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大久保佳代子 (オアシズ)の 人生そろばん

「小汚くならない」ために気をつけています

毎週連載

第112回

21/2/28(日)

今年で50歳。人前に出る仕事をしている上で気をつけていることがあります。それは「小汚くならない」ということ。そのためには、まず見苦しく太らないように努力しています。新陳代謝が悪いので、少しでも気を抜いたらすぐに2~3キロ太ってしまうくせに、痩せるのは非常に難しいお年頃。

私が一番太っていた時期ってたぶん高校から20歳前後の頃。体重65kg以上はありました。確かに、異様に食欲ありましたから。色気より食い気の時期だったので、太っているとかそこまで気にしてなかったような。その後、太っていることが功を奏してか、「ブスだ」「栃乃和歌に似てる」などと言われながら、ぼちぼち芸能界でお仕事を頂くように。でも30歳を超えたあたりからですかね、少しずつ体重を意識し始めて。テレビ画面に映る自分を観るにつけ「見苦しくなりたくない」「人に不快感を与えたくない」という思いが芽生えて体型を気にするように。それ以降、自分のベスト体重は53kg前後。55kgを超えたら黄色信号で頑張って戻すようにしています。

もちろん「男に抱かれたい! 抱かれてやる!」という欲望も太りたくない理由のひとつでした。体型に自信があるほうが積極的にいけますからね。でも45歳を過ぎたころから「対男」というより「対自分」というか、油断するとすぐさま中年太りになってしまうことへの危機感から太らないようにしています。

あと、まれに「大久保さんって50歳に見えない」とか「大久保さんって老けないよね」と言われることがあって、それが非常にうれしいんです。なんなら「面白い」と言われるよりうれしいかも。偉そうですが、同年代の女性の方々からちょっとでもいいので憧れられたいんです。タレントとして、顔は普通(そのへんにいるおばさんと一緒)だし、芸人と言っても自信を持って「コレだ!」と言える芸もないので、モデルのような体型にはなれないとしても、せめて「大久保さんも頑張って若さキープしているから私も頑張ろう!」と励みになる存在になれたらと。太ることで面白くなるなら全然アリですけど、私の場合は太ったら確実に「小汚い中年オバサン」になってしまうんで。10代は食欲が一番、20代30代で性欲が一番、40代になり徐々に自分への欲というか、自己顕示欲が大きくなってきているような気がしますね。

その「太らない」ための手段は、数年前に購入したエクササイズのDVDを引っ張り出してきて数日に1回、30分間ほどやっています。週何回やるとは決めず、やれる時間がある時にやるというゆるい感じで。あと、収録の時にでる楽屋弁当やロケ弁は、あえて残すようにしています。本当は完食できるし、したいけど、そこは敢えて我慢。基本、ご飯は半分残します。そんなことを繰り返していたら、年齢のせいもあるのか、半分くらいで満足するようになってきました。これ以上食べられなくなったら病気を疑ったほうが良いのかもしれませんが、単に食が細くなったのだと思います。

夜は、晩酌スタイル。ビールやワインなどにツマミを数品。ツマミは、野菜や肉を入れたひとり鍋や野菜炒めなどバランス良いものを心がけて。炭水化物は取らないようにしているのですが、やはり物足りなく感じてしまい、プラスαのツマミとして、常に常備してある柿の種を食べてしまうのでよろしくないですね。

年齢と共に、重力には逆らえずボディラインは緩んでいく一方だと思いますが、いつまでも「大久保さん、変わらないね」と言ってもらえるよう自己顕示欲全開でいきたいです。



構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

大久保佳代子おおくぼ・かよこ

1971年、愛知県生まれ。相方・光浦靖子とともに、1992年にオアシズを結成。OLと並行してお笑い芸人として活動をし、2010年以降はお笑い一本に。数多くのレギュラー、連載を持つ。
http://www.p-jinriki.com/talent/oasiz/

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