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和楽器バンド、日本武道館で恒例の大新年会「私たちの思いが今の時代を切り開けるように」

ナタリー

21/1/5(火) 14:59

和楽器バンド(撮影:上溝恭香)

和楽器バンドの年始恒例ライブ「大新年会2021 日本武道館2days ~アマノイワト~」が、1月3日と4日に東京・日本武道館で行われた。

和楽器バンドの「大新年会」開催は今回で8回目。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により2月29日と3月1日の開催を中止し、日程を8月に変更し「真夏の大新年会」と銘打って行われている。今年の「大新年会」も前回に引き続き会場収容人数の50%以下の観客を動員して開催され、2日目の模様は世界に向けて有料生配信も行われた。この記事では2日目公演の模様をレポートする。

今回の公演のセットは木目や格子をモチーフとした、日本建築を思わせる豪華な作り。開演時刻を迎えるとステージを覆う白い幕にオープニング映像が流れた。映像が終わり幕が落とされると、ステージには大正時代をイメージしたという黒基調の衣装に身を包んだメンバー8人の姿が。鈴華ゆう子(Vo)のアカペラのイントロから始まったのは1曲目「千本桜」。桜吹雪が華々しく場内に舞う中で8人は勇壮なアンサンブルを奏でる。鈴華は「さあ『アマノイワト』の幕開けだ!」と、ライブの開幕を力強く宣言した。

町屋(G, Vo)と蜷川べに(津軽三味線)が高らかにそれぞれの音を鳴らした「reload dead」、レーザー光線が激しく明滅した「反撃の刃」といった曲のあと、鈴華は「この時間を迎えるまでは本当にライブができるのか、不安と迷いがありました。皆さんの選択に感謝しています」と、会場に足を運んだファン、配信を見守るファンへの思いを述べた。その後は会場のファンが灯したスマートフォンのライトに照らされながら「オキノタユウ」を披露。町屋が奏でるアコースティックギター、神永大輔(尺八)の穏やかな音色が武道館の空気を柔らかく変えていった。

オーディエンスの三本締めのクラップが場内の一体感を高めた「起死回生」、そして黒流(和太鼓)、山葵(Dr)、亜沙(B)がタイトなリズムを刻んだ「日輪」のあと、鈴華はこの日のステージに立って2016年に行った初の武道館ライブを思い出したと語る。それを受けて町屋は「今日はセットが豪華ですよ! (LEDビジョンの)画質がよくて照れる(笑)」と、進化した今回のステージに対する感想を明かしていた。

さらに鈴華は前日に初披露となった衣装について「昨日はなぜ新しい衣装か言わなかったんですが、これは新年会のためだけじゃないんです」と告白。ここで発表されたのは1月1日に告知されたデビュー8周年の8大ニュース企画「八奏新報」の第1弾。和楽器バンドが4月から放送のアニメ「MARS RED」のオープニングテーマを手がけることが明かされると、客席からは大きな拍手が沸き起こった。そして8人はそのままオープニングテーマ「生命のアリア」をステージ上で初披露。哀切なメロディラインが印象的なミディアムチューンで、バンドの新境地をファンにアピールした。

リフターに乗った鈴華が流麗な歌声を轟かせた「月下美人」では、蛍のような光が幾重にも彼女を取り巻き曲の世界を表現。その後はメンバー8人の自己紹介へと移り、12月29日に放送されたTBS系「SASUKE」の1stステージで敗退した山葵は「悔しい結果となりましたが、(練習用の)セットを作る準備を進めています!」と次回出場に向けて意気込む。また黒流は8月の「真夏の大新年会」、そして今回のライブの状況を踏まえ「ファンの皆さんがルールを守ってくれているから、できることが増えていきます」と感謝の思いを明かした。

町屋がボーカルを取り、黒流と亜沙も加えたシンプルなアンサンブルで魅了した「Episode.0」のあとは、新年にふさわしい雅楽の名曲「春の海」をいぶくろ聖志(箏)と神永が奏で始め、途中からは蜷川と黒流も加わったEDMアレンジでパフォーマンス。鈴華もステージ中央で華麗な殺陣を披露した。さらに「チルドレンレコード」「World domination」「虹色蝶々」といったナンバーをメドレーで演奏し、オーディエンスを沸かせた。

その後は山葵と黒流による“ドラム和太鼓バトル”へ。今回のバトルの舞台はステージ後方に設置された大きな2本の柱の頂上。それぞれに鎮座するドラムセット、和太鼓セットにスポットライトが当たり、まずはワイヤーをつながれた2人がセットまで登るタイムアタックを繰り広げる。「SASUKE」出場者の山葵は軽やかによじ登り9秒19というタイムを叩き出すが、高所恐怖症の黒流は「登るぞー!」と叫びつつ一向に動かない。タイムオーバーで強制的に頂上まで吊り上げられた黒流は「強制的に上がるのが一番怖い!(笑)」と悲鳴を上げていた。

にぎやかなやり取りのあと、2人は真剣なバトルでダイナミックな音を響かせ、オーディエンスも事前に配られたハリセンを叩き彼らの熱演に応えた。バトルが終わるといよいよライブも終盤へ。鈴華は今回のライブのタイトル「アマノイワト」について「暗闇に包まれた“岩戸隠れ”の伝説の舞台が“天之岩戸”です。その重い扉が開かれたように、私たちの思いが今の時代を切り開けるようにと名付けました」と思いを明かした。そしてステージ上から雪が舞う中で「細雪」を披露し、最後は「IZANA」の壮大な演奏で締めくくった。

アンコールを求めるオーディエンスの熱狂的な手拍子に応え、8人は再びステージへ。最初に披露した「暁ノ糸」では、ファンから歌唱動画を募集する企画に寄せられた映像がLEDビジョンに映し出され、全国のファンとの一体感を演出した。歌い終えた鈴華は「この8人がこんな時代に、自分たちのペースで歩めているのはありがたいことです。待ってくれている方がいれば、これからも私たちは楽しいことを提示していきたい」と、デビュー8周年イヤーに向けた思いを熱く語った。

「いつの日かみんなで一緒に歌おう、と作った曲です。今日は拳に思いを込めてください」と鈴華が紹介したラストナンバーは「Singin' for...」。オーディエンスは鈴華の言葉に応え、力強くペンライトを振った。すべての演奏を終えたメンバーは会場のファン、配信を視聴するファンに大きく手を振り、名残惜しそうにステージを去っていった。

このライブのアーカイブ配信視聴チケットは明日1月6日16:00まで販売中。視聴期間などの詳細はオフィシャルサイトで確認を。

和楽器バンド「大新年会2021 日本武道館2days ~アマノイワト~」2021年1月4日 日本武道館 セットリスト

00. Overture~アマノイワト~
01. 千本桜
02. reload dead
03. 反撃の刃
04. 華火
05. オキノタユウ
06. 起死回生
07. 日輪
08. 生命のアリア
09. 月下美人
10. Episode.0
11. Wagakki & EDM Session -春の海 Remix-
12. スペシャルメドレー2021(チルドレンレコード~Perfect Blue~World domination~花一匁~Ignite~月・影・舞・華~虹色蝶々~星月夜)
13. ドラム和太鼓バトル~登攀猛打~
14. あっぱれが正義。
15. 細雪
16. IZANA
<アンコール>
17. 暁ノ糸
18. Singin' for...

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