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『ミケル・バルセロ展』東京オペラシティアートギャラリーにて開幕 スペイン現代美術を代表するアーティスト、日本初の大規模個展

ぴあ

展示風景より

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スペインのみならず、世界を代表する現代美術アーティストとして知られるミケル・バルセロ。彼の日本初となる大規模個展が3月25日(金)まで東京オペラシティアートギャラリーで開催されている。

ミケル・バルセロは1957年、スパインのマジョルカ島生まれ。1982年に国際美術展「ドクメンタ7」(ドイツ・カッセル)の参加で注目を集め、以降、パリやアフリカなどさまざまな場所で、各地の風土や文化、歴史と向き合いながら制作を続けている。絵画のみならず、彫刻や陶芸、版画やパフォーマンスなどその活動の幅も広い。

展示風景より 左《恐れと震え》2018年 右《下は熱い》2019年


《海のスープ》1984年

まず最初に目にするのは、巨大な絵画作品群。近作から過去の作品へと時代を遡る形で展示されている。《海のスープ》のスプーンの柄のような木の棒は実際にキャンバスに刺さり、そこからうねりが生まれている。少年時代、毎日のように海に潜っていたというバルセロの作品には、海や海洋の生物が時折表れ出ている。

同展のキービジュアルに採用されている《雉のいるテーブル》は、一見すると抽象絵画のようであるものの、よく見ると画面の中央にはテーブルがあり、エビや魚、そしてキジと骸骨などが並べられていることがわかる。ダイナミックでありながら、細部まで細やかに描かれているのだ。

《雉のいるテーブル》(1991)


《雉のいるテーブル》(1991)部分


《雉のいるテーブル》(1991)部分

陶の作品も数多く制作している。陶を「絵画の延長」として捉えているバルセロは、力を加えて歪ませた陶に、魚や馬、金魚や骸骨などをペイントし、あたらしいイメージを付加していく。

展示風景より


《カサゴの群れ》2020年


展示風景より「ブリーチ・ペインティング」のシリーズ

このほかにも、暗色のキャンバスに漂白剤で描いた肖像画の「ブリーチ・ペインティング」のシリーズや、旅先の風景を描いたドローイング、パフォーマンスの記録映像など、本展ではバルセロのジャンルを超えた活動を紹介していく。

展示風景より

「人間が生きるということ、自然や根源などをテーマにしたバルセロの作品。激しい筆致でありながら、どこかかわいらしい色彩とフォルムが親しみも感じさせる。日本ではほとんど未紹介のアーティストの作品を、一度体感してみよう。

取材・文:浦島茂世

【開催情報】
『ミケル・バルセロ展』
1月13日(木)~3月25日(金)、東京オペラシティアートギャラリーにて開催
http://www.operacity.jp/ag/

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