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『呪術廻戦』最強呪術師・五条悟はなぜ教師に? “柄じゃない”仕事を選んだ理由とは

リアルサウンド

21/3/8(月) 17:00

 「週刊少年ジャンプ」で連載中の芥見下々による漫画『呪術廻戦』。人間の負の感情から生まれる「呪霊」を、呪術を使って祓う呪術師の闘いを描く。

 物語の主人公は虎杖悠仁。高い身体能力を持つ虎杖の学校に眠っていた呪物の封印が解かれたことによって、呪霊が現れてしまう。呪霊に襲われる先輩を助けるために夜の学校に乗り込むが、危機に陥る虎杖。窮地を脱する力を得るために虎杖が選んだのは、呪物である「宿儺の指」を体内に取り込むことだった。

 この虎杖の行動によって、特級呪物・両面宿儺が復活。宿儺の器となった虎杖は死刑を宣告されるが、その命を一時期的に救ったのが特級呪術師で都立呪術高専の教師である五条悟だ。

こんなに強くていいのか

「大丈夫 俺最強だから」

 なんとなく、自分で強いというキャラクターは本当は弱い、と勝手に思っているところがあった。作品内でも「蓋を開けてみれば弱者による過大評価」というセリフがあるが、まさに。しかし、五条悟は本気で強い。「自分は強い」という割に弱いのは、最初はそれなりに強かったはずなのに過信から自分の力に胡坐をかいて努力をしていないからだ。

 五条の設定の中に「頭を回すために甘いものをよく食べていたらそのまま甘党になった」というものがあるが、それだけ考えることが多かった、ということだし、勝つために頭を使っていたということだ。

 もちろん、もともとの強さもある。子どものときから圧倒的なパワーを持っていた。呪術界の御三家・五条家の生まれで血筋としても一流である。呪術を使い、人間に危害を加える呪詛師たちからも恐れられている。

「五条悟が生まれて世界の均衡が変わった」
「五条が元気なら寝てるわ」

 こんなことを言われるのは主人公かラスボス(それも敵側)では、と思うのだが、五条は一応、イチ教師である。

目的への最短距離を知っている

 家柄が良く、ルックスも良い。そして世界を滅ぼすぐらいの力を持っているにも関わらず、職業は教師。「なんでもできちゃう人なのであんまりなんでもやらないようにしている」そうだが、その理由が「後進を育てるため」なのだ。「教師なんて柄じゃない」と自分でも言っている。なのになぜ、高専で教鞭をとっているのか。

 「呪術界の魔窟」となっている上層部。「そんなクソ呪術界をリセットする」のが五条の目的だ。上の連中を皆殺しにするのは簡単だ、と言うその言葉は嘘ではないだろう。しかしそれだけでは「変革は起きず、首がすげ変わるだけ」「そんなやり方じゃ誰もついてこない」。だから強く敏い仲間を育てるために教育を選んだ。

 教えるのもうまい。虎杖の修行のときも実践と理論を交えて教える。自分の実力がどんなものかも分かっていないと、教えられたことも頭に入ってこない。そして、五条は相手の実力も相手の成長度合いも瞬時に測れる。そのため、修行もスムーズ且つスピーディーである。もちろん、教えてもらう側に向上心がないと自分が弱いことを認められないので、教えてもらうセンスも必要だが。

実力があることによる裏付け

 時として、強さと指導者としての実力が伴わないことがある。例えば、スポーツの監督で現役時代には思ったような活躍ができなかった、という人もいる。呪術師を並べて話していいようなものでもない気がするが、強さには理由があって、その理由を明確に話せるから、生徒たちも納得ができる。

 本人は「性格が悪い」と言っているし、生徒の伏黒恵からは「デリカシーがない」と言われ、呪術高専の教師で一級呪術師の七海からは「絵に描いたような軽薄」と言われている。更には自身の高専時代には「正論が嫌いなんだよね」と言い、それは悪役が言うセリフでは……と思う。しかし、こんなセリフも強いから言える。弱い者が言えば負け犬の遠吠えだ。自分が強いことを知っているが、それでいてひとりではできないこともあると理解している。目的を達成するためには優秀な教師でいなければならないことを知っている。とても合理的な人間だと言える。

 読者としては五条が「味方」でよかったと思わざるを得ない。悪役だったとしたら、彼が登場するたびに絶望しなければならなかっただろうから。

(文=ふくだりょうこ(@pukuryo))

■書籍情報
『呪術廻戦』(ジャンプ・コミックス)既刊15巻発売中
著者:芥見下々
出版社:集英社
https://www.shonenjump.com/j/rensai/jujutsu.html

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