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いま、最高の一本に出会える

ペンライトで「8」を作る超特急。

「誰1人欠けちゃいけない」超特急、8号車とユースケへの思いあふれた大切な記念日

ナタリー

19/8/10(土) 9:00

超特急が8月8、9日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで全国ツアー「BULLET TRAIN SPRING / SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA ~Breakthrough, The Six Brave Stars~」の神奈川公演を行った。

現在、自身最大規模となる全33公演の全国ツアーを行っている超特急。グループにとって大切な記念日である8月8日の「8号車の日」とその翌日に行われた神奈川での2公演は、通常のツアー構成とは異なる“8号車の日仕様”で実施された。2日間のライブのうち、この記事では8日のライブの模様をレポートする。

「1年に1度の8号車の日! 最高の記念日にしようぜ!」。ワクワクとした高揚感を煽る「Burn!」のイントロに乗せたユーキの言葉で、この日のライブは幕を開けた。8号車の意表を突くように3階席に現れたメンバーは、すぐそばで興奮の歓声を受け止めながら2階席、1階席と通路を駆け巡り、一気に会場をまとめ上げていく。5人がステージに上がると、タカシの気合いがみなぎるスクラッチポーズから「No. 1」へ。8号車のコールでにぎやかに彩られるこの曲をパワフルに届け、3曲目の「超えてアバンチュール」ではユーキが「8号車、ヘドバンの時間だー!」と観衆を先導。続く「Booster」では、現在休養中のユースケのラップパートに突入するなりステージ上と客席が一斉に「A!」と声を上げてダンスもコピーし、強い団結力で代役を務め上げる。「8号車までが超特急のメンバー」という超特急のコンセプトをそのまま実体化したようなパフォーマンスで、5人と8号車はオープニングパートを一気に駆け抜けた。

今回のツアーのテーマ曲「Hey Hey Hey」が披露されると、最初のMCへ。自己紹介では5人が声をそろえてユースケの口上を言い、客席のあちこちで明るく光る黄色のペンライトを見つめた。リョウガは「本日は8月8日、そう、8号車の日です!」と改めて伝え、カイは「外の天気よりも会場の中を熱くしたいな、と! 僕たちと盛り上がる準備、できてますか!?」と呼びかけ。8号車の大きな反応に、彼は「最高の夏にしましょう!」と、“超特急の夏”の到来を告げる。

ここからスタートしたのは、超特急のサマーソングや情熱的なアッパーチューンを並べたメドレーコーナー。1曲目を飾ったのは夏のライブの大定番曲「Summer love」で、シュノーケル着用のタクヤの「お前と過ごす夏って最高」というスイートなセリフや虫取り網を持ったリョウガの「たくさん汗かいてるところ、見せてください!!」という訴えに歓声や悲鳴が飛んだ。タカシはビーチチェアに座りながらさわやかな歌声を響かせ、2番になると全員がカラフルな浮輪を付けてダンス。既存の振りをアレンジした季節感割り増しのパフォーマンスは、大いに観客の目を楽しませた。続く「Make it hot!」ではステージに上がったカメラマンが踊るメンバーの姿を間近で捉え、指をくわえて悩ましげに体を揺らすリョウガやタクヤを大型ビジョンに映し出す。「up to you」「超越マイウェイ」と曲を重ねるにつれタカシのボーカルも一層の熱を帯びていき、8号車がメンバーの名前を思い切りコールする「Drive on week」でメドレーコーナーの盛り上がりは最高潮に。そして、続く「Secret Express」では、今回のツアーから披露されている新しいラップパートでメンバーが声を合わせる。活動初期からの“コール曲”の新たな姿をエネルギッシュに提示した5人は、タカシの抜けるようなファルセットに乗せ恋愛の苦悩を描き出す「Fashion」でメドレーパートを終えた。

紗幕が広いステージを覆い、ペンライト消灯のサインが出た中盤パートでは、それまでの華やかなムードが一変。ここで繰り広げられたのはレーザーの光を駆使したパフォーマンスパートで、タイトな黒い衣装をまとった5人は鋭く光るレーザーを自身の手振りや動きの中で自在に操るという、クールかつテクニカルな振る舞いで8号車を魅了した。レーザーパフォーマンスを終えるなりなだれ込んだ挑発的なダンスナンバー「We Can Do It!」では紗幕にグラフィックが映し出され、サングラスやグローブを投げ捨て重低音に体を弾ませる5人の姿を鮮やかに彩る。そして、流麗なピアノのイントロに8号車が思わず声を上げたのは、今回のツアーでは初披露となった「need you」。ダンサーメンバーが自身の初センター曲の象徴的なポーズをつないでいく場面、ユースケが「ikki!!!!!i!!」のポーズを担う瞬間には、空白のセンターポジションを黄色のスポットライトが照らし出した。気迫あふれる5人の歌とダンスに客席が熱い眼差しを注ぐ中、本来ユーキがカイからバラを受け取るラストシーンでは1人佇むユーキの後ろの紗幕に赤い花びらが舞い散る様が描き出され、上空からはバラ1輪が彼の足元に落ちる。それをゆっくりと拾い上げたユーキは花を胸元に抱き寄せ、静かに下を向いた。

続くセクションでは5人が3つのペアを作り、それぞれに既存の楽曲を新たな解釈で表現するシーンが展開していったが、ここでもメンバーは迫真のパフォーマンスで8号車に新たな表情を見せ続けた。「Beautiful Chaser」では、リョウガのキーボード演奏とユーキのソロダンスによるセッションが披露される。ラウドなギターサウンドとリョウガが奏でる不協和音を背中で受け止めるユーキは自身の頭の中にある物語をダンスで雄弁に描き出していく。猟奇的なオーラをまとい、ときに刺すような鋭い目つきで客席をにらみつけながら鬼気迫る身体表現を見せたユーキ。彼が最後にフッと微笑を浮かべ、勢いよく自らの首元を“掻き切って”その場に倒れ込むと、観客が息をのんだ一瞬の静寂が会場を包み込んだ。

タカシの叙情的なボーカルと共に届けられたバラード「霖雨」ではタクヤが裸足で現れ、バレエとコンテンポラリーダンスに演技の要素をかけ合わせたような情緒豊かな舞いで舞台上を躍動した。優しい笑顔を浮かべたかと思えば、次の瞬間苦悩の叫び声を上げるタクヤのパフォーマンスは、ユーキとは異なる見せ方で激情を表現したもの。一挙手一投足に繊細に感情を行きわたらせ、タカシの歌う“ここにいない人”を求めるタクヤは、最後に消えゆく光を空の両手で抱きしめていた。

カイとリョウガによる「LIBIDO」では、歌謡曲のサウンドに乗せて2人が軽快なペアダンスを披露。お互いの顔を寄せ合って交差する濃密な絡みには、客席から悲鳴のような歓声が湧き上がった。そして「HOPE STEP JUMP」で場内が明転するとライブも後半へ。再び客席通路へ飛び出した5人が着替えたのは濃いピンクを基調にイエローをアクセントカラーに使ったセットアップで、のちのMCでは8号車の日のために仕立てられた衣装だということが明かされた。「SAY NO」でユースケがメンバーに腕立て伏せを指示する“鬼教官”と化す場面はタクヤがその役を担い、スパルタ的な熱い振る舞いでメンバーを鼓舞していく。リョウガが8号車のコールを一身に集める“感電ソング”「Believe×Believe」のラストにはソロダンスのパートも設けられ、5人は無尽のエネルギーを発揮するようなパワフルなダンスリレーを披露した。超特急の“タオル曲”「浮つきWAVES」で客席に大きなウェーブを起こして一層一体感を高めると、キラーチューンの「バッタマン」へ。センターのユースケが渾身の叫びと全力ダンスで観る者を圧倒し、ライブの定番曲へと育て上げたこの曲で、メンバーは順番にユースケの叫びを担っていく。ユースケを憑依させたかのごとく、動きまで彼になりきったカイ、マッドネスな叫びで自身の個性もミックスさせたリョウガと続くと、タクヤは入りがワンテンポ遅れ、照れ笑いを浮かべながら叫び声を上げる。そして大サビでその役を担ったユーキは、腹の底からエネルギーを絞り出すような絶叫を広い空間に響かせ「弱ぇのは強ぇぞ!!」と思い切りシャウトした。

「バッタマン」の熱が冷めやらぬ中、5人は1列に並んで8号車と向き合う。声を上げたのはユーキで、彼は「6人体制になり、いろんなことがありました」と真剣な表情で切り出した。「EUPHORIAツアーの途中でユースケの休養発表があり、何より8号車のみんなにたくさん心配をかけたと思います。だけど僕ら、これまでも数々の壁を乗り越えてきました。だから、また6人そろってライブできる日を楽しみにしていてほしいし……何より、夢は叶えないと意味がないものだと思っています。僕らの結成当初からの夢、東京ドーム(ライブ)という夢に向かって明るい未来を突き進んでいきたい。そのためには、誰1人欠けちゃいけないんです。それは、8号車のみんなもだよ?」。目に涙を溜め、時折語気を強めながら心の中にある思いを8号車に吐き出したユーキ。彼が言葉を結ぶと、会場には「a kind of love」のイントロが鳴り響いた。

「それでもね 僕には君が必要なんだよ」と大切な人への優しい愛情を歌うこの曲を本編のラストナンバーに選んだ5人。タクヤはあふれる思いをこらえるように顔をゆがめ、タカシは「この先の未来 “ユースケと”歩いていきたい!!」と歌い替えて感情を爆発させた。ピンク色のテープキャノンが放たれる中、リョウガは「最高の8号車の日になりました! これからも、ユースケと共に。いつまでも走っていきましょう!」と呼びかけ、5人はステージをあとにした。

メンバーが去った瞬間に湧き起こった大きな「超特急!」コールを受けてスタートしたアンコールでは、1曲目に「8号車との歌」が披露された。ユースケが8号車への思いを込めて作詞作曲したこの歌で、5人は「みんなで一緒に歌いましょう!」と呼びかける。ユースケのポジションにスペースを作りつつ、8の字ポーズをしたり、隠し持っていたペンライトに光を灯したりしながら8号車の日にピッタリなナンバーを笑顔で届けていくメンバー。ユースケの黄色いペンライトはユーキが手に持ち、ラストシーンではリョウガが持っていたピンクのペンライトも合わせた7本で「8」の字を作り上げた。

曲を終えるなり、リョウガは「いい曲だよねって思うわけですよ。誰が作ったんですかねー?」と思わせぶりに笑みを浮かべる。この言葉にカイは、衣装にプリントされた「GENKI」という黄色い文字を指して「こいつだ!」と答えた。続いて届けられたのは、晴れやかに未来への希望を歌い上げる「gr8est journey」。曲前にカイが「6人で8号車の日を迎えたかったのが本音。ユースケも一緒に長い旅を続けていけるよう、これから先の未来も一緒に進んでいきましょう!」と言ったその言葉を体現するように、5人はまっすぐな眼差しで“向かう先”を力強く指差した。「走れ!!!!超特急」でアンコールが締めくくられると、カイは改めて8号車に呼びかけ「また6人で戻ってくることを心待ちにしていてください。それはキリンのごとく……首を長くして!(笑) “完全体”でライブができるように、突っ走っていくので!」と約束。リョウガも「100%、来年の8月8日はフルメンバーで迎えたいと思っています」と続いた。

アンコールを終えてもなお8号車の熱狂は冷めやらず、ライブはダブルアンコールへ。けたたましい踏切音に観客が大歓声を上げた次の瞬間、ステージに飛び出した5人はユースケの顔を大きくプリントした黄色のTシャツを着ていた。8号車の日のラストを飾ったのは、ユースケが作詞作曲したキラーアンセム「超特急です!!!!!!!!」。メンバーはTシャツのユースケの口を“パクパク”させながら、持ちうる力をすべて放出させるようなパワーとスピードでステージ上を縦横無尽に駆け巡り、会場をこの日一番の混沌と熱狂を巻き起こす。「お抹茶カイカイ!」「ステーキリョウガ!」とメンバーが順に名乗りを上げる場面では「食パンユースケ!」(カイ)、「食パンユースケ!」(リョウガ)、「食パンユースケ!」(タクヤ)、「食パンユースケ!」(ユーキ)、「食パンユースケ!」(全員)、「食パンユースケ!」(タカシ)と全員がユースケへの愛を叫び、最後には「食べるのユースケ(大好き)超特急です!」と声を合わせた。

ときにユースケの代わりを全力で務め上げ、ときに彼のスペースをそのままに、8号車とユースケへの深い愛を示し続けた2時間半を駆け抜けた5人。思いのこもった“不完全な”ライブで完全体の未来を8号車に約束した彼らは、最後まで優しく力強い笑顔を客席に向けながら舞台袖へと姿を消した。ツアーは8月17日の沖縄・沖縄コンベンションセンター劇場棟公演まで続き、このツアーファイナルをもって超特急は“全国開通”を達成する。

(撮影:米山三郎、深野輝美、笹森健一、小坂茂雄)

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