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尾上松也が“金魚すくい”から学んだこととは? 『すくってごらん』本編映像&場面写真公開

ぴあ

21/3/8(月) 10:00

『すくってごらん』 (C)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社

尾上松也が初主演し、ももいろクローバーZの百田夏菜子が初のヒロイン役を務めた映画『すくってごらん』が3月12日(金)より公開される。この度、本編映像と、新たな場面写真が公開された。

本作は、思い描いていた順風満帆なエリート銀行員人生から外れ、荒んだ気持ちを抱えて左遷の地にやってきたプライドは高いがネガティブな男・香芝誠が、世界一静かで優雅なスポーツと言われる“金魚すくい”や、それを取り巻く人々と出会い、成長していく物語である。世界初の金魚すくいマンガにして「このマンガがすごい!」にもランクインした大谷紀子による同名漫画を、『ボクは坊さん』で長編監督デビューを果たした真壁幸紀が映画化した。

キャストは香芝を尾上、彼が一目ぼれする美女・吉乃を百田が演じるほか、柿澤勇人、石田ニコル、矢崎広、大窪人衛、清水みさと、辻本みず希、北山雅康、鴨鈴女、やのぱん、竹井亮介、川野直輝、笑福亭鶴光らが名を連ねた。



公開された映像は、支店に着任した香芝の歓迎会として、金魚すくい大会が吉乃が営む「紅燈屋」で行われた場面。香芝は支店の面々が金魚すくい大会を楽しむ中、気が乗らず一足先に帰宅してしまう。彼が夕食を作ろうと煮干しを取り出すと、なぜかその煮干しが水の中で泳ぎだす。思わず、持ち帰ったポイで煮干しをすくうと、そこに香芝を心配した吉乃が「鍵開いてたもんやから」とおはぎを持って訪ねて来る。そこで香芝はポイを握りしめている姿を見られてしまうのだった。

本作の見どころのひとつは、もちろん“金魚すくい”。世界一静かで優雅なスポーツと言われるが、実際は夏祭りや縁日でしか体験したことがない人がほとんどだ。映画『すくってごらん』のキャストたちも同様で、撮影に入る前に、“金魚すくい”の道場へ練習に行き、名人からコツを学んだ。

まず、金魚は追いかけるだけではなくて待つ。焦って追いかけるとポイが破れてしまうので、金魚がポイに乗ってくるまで静かに動かずにいる感覚だ。尾上松也は「つまり、すくうとは待つことであり、香芝は“金魚すくい”を通してそれに気づいたのでしょう。自分の理想や自分の考えにこだわって突き進みがちですが、冷静になって立ち止まり、どうするべきか考えることが必要だったのです。これは恋愛にも友情にも言える普遍的なことだと思います。そう思って演じました」と“金魚すくい”から多くを学んだようだ。

また、ポイが破れたら終わりではなく、破れてからどうするかも面白さのひとつ。特に競技では破れても気にせずに、少しでも残っている部分ですくい続けるのだ。それは出世競争に“敗れた”香芝がこの後どうするかと重なる。“破れる”と“敗れる”、金魚を“すくう”ことで、人生を見つめ直し自らを“救う”。そんなダブルミーニングから導かれる展開も興味深い。

あわせて公開された場面写真では、金魚売り・王寺昇の車に乗りながらも白けた表情の香芝、寂しそうに部屋で“小赤”を見つめる香芝、真剣な表情で破れたポイを持つ香芝など、“金魚すくい”と関わってだんだんと変わっていく彼の姿が切り取られている。

“金魚すくい”でよく見かける金魚が、“小赤”だ。観賞用からはじかれたものなのだと吉乃から聞いた香芝は「君たちも脱落者か」と彼らに自分自身を見る。が、そんな“小赤”も飼い方次第で、大きく育ち、何十年も生きるものもいる。左遷の地で人生と恋の荒波にもまれる香芝は果たして救われるのか? “金魚すくい”と香芝、その行く末が気になるところだ。

『すくってごらん』
3月12日(金)公開

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