LiLiCoのこの映画、埋もらせちゃダメ!
『長いお別れ』は、家族で観ればお互いに理解し合うきっかけになる作品
月2回連載
第22回
歳を重ねてからも、できる限り“家に帰る”って大事
今回紹介する2作品は、どちらも派手さはゼロですが、めちゃくちゃ私が気に入っています。最初の作品は、『湯を沸かすほどの熱い愛』で鮮烈なデビューを飾った中野量太監督の新作『長いお別れ』です。
厳しい父・昇平が70歳を迎え、お祝いのため久しぶりに娘たちが集まりますが、そこで分かったのは父が認知症になったこと。日に日に昇平の記憶は失われていき、その様子に家族はみな戸惑います。でも、そこで見つめ直したのは、家族の絆と妻・子供たちの立場。一方の昇平もまた、家族がみな忘れていたある思い出を取り戻そうとしていました。