃墟があったものの、最近まで人が住んでいた形跡もなさそうだ。一体、日高は何をしにこの集落まで足を運んでいたのだろうか。

そして起こった新たな殺人事件

 革手袋のピンチから脱し、ホッと一息ついていた彩子のもとに、1通の動画ファイルが日高から届く。そこには、彩子の姿で殺人を犯している日高が映し出される。あまりのショックに言葉が出ない彩子。体と魂の入れ替わりがもとに戻ったら、八巻と危ない橋を渡りながら手に入れた革手袋を物証に、日高を逮捕するはずだった。いわば、その張り合いこそが今の彩子の心を支える唯一の願いとも言えるものだった。だが、彩子の体で殺人を犯してしまったら、堂々と日高を逮捕することも叶わない。「あなたは私で私はあなたです。どうか、お忘れなく」と微笑む日高の言葉がさらに意味深に響く。

 しかし、そんな日高も、何かに操られているのではないかという素振りを見せていたことを、私たち視聴者は知っている。新月の夜、赤いスプレーで壁に書かれた「4」の文字。それを見つけた日高は「そうですか。終わりじゃなかったんですか」と言いながら、震えるように息をもらし、耳たぶを触る。そして時を同じくして、彩子の同居人・陸(柄本佑)のもとに便利屋の仕事が入る。それは、偶然か必然か、その「4」の文字を消すこと。日高の飲み込む水と、陸のぶちまける洗浄液。このリンクする液体は何を洗い流そうとしているのだろうか。

 新たな事件は、目黒区東原町で起こる。日高の指示で始末するように言われた“殺人リスト”のような書類のなかにも、確かに目黒区東原町の住所があった。そのリストによると、被害者の名前は四方忠良。壁に書かれた赤い「4」は、四方を殺人せよという指示なのだろうか。「4」を見た瞬間に漫画『暗闇の清掃人Φ』の映像がフラッシュバックしていたところを見ると、何か催眠のようなものにかけられている可能性すら感じさせる。

 日高は、動画ファイルの中で「ゴルフ場なんか作って大儲けした人なんでゴルフボールみたいに頭をデコボコにしちゃいたいと思いまーす」と話していた。前回のレジャー事業を営む経営者だった田所の遺体も、パチンコ玉を口の中に入れられた姿が特徴的だった。暗闇に包まれる新月の夜に、金儲けに目がくらんだ人たちの命を奪い、社会の清掃をしていくということだろうか。田所、四方を含め、先のリストには計10名の名前が並んでいた。やはり彩子は、あのリストを控えておくべきだったのだ。そこから日高の謎に近づけたかもしれないのだから。

 それにしても日高の動画は見ている視聴者としても実にショッキングだった。血しぶきを浴びながら、残酷な振る舞いを見せる姿が衝撃的だったのはもちろん、どこかで頼りにはしていた部分があったのかもしれない。そして、自分の体でそんなことはしないと、どこかで日高のことを信じていたといってもいい。なんならまだ被害者の顔まで見えていないという一縷の望みをかけて、フェイク動画であってほしいとさえ願ってしまいそうになる。これがサイコパス特有の人心掌握のうまさなのだろうか。

 入れ替わりに気づいた八巻。刑事魂で真実に近づいていく河原。ゴミの中から血の着いた布を見つけて彩子を怪しがる陸。彼らを生かしていく日高の狙いとは。そして、今度も彩子の体で殺人事件は繰り返されてしまうのだろうか。全く考えが読めない日高に、彩子以上に私たち視聴者もすっかり翻弄されている。

■放送情報
日曜劇場『天国と地獄 ~サイコな2人~』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:綾瀬はるか、高橋一生、柄本佑、溝端淳平、中村ゆり、迫田孝也、林泰文、野間口徹、吉見一豊、馬場徹、谷恭輔、岸井ゆきの、木場勝己、北村一輝
脚本:森下佳子
編成・プロデュース:渡瀬暁彦
プロデュース:中島啓介
演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木彩
製作著作:TBS
(c)TBS

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