ホドロフスキーのサイコマジック
20/6/10(水)
高校時代、ホドロフスキーの映画に惹かれた。
正直、何をやっているのかはよく分からなかったが、その分からなさがシュールで残酷な映像の美しさをかえって際立たせ、悪酔いに似た陶酔感に浸ることができた。
本作を観て、“分からなさ”の正体が分かった。
心を病んだ人たちへのホドロフスキーによる心理療法の様がドキュメントとして描かれる。そして、その様子はどれも尋常なものではない。それがなんと、これまでのホドロフスキー作品で映し出されてきた、あの“分からない”映像そのものなのだ。とにかくシュールで美しい。
ホドロフスキーは映像を通してセラピーをしていた。高校時代、そうとは気づかぬうちに、観賞しながら癒されていたのかもしれない。
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